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カリスマ渾身の一冊

福祉サービスを提供する組織

社会福祉事業をやりたいと思ったら、法人を作らなければなりません。

非営利法人の代表格である社会福祉法人、NPO法人、医療法人については学んできました。ここではもう一つの選択肢「労働者協同組合」について学びましょう

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社会福祉事業を実施できる法人

社会福祉事業を実施するには法人を設立する必要がありますが、法人であれば株式会社や合同会社のような営利法人でも可能です(第一種社会福祉事業は社会福祉法人である必要があります)。

非営利法人であれば税制優遇を受けられるなどのメリットがありますが、非営利法人の中でも特に社会福祉法人は設立自体が現在では困難になりつつあります。NPO法人でも発起人を10人以上集める必要があり、難易度が高いです。一方で、株式会社や合同会社であれば1人で容易に設立できますが、税制優遇はありません。

ここでもう一つの選択肢である「労働者協同組合」を見てみましょう。

営利・非営利法人格条件設立難易度出資税制優遇その他
非営利社会福祉法人理事6名以上
監事2名以上
☓(認可)利用者を集めやすい
第一種社会福祉事業が可能
非営利NPO法人発起人10人以上☓(認証)
非営利一般社団法人
(非営利型)
発起人2名以上
非営利(特定)労働者協同組合発起人3名以上〇(△)☓(〇)
営利株式会社1人で設立できる
営利目的っぽく見られる
営利合同会社1人で設立できる
営利目的っぽく見られる

労働者協同組合

労働者協同組合は労働者協働組合法に基づいて設立される協同組合です。協働組合といえば生協や農協などが有名ですが、共通の目的を持つ組合員が自発的に出資し、相互扶助の精神で民主的な運営により生活や仕事の向上を目指す非営利法人になります。

以前は、共同労働の形として法人格を持たない任意団体やNPO法人として実施されてきましたが、法人格がないと様々な契約ができなかったり土地や建物の所有ができなかったりそもそも社会福祉事業ができなかったり、NPO法人では組合員の出資ができなかったり設立や維持のための手続きが煩雑であったり、ということで協同労働を位置付けるための新たな法律が求められ労働者協働組合法ができました。

労働者協働組合の特長は、出資者、経営者、労働者が一体であるという点です。

カリスマくん
カリスマくん

労働者協働組合はワーカーズコープと呼ばれるね。

発起人を3名以上集めて、必要な書類等を添付し法務局で設立の登記をすれば、労働者協同組合法人の設立登記が完了しますので、簡単に設立できます。

<労働者協働組合法の要点>
・組合員はいつでも自由に組合に加入、脱退が可能
・組合員は、出資口数にかかわらず、一人一票で経営に参加
・組合と組合員の間で労働契約を結ぶと、一般の企業と同じく労働者の権利を得る
・労働者協働組合は、労働者派遣事業を実施できない
・総組合員の五分の四以上の数の組合員は、組合の行う事業に従事しなければならない
・組合の行う事業に従事する者の四分の三以上は、組合員でなければならない

組織運営のキーワード

アカウンタビリティ

アカウンタビリティとは、組織の経営者・担当者が、株主や顧客などのステークホルダー(利害関係者)に対し、経営方針、財務状況、事業活動の成果を報告・説明する責任のことです。

コンプライアンス

コンプライアンスとは、組織が法令、就業規則、企業倫理、社会規範などのルールを遵守し、公正・公平に業務を行うことです。

ファンドレイジング

ファンドレイジングとは、非営利団体が社会活動を行うための資金を、個人・法人・助成金などから集める資金調達活動のことです。

カリスマくん
カリスマくん

アカウンタビリティは説明責任、コンプライアンスは法令遵守、ファンドレイジングは資金調達!

