知っているだけで得点になる心理学のキーワードを集めました。
心理学キーワード
セルフエスティーム
セルフエスティームは「自尊感情」であり、 「ありのままの自分自身を認め、愛する気持ち」です。
エスティーム(esteem)は「尊重、尊敬」という意味で、自尊感情は、外見や性格、特技、病気、長所や短所なども全てひっくるめた自分を尊ぶ感情です。

日本の子供は自尊感情が低いことが指摘されているね。
セルフエフィカシー
カナダの心理学者アルバート・バンデューラが提唱したセルフエフィカシーは「自己効力感」と呼ばれ、ある行動をうまく行うことができるという「自信」のことです。
エフィカシー(efficacy)は「効果」「有効性」という意味で、「自分はできる!」と考えられる力のこと、つまり「自信」です。
人がある行動へのセルフ・エフィカシーを強く感じていると、その行動を行う可能性が高くなり、その行動をするための努力を惜しまず、失敗や困難を伴っても諦めにくくなります。

バンデューラーといえばモデリング療法だね。
レジリエンス
レジリエンス(resilience)は、「回復力」「弾性(しなやかさ)」を意味で、困難やストレスに直面した際に回復する能力のことです。人間にはセルフエスティームとセルフエフィカシーによってレジリエンスという回復力が備わっています。

過去問
第37回 問題10
レジリエンスに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ストレスをもたらす原因となる出来事のことである。
2 強いストレスや心理的傷つきを伴う経験から、個人が持つ回復していく力のことである。
3 ストレスに伴って生じた不快な情動を、意識的に低減する方略のことである。
4 心的外傷となった過去の出来事を、あたかも今生じているかのように経験することである。
5 社会的な関係の中で行われる支え合いや支援のことである。
選択肢2が正解です。レジリエンスは回復力です。
第37回 問題18
災害時におけるレジリエンスの意味として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 災害の発生から復旧・復興に加え、次の災害に備えていくための諸活動を一つのサイクルとして捉えることである。
2 支援ニーズに対して支援者側から積極的に働きかけて情報や支援を提供することである。
3 被災者並びに被災地が被害から立ち直っていく際に持つ力のことである。
4 予期しない出来事に遭遇した際に、事態が悪化しているにもかかわらず楽観的な見方を維持する態度のことである。
5 大規模災害の後に一時的な現象として発生する理想郷的コミュニティのことである。
選択肢3が正解です。レジリエンスは回復力です。

同じ年にレジリエンスが2問もでてる・・・。
精神保健福祉士 第22回 問題109
対人援助領域におけるレジリエンス(resilience)に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。1 生活経験の乏しさから発する、日常生活を送る上での技術の不十分さをいう。2 精神疾患の病因モデルによる、人が持っている脆弱性をいう。3 精神科医療において、治療を行っても症状が改善しない状態をいう。4 人に潜在的に備わっている、逆境から復元できる力のことをいう。5 利用者が社会参加する際に、障害となる全てのものを取り除くことをいう。
選択肢4が正解です。
精神保健福祉士 第23回 問題33
スーパービジョンに向け、自分の関わりを振り返った精神保健福祉士(34歳、女性)の記録(事例)を読んで、答えなさい。
〔事 例〕
Fさん(32歳、女性)は、私が勤務する精神科病院に 18歳から統合失調症で入院していた。
私が担当になったのはFさんが 22歳の春だった。
入院中のFさんは年配者と過ごすことが多かったため、ロールモデルにできる人がおらず自分の将来像を描けないでいた。
そのため、同世代である私は会うたびに話しかけ、Fさんの将来について語ってもらった。
このことに刺激を受けたFさんは、次第に自分自身の存在を認め、退院を考えるようになった。
次のうち、この時点で「私」がFさんとの関わりの際に支援目標として意識したこととして、適切なものを 1 つ選びなさい。
1 セルフエスティームの向上
2 服薬を自己管理する能力の向上
3 ストレスに対処する技術の向上
4 社会生活技能の向上
5 権利を主張する能力の向上
選択肢1が正解です。セルフ・エスティームは「ありのままの自分自身を認め、愛する気持ち」のことです。
精神保健福祉士 第22回 問題118
次の事例を読んで、次の問に答えなさい。
〔事 例〕
Gさん(26歳、男性)は、大学生の時には相手の話した冗談を言葉どおりに受け取ってしまいトラブルに巻き込まれることもあったが、趣味の合う仲間もいて楽しく過ごすことができていた。しかし、就職してからは、元々あった音に対する敏感さに加え仕事の内容ごとに手順が異なり、戸惑うことが多くあった。異なる指示を受け混乱していたGさんはささいなミスを続けてしまい、上司からきつい注意を受けたことがきっかけで、休みがちとなった。Gさんには相談相手もおらず、1年もしないうちに自主退職してしまった。その後の求職活動では、書類選考や筆記試験では問題はないものの、面接になるとうまく話すことができず不採用が続いた。そのうちに、「もう何をやってもだめなんだ」と仕事探しをやめ、自宅で家族との接触も避け、自室に籠るようになっていった。このような本人の様子を心配した両親は、近所のXメンタルクリニックで相談していたが、ある日、両親と一緒にGさんが初めて受診した。そこで、担当となったH精神保健福祉士が、「今日はよく来てくれましたね」と本人を迎え、初回面接を行った。H精神保健福祉士は、数回の面接で、「周りがうるさいと仕事に集中できない」「パソコンでの作業は長時間集中できる」「急な予定変更には対応が難しい」「就職はすぐにしたいが、今はまだ自信がない」と話すGさんの状況から、地域若者サポートステーションの利用を勧めた。
その後、地域若者サポートステーションの利用を始めたGさんは、3か月たったある日の面接で、職場体験プログラムで会社訪問に行った時の様子を語りだした。
「指示が具体的で手順が明確だ」「イヤホンを着けたままできるパソコン作業は、手際が良いとスタッフから褒められた」と満足気に話し、「自分にも仕事がやっていけそうだ」と嬉しそうに続けた。
次のうち、この時点でのGさんの状態に関する用語として、適切なものを1つ選びなさい。
1 セルフコントロール
2 セルフエフィカシー
3 セルフスーパービジョン
4 セルフケア
5 セルフアドボカシー
選択肢2が正解です。セルフエフィカシーは自己効力感と訳され、「自信」のことですね。
公認心理師 第1回(追試)問83
自己効力感(self-efficacy)について、最も適切なものを1つ選べ。
① 効力感は能力の評価や目標の内容に影響しない。
② 高い効力感をもたらす効果的な方法は制御体験である。
③ 結果期待と効力期待はそれぞれ独立に行動に影響を及ぼす。
④ モデリングによる代理体験で効力感をもたらすことは困難である。
⑤ 効力感が低い人ほど失敗したときに努力の不十分さに帰属することが多い。
選択肢②が正解です。自己効力感を提唱したバンデューラーによると、自己効力感を構成する4要素の1つが「制御体験」です。
公認心理師 第5回 問22
深刻な逆境経験がありながらも、良好な心理社会的適応を遂げる過程を示す概念に該当するものを1つ選べ。
① ジョイニング
② レジリエンス
③ エントレインメント
④ ソーシャル・キャピタル
⑤ ソーシャル・インクルージョン
選択肢②が正解です。
次の記事
次は、記憶について。これも心理学です。
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