ソーシャルワークの面接法&面接技法

ソーシャルワークにおいて面接はキモです。

面接の形である「面接法」、そして面接中の様々な「面接技法」を知りましょう。

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面接法

構造化面接、半構造化面接、非構造化面接

構造化面接:事前に質問内容や面接の順序などを明確に決めておいて、そのとおりに面接する形です。
非構造化面接:事前に面接の内容を全く決めず、面接場面で臨機応変に面接する形です。
半構造化面接:構造化面接と非構造化面接の中間的な形です。ある程度事前に面接内容を決めておいて、あとは臨機応変に変えていきます。

これら3つの区別は試験に出題されやすいので、しっかり区別できるようにしておきましょう。

深層面接

深層面接は市場調査に用いられる面接の形で、対象者の生活背景、態度、性格など複雑な心的過程を考慮して心の深層にある「ホンネ」の部分を探り出します。

生活場面面接

生活場面面接は面接室ではなく実生活場面(食堂、廊下、居室など)で面接を行う形です。
利用者が直面する実生活上の問題をその場で具体的に把握できます。

動機づけ面接

動機づけ面接は来談者中心療法などを用いて本人の動機づけを促す心理療法的な面接です。

クライエントの中にある矛盾や相反する複雑な感情(アンビバレントな感情)を解消していきます。

面接技法

ソーシャルワークの面接技法については、まずは「基本的傾聴の連鎖」と呼ばれる5種類の技法を知りましょう。

<基本的傾聴の連鎖>
・開かれた質問&閉ざされた質問
・励まし
・言い換え
・要約
・感情の反映

閉ざされた質問

限定した発言を求める質問のことです。例えば「あなたの性別は?」「ご兄弟はいますか?」「介護保険の申請はしていますか?」など、「はい、いいえ」で答えられるような質問など、限定された答えを求める質問です。

開かれた質問

クライエントの自由で主体的な発言を促す、答えが「はい、いいえ」などで限定されない質問のことです。

例えば「どのようなご相談ですか?」「あなたの趣味は?」など。

「閉ざされた質問」も「開かれた質問」もどちらも面接技法として重要で、使い分けなければなりません。

閉ざされた質問ばかり繰り返すと単調になりますし、開かれた質問ばかりだとクライエントは疲れてしまいます。

励まし

文字通り、励ますことです。励ましすぎるとだめなので、少しだけ。

言い換え

クライエントの発言を言い換えて伝えることです。

要約

面接を終わる時などに面接内容の要点を整理して伝えることです。

感情の反映

クライエントの感情を捉えて伝え返すこと、相手の感情に気付いて「仕事に失敗して落ち込んでいるのですね」などと伝えることです。

上記以外の面接技法については以下の内容を知っておいてください。

明確化

明確化は、クライエントがうまく言葉で表現できないことをワーカーが言語化して伝えることです。

直面化

直面化は、クライエントの言葉と感情や行動の不一致などの矛盾点を指摘し、クライエントの内面の葛藤に直面させる技法です。
課題を明確にして課題と向き合えるように支援します。

自己開示

自己開示は、ワーカー自身の感情を伝えることです。

過去問

第31回 問題89

調査方法としての面接法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 非構造化面接では、調査者が事前に定めた質問項目の順序で調査を進める。
2 半構造化面接では、準備した質問項目のうち半数を質問する。
3 非構造化面接では、通常、回答の選択肢を印刷した回答票を提示して調査を進める。
4 構造化面接では、事前に準備をせず、調査対象者が自由に語りやすいように調査を進める。
5 半構造化面接では、面接中に新たな質問項目を追加することがある。

1 非構造化面接では、調査者が事前に定めた質問項目の順序で調査を進める。
間違いです。これは構造化面接です。

2 半構造化面接では、準備した質問項目のうち半数を質問する。
半構造化面接は、ある程度面接の準備をしつつも、臨機応変に質問を変えたり順序を変えたりする面接技法です。
準備した質問の半分という意味の「半」ではありません。

3 非構造化面接では、通常、回答の選択肢を印刷した回答票を提示して調査を進める。
間違いです。非構造化面接は構造化しない面接ですので、事前準備をしない面接です。

4 構造化面接では、事前に準備をせず、調査対象者が自由に語りやすいように調査を進める。
構造化面接はしっかりと事前に準備をして、そのとおりに面接を進めるやり方です。