過去問

第38回 問題26

労働者協同組合法による組合に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 地域における多様な労働需要に応じるための労働者派遣事業が実施できる。
2 議決権は出資額に応じて付与される。
3 総組合員の5分の4以上の数の組合員は、組合の行う事業に従事しなければならない。
4 設立には主たる所在地の都道府県による許認可が必要である。
5 組合と組合員との間の労働契約の締結は免除される。

1 地域における多様な労働需要に応じるための労働者派遣事業が実施できる。
誤りです。労働者派遣事業は実施できません。

2 議決権は出資額に応じて付与される。
誤りです。出資額にかかわらず、一人一票です。

3 総組合員の5分の4以上の数の組合員は、組合の行う事業に従事しなければならない。
これが正解です。

4 設立には主たる所在地の都道府県による許認可が必要である。
誤りです。都道府県の許認可は必要なく、必要書類を提出して登記すれば設立できます。

5 組合と組合員との間の労働契約の締結は免除される。
誤りです。組合と組合員の間で労働契約を結ぶと、一般の企業と同じく労働者の権利を得ることになります。

第36回 問題123

福祉サービス提供組織の運営に関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
1  アカウンタビリティとは、ステークホルダーに対する説明責任を指す。
2  社会福祉法人における評議員会とは、法人の日常的な業務執行の決定などを行う機関である。
3  社会福祉法人の監事には、法人の評議員会の業務執行を監査し、その内容について監査報告書を作成する役割がある。
4  コンプライアンスとは、組織が法令や組織内外のルールを守ることにより、社会的責任を果たすことをいう。
5  社会福祉法人における理事会とは、定款の変更や役員の選任などの体制の決定を行う機関である。

1  アカウンタビリティとは、ステークホルダーに対する説明責任を指す。
正しいです。ステークホルダーとは利害関係者のことです。

2  社会福祉法人における評議員会とは、法人の日常的な業務執行の決定などを行う機関である。
誤りです。これは理事会の説明です。

3  社会福祉法人の監事には、法人の評議員会の業務執行を監査し、その内容について監査報告書を作成する役割がある。
誤りです。監事は理事の業務執行の監査を行います。なので監事は理事を兼ねることはできず、評議員会で選任・解任されます。

4  コンプライアンスとは、組織が法令や組織内外のルールを守ることにより、社会的責任を果たすことをいう。
正しいです。

5  社会福祉法人における理事会とは、定款の変更や役員の選任などの体制の決定を行う機関である。
誤りです。これは評議員会の説明です。

第36回 問題122

福祉サービス提供組織の財源に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 障害福祉サービスを行う事業者の収入の総額は、市町村からの補助金の総額に等しい。
2 介護保険事業を行う事業者の収入の総額は、利用者が自己負担する利用料の総額に等しい。
3 ファンドレイジングとは、事業や活動を行うために必要な資金を様々な方法を使って調達することを指す。
4 社会福祉法人が解散する場合、定款の定めにかかわらず、その法人に対して寄付を行ってきた個人は、寄付した割合に応じて残余財産の分配を受けることができる。
5 特定非営利活動法人は、特定非営利活動に係る事業に支障がない限り、事業によって得られた利益を自由に分配することができる。

1 障害福祉サービスを行う事業者の収入の総額は、市町村からの補助金の総額に等しい。
誤りです。障害福祉サービス事業者の収入の総額は、介護給付費や訓練等給付費などの報酬と、利用者負担の総額に等しいです。

2 介護保険事業を行う事業者の収入の総額は、利用者が自己負担する利用料の総額に等しい。
誤りです。介護保険事業者の収入の総額は、介護報酬と利用者の自己負担額の総額に等しいです。

3 ファンドレイジングとは、事業や活動を行うために必要な資金を様々な方法を使って調達することを指す。
これが正解です。

4 社会福祉法人が解散する場合、定款の定めにかかわらず、その法人に対して寄付を行ってきた個人は、寄付した割合に応じて残余財産の分配を受けることができる。
誤りです。社会福祉法人の解散では、残余財産の分配を受けることができません。

5 特定非営利活動法人は、特定非営利活動に係る事業に支障がない限り、事業によって得られた利益を自由に分配することができる。
誤りです。特定非営利活動法人による事業の利益は、自由に分配できません。

次の記事

次は、社会福祉事業について。

【社会福祉事業】第一種・第二種の覚え方
第一種社会福祉事業と第二種社会福祉事業の覚え方を教えます。たくさんあって覚えにくいですが、重要な事業が多い第一種社会福祉事業から覚えていくのがコツです。


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