ここではホームレス支援のための「ホームレス自立支援法」の内容と、ホームレスの実態に関する全
国調査の内容を押さえましょう。
「ホームレス自立支援法」は、2002年に制定された当時は、10年間の限時法でした。しかし現在は、
2027年まで延長されています。以下、覚えておきたいポイントを抜粋しています。
ホームレス自立支援法
ホームレスとは
第2条
この法律において「ホームレス」とは、都市公園、河川、道路、駅舎その他の施設を故なく起居の場
所とし、日常生活を営んでいる者をいう。
基本方針&実施計画
第8条
厚生労働大臣及び国土交通大臣は、第14 条の規定による全国調査を踏まえ、ホームレスの自立の支
援等に関する基本方針を策定しなければならない。
第9条
都道府県は、ホームレスに関する問題の実情に応じた施策を実施するため必要があると認められると
きは、基本方針に即し、当該施策を実施するための計画を策定しなければならない。
2 前項の計画を策定した都道府県の区域内の市町村(特別区を含む)は、ホームレスに関する問題
の実情に応じた施策を実施するため必要があると認めるときは、基本方針及び同項の計画に即し、当
該施策を実施するための計画を策定しなければならない。
ホームレス緊急一時宿泊事業(シェルター事業)
この事業は生活困窮者自立支援制度の一時生活支援事業(現在の居住支援事業)に移行されました。
ホームレスの実態に関する全国調査(令和3年)
この調査は、上記の第2条「ホームレス」に対して、国が各都道府県に委託し各都道府県の管内市区町村が個別面接によって調査を実施します。
● 65歳以上の高齢者が過半数
● 路上生活10年以上が4割
● 仕事をしている者は約半数
● 仕事は廃品回収が最も多い
※有効回答数:1,169 人(平均年齢63.6 歳)

ホームレスの人の約半数は収入のある仕事に就いていることも覚えておいて
過去問
第28 回 問題69
ホームレスの実態と支援に関する次の記述のうち、正しいものを1 つ選びなさい。
1 「平成24 年ホームレスの実態に関する全国調査」(厚生労働省)によれば、収入のある仕事に就
いている者は全体の3 割程度である。
2 「平成24 年ホームレスの実態に関する全国調査」(厚生労働省)によれば、路上生活をしている
者の約半数が30 歳〜 50 歳までの者である。
3 「ホームレス自立支援法」による支援を受けている者は、生活保護法による保護を受けることはで
きない。
4 「ホームレス自立支援基本方針」(厚生労働省、国土交通省)に基づき、国は、ホームレスの支援
に向けて実施計画を策定しなければならない。
5 ホームレス緊急一時宿泊事業(シェルター事業)は、生活困窮者自立支援法に基づく事業(一時
生活支援事業)に移行された。
(注)「ホームレス自立支援法」とは、「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」のことである。
「ホームレス自立支援基本方針」とは、「ホームレスの自立の支援等に関する基本方針」のことである。
1 「平成24 年ホームレスの実態に関する全国調査」(厚生労働省)によれば、収入のある仕事に就
いている者は全体の3 割程度である。
誤りです。ホームレスの半数以上は収入のある仕事に就いています。
2 「平成24 年ホームレスの実態に関する全国調査」(厚生労働省)によれば、路上生活をしている
者の約半数が30 歳〜 50 歳までの者である。
誤りです。55 歳以上の者で過半数を占めています。
3 「ホームレス自立支援法」による支援を受けている者は、生活保護法による保護を受けることはで
きない。
誤りです。生活保護法による保護も受けられます。
4 「ホームレス自立支援基本方針」(厚生労働省、国土交通省)に基づき、国は、ホームレスの支援
に向けて実施計画を策定しなければならない。
誤りです。実施計画は、ホームレスに関する問題の実情に応じた施策を実施するため必要があると認められると
きに、都道府県と市町村が策定しなければなりません。
5 ホームレス緊急一時宿泊事業(シェルター事業)は、生活困窮者自立支援法に基づく事業(一時
生活支援事業)に移行された。
これが正解です。現在では一時生活支援事業は居住支援事業となっています。
第36回 問題69
「ホームレスの実態に関する全国調査」(厚生労働省)に関する次の記述のうち、正しいものを 1 つ選びなさい。
1 概数調査によれば、全国のホームレス数は 2022 年に比べて増加している。
2 概数調査によれば、性別人数では男性より女性が多数を占めている。
3 生活実態調査によれば、ホームレスの平均年齢は 2016 年調査に比べて低下している。
4 生活実態調査によれば、路上生活期間「10 年以上」は 2016 年調査に比べて増加している。
5 生活実態調査によれば、「生活保護を利用したことがある」と回答した人は全体の約 7 割程度で
ある。
(注)「ホームレスの実態に関する全国調査」(厚生労働省)とは、「ホームレスの実態に関する全国調査(概数調査)」(2023 年(令和 5 年))及び「ホームレスの実態に関する全国調査(生活実態調査)」(2021 年(令和 3 年))を指している。
1 概数調査によれば、全国のホームレス数は 2022 年に比べて増加している。
誤りです。ホームレス数は減少傾向にあります。
2 概数調査によれば、性別人数では男性より女性が多数を占めている。
誤りです。男性が9 割以上を占めています。
3 生活実態調査によれば、ホームレスの平均年齢は 2016 年調査に比べて低下している。
誤りです。ホームレスの平均年齢は上昇しており、高齢化が進んでいます。
4 生活実態調査によれば、路上生活期間「10 年以上」は 2016 年調査に比べて増加している。
これが正解です。
5 生活実態調査によれば、「生活保護を利用したことがある」と回答した人は全体の約 7 割程度で
ある。
誤りです。生活保護を利用したことがあるのは約3割です。
第37回 問題98
事例を読んで、Aさんに対する福祉事務所の現業員(社会福祉士)の対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
ホームレスの男性Aさん(55歳)は8年前にギャンブルが原因で多額の借金をつくり、会社を辞めて、その後就労しないままホームレスとして生活していた。婚姻歴はあるが30歳の時に離婚して子どもは妻が引き取りその後音信はない。最近、体調も悪くなったため生活保護を申請したいと考え福祉事務所に来所した。長年のホームレス生活のため、収入、資産に関する書類は所有していない。
1 居住地がないため居住地を定めてから保護申請するように説明する。
2 稼働年齢層なので就労先を決めてから保護申請するように説明する。
3 ギャンブルによる多額の借金がある場合には保護申請はできないと説明する。
4 収入、資産に関する書類がなくても保護申請は可能だとして、申請手続きについて説明する。
5 保護申請に先立って、子どもへの扶養調査が必要だと説明する。
選択肢4が正解です。居住地がなくても、仕事をしてなくても、ギャンブルによる借金があっても、保護申請はできます。
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次からは、「権利擁護と意思決定支援」として認知症高齢者や障害者の意思決定を支援する仕組みを見ていきます。


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