適応機制とコーピング

適応規制とコーピング すぐ覚えられる各論
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我々は日々生きる中で様々なストレスを受けています。

暑い、寒い、体調が悪い、仕事や人間関係によるストレスなど、24時間ストレスを受け続けているといっても過言ではありません。

そのようなストレスは太古の昔から人類が対処してきたがゆえに、無意識にストレスから自己防衛するための機能が備わっています。

それを「適応機制」といいます。

そして現代では、様々なストレスに積極的に対処するためのストレスコーピングという手法もあります。

ここでは「適応機制」と「コーピング」についてまとめます。

適応機制

適応機制とは、コーピングのように意識的にストレスに対処するのではなく、無意識下でストレスに対処しようとする心の働きであり、いわば防衛反応です。

だから適応機制は防衛機制ともいうね。

適応機制にはさまざまな種類があり、全て実際の例を確認しながら覚えていきましょう。

抑圧 

抑圧は、社会から承認されそうもない欲求を意識の中から締め出す無意識的な心理作用です。

自分の経験を思い出しましょう。

子どもの頃、欲しかったファミコンを買ってもらえず、ずっと欲求不満だったのですが、いつまでも不満を抱えていることに耐えられなくなり、その欲求を意識の中から無理やり締め出したことがあります。

まさに抑圧によるストレスへの対処です。

心理療法で精神分析療法というのがありました。

これは夢分析などで無意識化に抑圧された葛藤を意識化するものでした。

人間は欲求を無意識に抑圧しているので、それによって満たされないストレスを無意識に抱えてしまいます。

抑圧自体がストレスへの対処なのですが、それが過度になるとそれもストレスなので、精神分析療法があるのです。

昇華

昇華は、社会に承認されそうもない欲求を社会に承認されるものに置き換えて対応する適応機制です。

昇華の例はボクシングを思い浮かべてください。

人を殴りたい欲求不満をボクシングをすることで発散するというのは昇華です。

退行

退行は、現在の発達段階より下の段階に逆戻りする適応機制です。

いわゆる「子ども返り」とか「赤ちゃん返り」と言われる現象です。

合理化

合理化は、自分が取った葛藤を伴う行動に一見最もらしい理由付けをすることです。

「すっぱい葡萄」の話を思い浮かべましょう。

手の届かないところにあるブドウはきっとすっぱいに違いないと考える事が合理化です。

そうすることで手に入らなかったことを悔やむことがなくなりストレスが軽減します。

知性化

しっかりとした知識や情報を得ることで不安を解消することです。

例えば、飛行機に乗るのが怖い人が、飛行機事故の確率がとても低いという情報を得て安心する、などです。

知性化と合理化の違いをしっかり押さえておきましょう。

代償

代償は、満たせない欲求を他の類似した対象にむけて欲求不満を解消することです。

海外旅行に行きたいが国内旅行で我慢する、などです。

補償

代償と違って補償は前向きに別のことで補ってカバーすることです。

勉強が苦手な人がスポーツで努力して目標を達成する、などです。

代償と補償は単語が似ているので入れ替えて出題されやすいです。しっかり区別して覚えましょう。

反動形成

反動形成は、ある行動に対して持っていた本来の欲求や本心とは反対の行動をとることです。

例としてよく挙げられるのが、好きな相手にイジワルするというのがありますが、これは相手の気を引くためのイジワルではなく、好きという感情を抑圧するためにイジワルして嫌われるという目的の場合を考えてください。

その他、人から認められたいという思いから人の嫌がる仕事を引き受ける等も反動形成です。

置き換え

置き換えとは、八つ当たりのことです。

先生に叱られて腹が立ったので友達に八つ当たりしたり、などです。

コーピング

意識的にストレスに対処するコーピングには2種類あります。

問題焦点型コーピング

ストレスの原因(ストレッサー)そのものを排除したり改善したりして解決を図る手法です。

情動焦点型コーピング

ストレスに対する認知の仕方(感じ方や考え方)を変えたりストレス発散で気分転換することで、ストレッサーによって引き起こされた怒りや不安を低減する手法です。

葛藤

接近-接近型葛藤

2つ以上の欲求がどちらも正の誘発性を持っている場合の葛藤です。

「買い物に行きたいが旅行にも行きたい」とか「2社以上の会社から内定をもらってどれを選ぼうか」などです。

接近-回避型葛藤

「大きな家に住みたいがローンを払わねばならない」というような、やりたいことをやると嫌なことも伴う葛藤です。

その他

タイプA型行動パターン

ストレスに関する用語で覚えておいてほしいのはタイプA型行動パターンです。
Aggressiveの「A」で、攻撃的だったり切迫感や熱中しやすい、徹底的にものごとに取り組むなどの性格を持つ人のことです。

