【社会保障】給付と負担

これまで見て来た社会保障制度を給付と負担という観点から見ていきます。
ここまでは給付を中心に学習してきましたが、ここでは負担について、特に国民負担率について知ってください。

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社会保障の給付と負担

下図は、ライフサイクルで見た社会保険や教育の給付と負担のイメージ(令和3年度実績ベース)です。
日本国民は生まれてから、出産手当金、出産育児一時金、保育や教育の給付、児童手当、児童扶養手当など様々な給付を受け、大学等を卒業して社会に出ると、今度は負担する側に回ります。
様々な税負担や年金や医療などの社会保険料を納め、60歳を超えるころから年金・医療・介護などの給付が増えていきます。

ライフサイクルで見た社会保険や教育の給付と負担のイメージ

国民負担率

ここからは負担に着目して見ていきましょう。

これまで学習してきたように、年金・医療・福祉などの社会保障給付費は年間140兆円という膨大な金額になっていますが、その給付の財源の多くは保険料で賄われているため、負担が発生します。
国民負担率は、国民所得に対する租税負担および社会保障負担の割合で示されます。
下図にあるように、国税、地方税、社会保障負担、(財政赤字)と積み上がっていますが、(財政赤字)を除いた租税負担率+社会保障負担率=国民負担率です。

2024年度の国民負担率は45%にも達しています。

カリスマくん
カリスマくん

お給料の半分近くが税金でもっていかれるのか~

20年間サラリーマンやってきた僕は10年近くタダ働きだったわけか・・・。

国民負担率の推移

諸外国との比較

国民負担率の国際比較(OECD加盟36カ国)では、日本は22位となっています。

カリスマくん
カリスマくん

日本の国民負担率45%は高!と思っていたけど、国際比較では上位ではないんだね。

国民負担率の国際比較(OECD加盟36カ国)

過去問

第27回 問題27(抜粋)

受益と負担に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
2 財務省は、社会保障負担額と財政赤字額の合計が国民所得に占める割合を国民負担率として公表している。

誤りです。国民負担率は社会保障負担額と財政赤字額の合計ではなく、社会保障負担額と租税負担額の合計が国民所得に占める割合です。

第25回 問題51

我が国における社会保障の給付と負担に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 国民負担率は、国民所得に対する社会保障負担の割合で示される。

誤りです。国民負担率は、国民所得に対する租税負担と社会保障負担の合計の割合で示されます。

介護福祉士 第34回 問題7

2015年(平成27年)以降の日本の社会福祉を取り巻く環境に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
5 日本の国民負担率は、OECD加盟国の中では上位にある。

誤りです。日本の国民負担率はOECD加盟36カ国中22位(2021年度)と、上位ではありません。

次の記事

次は、社会保障制度の歴史です。みんなが苦手な社会保障、その中でも難しい歴史を学びます。

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