5 半構造化面接では、面接中に新たな質問項目を追加することがある。
これが正解です。

第30回 問題108

事例を読んで、Q市社会福祉協議会のA社会福祉士の用いた面接技法を示すものとして、正しいものを1つ選びなさい。
[ 事例 ]
 Q市社会福祉協議会に、一人暮らしのBさん(42歳、男性)が生活が苦しいと相談に訪れた。Bさんは20代後半まで正規就労していたが、体調不良により離職した。それ以来、不安定な就労が続いている。「親には迷惑を掛けたくないし、行政のお世話になるのも気が引ける・・・」と黙り込むBさんに、A社会福祉士は、「どうにもならなくて、おつらいのですね」と伝えた。
1 開かれた質問
2 直面化
3 自己開示
4 対決
5 感情の反映

選択肢5が正解です。

精神保健福祉士 第23回 問題43 

次の記述のうち、精神保健福祉士がクライエントに対して行う面接技法の直面化の説明として、正しいものを1つ選びなさい。
1 話した内容を別の言葉に換えて簡潔に伝え返すこと。
2 話した内容の矛盾点を見定めて指摘すること。
3 黙っていることの意味をくみとってまとめて話すこと。
4 考えや気持ちを単純な質問で引き出すこと。
5 否定的な内容を肯定的な意味づけに変えること。

1 話した内容を別の言葉に換えて簡潔に伝え返すこと。
これは「言い換え」です。

2 話した内容の矛盾点を見定めて指摘すること。
これが直面化です。直面化(confrontation)は、クライエントの言葉と感情の不一致や言葉と行動の不一致などの矛盾点を指摘し、クライエントの内面の葛藤状況に直面させる事で、問題を明確にし、課題と向き合えるように支援します。

3 黙っていることの意味をくみとってまとめて話すこと。
これは「要約」です。

4 考えや気持ちを単純な質問で引き出すこと。
これは「閉ざされた質問」でしょうか。

5 否定的な内容を肯定的な意味づけに変えること。
これは「リフレーミング」です。

精神保健福祉士 第21回 問題44 

地域活動支援センターに勤務するG精神保健福祉士は、利用者のHさんから、次のような相談を受けた。
Hさんは、「今のマンションに一人暮らしをするようになって半年経ったけれど、昨日、管理人さんから自転車を停める場所が間違っていると注意を受けたんです。
停める場所には、いつも注意しているので、絶対に間違っていないと話したのですが、なかなか信じてもらえずに・・・。もう一度確認してもらったら、管理人さんの勘違いだったんです。どうして疑われたのかな・・・。病気だからかな」と、涙ぐみながら話した。
G精神保健福祉士は、「半年も住んでいるのに、悔しかったですよね」と返答した。
次のうち、G精神保健福祉士が行った面接の技法として、適切なものを1つ選びなさい。
1 要約
2 繰り返し
3 感情の反映
4 言い換え
5 支持

選択肢3が正解です。

精神保健福祉士 第18回 問題43

統合失調症のHさん(29歳、男性)は、ガソリンスタンドのパート収入と生活保護費を併せて、アパートで単身生活をしている。
また、精神科診療所に外来通院している。
同診療所のJ精神保健福祉士が訪問したときに最近の様子を尋ねたら、「仕事が忙しくて大変で、とても疲れる。パート先の同僚が、生活が苦しいそうで、お金が何とかならないかと言っている」と話した。
J精神保健福祉士は「仕事が大変で体がきつくて疲れてしまうのもあるけど、もしかしたらパート先の同僚からお金を貸してほしいと言われて、どうしたらよいか悩んでいるのではないですか」と尋ねた。
次のうち、J精神保健福祉士が用いた面接技法として、正しいものを1つ選びなさい。
1 明確化(clarification)
2 要約(summarization)
3 直面化(confrontation)
4 支持(approval)
5 励まし(encouraging)

正解は選択肢1です。
J精神保健福祉士は、Hさんが不安で自分自身の思いをうまく表現できていないので、明確化して伝えています。

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