【ニード論】ブラッドショーの4つのニード

ブラッドショー(Bradsbaw,J.) が提唱した4つのニードを覚えましょう。

人間のニーズは本人が自覚しているものだけではありません。

それらをいかに見出すか。

ブラッドショーが提唱した4つのニードのうち「感得されたニード」や「表明ニード」はわかりやすいですが、「比較ニード」や「規範的ニード」を見出さなくてはなりません。

ブラッドショーの4つのニード

フェルトニード(感得されたニード、自覚ニード)

フェルト(felt)は「感じる(feel)」の過去分詞形で、「感得された」という意味なので、本人が自覚しているニードや欲求のことを指します。

エクスプレストニード(表明ニード)

エクスプレスト(expressed)は「表明された」という意味で、クライエントが他人にわかるように表明したニードのことです。

フェルトニードを援助者などに表明することでエクスプレストニードになるわけですね。

コンパラティブニード(比較ニード)

コンパラティブは「比較する(compare)」の形容詞です。

人や他の集合体の状態との比較によって顕在化するニードのことです。

同じ特性を持つ別の人や地域などとの比較によって明らかにされるニードです。

同じような特性を持つ人たちの中で、一人だけサービスを受けていなければ、その人にはコンパラティブニードがあると判断します。

ノーマティブニード(規範的ニード)

ノーマティブは「規範的」という意味なので、価値基準や科学的判断に基づく絶対的基準との比較によって顕在化するニードのことを指します。

つまり、専門家などが「望ましい」と考える基準があって、その基準からのズレをニードとして捉えるわけです。

先ほどのコンパラティブニードは同じような特性を持つ人との比較、ノーマティブニードは専門家などが望ましいと考える基準との比較ですね。

三浦文夫のニード

ついでに三浦文夫のニード論も覚えておきましょう。

貨幣的ニードと非貨幣的ニードです。

貨幣的ニード……金銭給付によって充足されるニード
非貨幣的ニード…金銭給付によっても充足されないニード

まとめ

クライエント自身が自覚したフェルトニードによって、それを支援者などに表明すればエクスプレストニードになります。

コンパラティブニードは同じ特性を持つような人たちとの比較によって顕在化するニードで、ノーマティブニードは専門家などの絶対的基準との比較によって顕在化するニードです。

比較するものが違うのでしっかり理解を。

過去問

第31回 問題105

ブラッドショウ(Bradshaw,J)のニード類型論に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 規範的ニードは、同じ特性を持つ別の人や地域などとの比較により明らかにされる。
2 規範的ニードは、「望ましい」基準との対比において、専門家や行政官などが存在を認めたニードを指す。
3 規範的ニードは、クライエントとの契約によってその内容が定まる。
4 比較ニードは、クライエントによって体感的に自覚される。
5 比較ニードは、その存在が社会的に認知されているニードを指す。

1 規範的ニードは、同じ特性を持つ別の人や地域などとの比較により明らかにされる。
これは比較ニードの説明です。

2 規範的ニードは、「望ましい」基準との対比において、専門家や行政官などが存在を認めたニードを指す。
これが正解です。

3 規範的ニードは、クライエントとの契約によってその内容が定まる。
クライエントとの契約ではなく、専門家が規範的な基準と比較して見出すニードです。

4 比較ニードは、クライエントによって体感的に自覚される。
これは自覚ニードの説明です。

5 比較ニードは、その存在が社会的に認知されているニードを指す。
これは表明ニードの説明です。表明されたニードはその存在が社会的に認知され表明ニードとなります。

第29回 問題27

個人の福祉ニードに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 利用者のフェルト・ニードとは、専門職が社会規範に照らして把握する福祉ニードのことである。
2 人々の心身機能の状態が同一であれば、福祉ニードも同一である。
3 経済的な福祉ニードは、相談援助の対象とならない。
4 サービス供給体制の整備に伴い、潜在的な福祉ニードが顕在化することがある。
5 福祉サービスの利用を拒んでいる人の福祉ニードは、専門職の介入によって把握されることはない。

1 利用者のフェルト・ニードとは、専門職が社会規範に照らして把握する福祉ニードのことである。
これはノーマティブ・ニードの説明ですので間違いです。

2 人々の心身機能の状態が同一であれば、福祉ニードも同一である。
そんなことはありません。福祉ニードはひとりひとり異なります。バイステック7原則に「個別化の原則」がありましたね。

3 経済的な福祉ニードは、相談援助の対象とならない。
経済的な福祉ニードも相談援助の対象になります。
生活保護の相談援助などが典型です。

4 サービス供給体制の整備に伴い、潜在的な福祉ニードが顕在化することがある。
これが正解です。

5 福祉サービスの利用を拒んでいる人の福祉ニードは、専門職の介入によって把握されることはない。
そんなことはありません。
福祉サービスの利用を拒んでいる人のもとに出向いてニーズを掘り起こすこと(アウトリーチ)も専門職の仕事です。

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次は「適応機制とコーピング」についてです。

【適応機制&コーピング】補償と代償、合理化と知性化、問題焦点型コーピングと情動焦点型コーピング
適応規制を覚えるポイントは、「補償と代償」、「合理化と知性化」の違いを押さえること、コーピングのポイントは問題焦点型と情動焦点型を押さえることです。

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