次世代育成支援対策推進法は、急速な少子化とそれに伴う家庭や地域環境の変化の中で、次世代育成の支援対策を規定した法律です。この法律で重要なのは行動計画です。見ていきましょう。
行動計画
主務大臣が行動計画策定指針を策定し、この指針に即して、市町村、都道府県、一般事業主はそれぞれ行動計画を策定します。
| 策定者 | 計画 | 義務 |
|---|---|---|
| 主務大臣 | 行動計画策定指針 | 義務 |
| 市町村 | 市町村行動計画 | 5年ごとの任意 |
| 都道府県 | 都道府県行動計画 | 5年ごとの任意 |
| 一般事業主 (常時雇用労働者が100人超) | 一般事業主行動計画 | 義務 |
| 一般事業主 (常時雇用労働者が100人以下) | 一般事業主行動計画 | 努力義務 |
一般事業主行動計画
一般事業主行動計画とは、次世代育成支援対策推進法に基づき、企業が従業員の仕事と子育ての両立を図るための雇用環境の整備や、子育てをしていない従業員も含めた多様な労働条件の整備などに取り組むに当たって、(1)計画期間、(2)目標、(3)目標達成のための対策及びその実施時期を定めるものです。
常時雇用する労働者が101人以上の一般事業主は行動計画を策定し、その旨を都道府県労働局に届け出ることが義務、100人以下の一般事業主は努力義務です。
また、行動計画に定めた目標を達成したなどの一定の基準を満たした事業主は、申請することにより、厚生労働大臣の認定(くるみん認定)を受けることができます。さらに、認定を受けた事業主が、より高い水準の取組を行い一定の基準を満たすと、特例認定(プラチナくるみん認定)を受けることができます。加えて、2022年度からくるみん認定・プラチナくるみん認定の認定基準の引き上げに伴い、新たに「トライくるみん認定」が創設されました。

くるみん認定には、赤ちゃんが包まれる「おくるみ」と、企業「ぐるみ」で子育てをサポートするという意味が込められてるんだって。
過去問
第33回 問題140
子育て支援に係る法律に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 子ども・子育て支援法に基づき、国は、子どもと保護者に必要な子ども・子育て支援給付、地域子ども・子育て支援事業を総合的・計画的に行う。
2 次世代育成支援対策推進法に基づき、市町村は、3年ごとに次世代育成支援対策の実施に関する計画を策定することが義務づけられている。
3 次世代育成支援対策推進法に基づき、常時雇用する労働者が100人を超える一般事業主は、一般事業主行動計画を策定しなければならない。
4 児童福祉法に基づき、保育所等訪問支援では、小学校長が命じる者が保育所等を訪問して、就学前教育に関する助言を行う。
5 母子保健法に基づき、乳児家庭全戸訪問事業では、生後8か月に達した乳児の家庭を訪問して、指導を行う。
1 子ども・子育て支援法に基づき、国は、子どもと保護者に必要な子ども・子育て支援給付、地域子ども・子育て支援事業を総合的・計画的に行う。
誤りです。これは国ではなく市町村および特別区の責務です。
2 次世代育成支援対策推進法に基づき、市町村は、3年ごとに次世代育成支援対策の実施に関する計画を策定することが義務づけられている。
誤りです。市町村は5年ごとに任意で計画を策定できます。
3 次世代育成支援対策推進法に基づき、常時雇用する労働者が100人を超える一般事業主は、一般事業主行動計画を策定しなければならない。
これが正解です。
4 児童福祉法に基づき、保育所等訪問支援では、小学校長が命じる者が保育所等を訪問して、就学前教育に関する助言を行う。
誤りです。保育所等訪問支援は障害児向けのサービスで、就学前教育の助言を行うものではありません。
5 母子保健法に基づき、乳児家庭全戸訪問事業では、生後8か月に達した乳児の家庭を訪問して、指導を行う。
誤りです。乳児家庭全戸訪問事業は、母子保健法ではなく児童福祉法に規定されています。対象は生後4か月までの乳児のいる全家庭です。
第36回 問題140
次の記述のうち、次世代育成支援対策推進法に関して、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 少子化に対処するための施策を総合的に推進するために、すべての児童が医療を無償で受けることができる社会の実現を目的としている。
2 都道府県及び市町村には、10年を1期とする次世代育成支援のための地域における行動計画を策定することが義務づけられている。
3 政府には、少子化に対処するための施策を指針として、総合的かつ長期的な労働力確保のための施策の大綱を策定することが義務づけられている。
4 常時雇用する労働者の数が100名を超える事業主(国及び地方公共団体は除く)は、一般事業主行動計画を策定しなければならない。
5 都道府県を基盤とした一元的な保育の給付について規定されている。
1 少子化に対処するための施策を総合的に推進するために、すべての児童が医療を無償で受けることができる社会の実現を目的としている。
誤りです。このような規定はありません。
2 都道府県及び市町村には、10年を1期とする次世代育成支援のための地域における行動計画を策定することが義務づけられている。
誤りです。都道府県と市町村は5年を1期とする行動計画を任意で策定できます。
3 政府には、少子化に対処するための施策を指針として、総合的かつ長期的な労働力確保のための施策の大綱を策定することが義務づけられている。
誤りです。このような規定はありません。
4 常時雇用する労働者の数が100名を超える事業主(国及び地方公共団体は除く)は、一般事業主行動計画を策定しなければならない。
これが正解です。
5 都道府県を基盤とした一元的な保育の給付について規定されている。
誤りです。このような規定はありません。

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