同時にいくつもの仕事を引き受けて締切までに終わらせようとするなどの性格です。

過去問

第31回 問題11

防衛機制に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 父から叱られ腹が立ったので弟に八つ当たりした。これを置き換えという。
2 攻撃衝動を解消するためにボクシングを始めた。これを補償という。
3 苦手な人に対していつもより過剰に優しくした。これを投影という。
4 飛行機事故の確率を調べたら低かったので安心した。これを合理化という。
5 失敗した体験は苦痛なので意識から締め出した。これを昇華という。

1 父から叱られ腹が立ったので弟に八つ当たりした。これを置き換えという。
これが正解です。
置き換えとは「人への八つ当たり」のことです。

2 攻撃衝動を解消するためにボクシングを始めた。これを補償という。
これは昇華の事例です。

3 苦手な人に対していつもより過剰に優しくした。これを投影という。
これは反動形成の事例です。

4 飛行機事故の確率を調べたら低かったので安心した。これを合理化という。
これは知性化の事例です。

5 失敗した体験は苦痛なので意識から締め出した。これを昇華という。
これは抑圧の事例です。

第29回 問題12

適応機制に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 抑圧とは、現在の発達段階より下の発達段階に逆戻りして、未熟な言動を行うことをいう。
2 昇華とは、ある対象に対して持っていた本来の欲求や本心とは反対の行動をとることをいう。
3 退行とは、苦痛な感情や社会から承認されそうもない欲求を、意識の中から閉め出す無意識的な心理作用のことをいう。
4 合理化とは、自分がとった葛藤を伴う言動について、一見もっともらしい理由づけをすることをいう。
5 反動形成とは、社会から承認されそうもない欲求を、社会から承認されるものに置き換えて充足させることをいう。

1 抑圧とは、現在の発達段階より下の発達段階に逆戻りして、未熟な言動を行うことをいう。
これは退行の内容です。

2 昇華とは、ある対象に対して持っていた本来の欲求や本心とは反対の行動をとることをいう。
これは反動形成の内容です。

3 退行とは、苦痛な感情や社会から承認されそうもない欲求を、意識の中から閉め出す無意識的な心理作用のことをいう。
これは抑圧の内容です。

4 合理化とは、自分がとった葛藤を伴う言動について、一見もっともらしい理由づけをすることをいう。
これが正解です。

5 反動形成とは、社会から承認されそうもない欲求を、社会から承認されるものに置き換えて充足させることをいう。
これは昇華の内容です。

第31回 問題12

ストレス対処法(コーピング)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 試験の結果が悪かったので、気晴らしのため休日に友人と遊びに出掛けた。これは、問題焦点型コーピングである。
2 食事介助がうまくいかず落ち込んだが、先輩職員に具体的な方法を教えてもらった。これは、情動焦点型コーピングである。
3 事例検討会で発表することになったが、うまくできるか心配になったので深呼吸をした。これは、問題焦点型コーピングである。
4 残業が続き自分一人ではどうにもならなくなったので、上司に仕事の配分の見直しを依頼して調整してもらった。これは情動焦点型コーピングである。
5 利用者との面接がうまくいかなかったので、新しいスキルを身につけるため研修会に参加した。これは、問題焦点型コーピングである。

1 試験の結果が悪かったので、気晴らしのため休日に友人と遊びに出掛けた。これは、問題焦点型コーピングである。
これは情動焦点型コーピングの例です。

2 食事介助がうまくいかず落ち込んだが、先輩職員に具体的な方法を教えてもらった。これは、情動焦点型コーピングである。
これは問題焦点型コーピングの例です。

3 事例検討会で発表することになったが、うまくできるか心配になったので深呼吸をした。これは、問題焦点型コーピングである。
これは情動焦点型コーピングの例です。

4 残業が続き自分一人ではどうにもならなくなったので、上司に仕事の配分の見直しを依頼して調整してもらった。これは情動焦点型コーピングである。
これは問題焦点型コーピングの例です。

5 利用者との面接がうまくいかなかったので、新しいスキルを身につけるため研修会に参加した。これは、問題焦点型コーピングである。
これが正解です。
問題焦点型コーピングの例です。

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