相談援助の過程で、まず最初にくるアウトリーチ。ひきこもりの人へのアプローチにはアウトリーチが欠かせません。詳しく見てみましょう。
アウトリーチの起源
アウトリーチは、慈善組織協会COSの友愛訪問員活動に起源を持ちます。
友愛訪問員と呼ばれるボランティアが家庭訪問したんだよね。これがアウトリーチの起源だよ。
アウトリーチとは
アウトリーチとは、積極的に対象者の居る場所に出向いて働きかけることです。何らかの理由で自ら支援を求めるのが難しい人に対し、情報や支援を支援者側から届けていきます。
アウトリーチの目的としては、①発見、②アセスメント、③支援、④地域づくり、などがあります。
過去問
第31回 問題110
アウトリーチに関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。1 支援を求めて相談室を訪れるクライエントを対象とする。2 相談援助過程の援助開始時だけではなく、援助が始まった後も有効である。3 慈善組織協会(COS)の友愛訪問員活動に起源を持つ。4 所属機関のバックアップを必要としない対応方法である。5 地域住民とのつながりの構築は不要である。
1 支援を求めて相談室を訪れるクライエントを対象とする。
誤りです。アウトリーチは支援が必要な人のところへ出向きます。
2 相談援助過程の援助開始時だけではなく、援助が始まった後も有効である。
正しいです。
3 慈善組織協会(COS)の友愛訪問員活動に起源を持つ。
正しいです。
4 所属機関のバックアップを必要としない対応方法である。
そんなことはありません。
5 地域住民とのつながりの構築は不要である。
そんなことはありません。
第35回 問題109
ソーシャルワークにおけるアウトリーチに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 相談機関を訪れたクライエントが対象になる。
2 援助の労力が少なく効率的な活動である。
3 自ら援助を求めない人への関わりとして有効である。
4 住民への関わりや広報を必要としない活動である。
5 援助開始前に行われ、援助開始後においては行われない。
1 相談機関を訪れたクライエントが対象になる。
誤りです。アウトリーチは対象者に直接出向いて支援します。
2 援助の労力が少なく効率的な活動である。
誤りです。自ら支援を求められないような人の自宅を訪問したりしますので、援助の労力は大きいです。
3 自ら援助を求めない人への関わりとして有効である。
正しいです。
4 住民への関わりや広報を必要としない活動である。
そんなことはありません。
5 援助開始前に行われ、援助開始後においては行われない。
そんなことはありません。
第33回 問題35
事例を読んで、N市の地域包括支援センターのC社会福祉士の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事例〕
N市の地域包括支援センターのC社会福祉士は、担当地区で住民主体の集いの場を行っているグループから、様々な高齢者が集まってくれて手応えを感じているが、福祉の専門的な相談に対応できずに悩んでいる、と相談を受けた。C社会福祉士は、この相談を住民活動と協働して、アウトリーチによる早期のニーズ把握を行う好機と捉え、対応することにした。
1 集いの場を通じて高齢者の早期のニーズを正確に把握するため、地域包括支援センターが主体となった運営に切り替えることを提案する。2 集いの場において受付や後片付けなどを手伝い、集いの場により多くの参加者を受け入れられるよう支援する。3 専門的な相談機関のリストを作成し、相談が必要な人に渡すよう、集いの場に参加している高齢者に依頼する。4 集いの場に地域包括支援センターの保健師を派遣し、適切な介護予防のプログラムが実施できるよう指導させる。
5 集いの場において出張相談を実施し、気になることがあればいつでも相談してほしいと参加者に伝える。
選択肢5がアウトリーチの形です。
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次は、バイステック7原則について学びます。
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