【障害児者の所得補償】障害年金、児童扶養手当、特別児童扶養手当

障害者は働いて収入を得る事ができなかったり収入が不十分であることが多いので、所得補償として様々な手当が用意されています。
(以下、金額は月額で書いています)

障害児者の所得補償
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障害児に支給される手当

特別児童扶養手当

いわゆる「トクジ」と呼ばれている障害児を扶養する家庭に支給される手当です。

1級で毎月51,000円、2級で毎月34,000円という高額で、障害児手当のメインになるものです。

障害者には障害基礎年金が支給されますが、こちらも1級と2級に分かれており、障害基礎年金の障害児バージョンがこの「トクジ 」だといえます。

20歳まで支給されます。

児童福祉施設に入所している場合は支給されません。

障害児福祉手当

これは重度の重複障害のある障害児に支給される手当です。

毎月一律15,000円程が支給されます。

ただし、 児童福祉施設に入所している場合は支給されません。

児童手当

障害の有無にかかわらず「子ども子育て支援法」の「子ども子育て支援給付」として15歳未満の全ての児童に支給されます。

この法律では児童は18歳未満と定義されているのに、支給は15歳までであることに注意してください。 もともと義務教育就学前までしか支給されませんでした。2004年から小学3年終了前まで、2006年から小学校終了前まで、2010年から中学校終了前まで支給されるようになりました。

児童福祉法には都道府県の役割がありますが、子ども・子育て支援法はほとんど市町村が担当しています。

児童手当の認定を行うのは市町村長です。

児童手当には物価スライド制は適用されておらず、物価が上下しても定められた金額です。

児童扶養手当や特別児童扶養手当には物価スライド制が導入されていますが、児童手当には適用されません。

また、児童手当は児童が入所している場合は、その施設の管理者に支給されます。

児童手当法ができた1970年当初は第三子以降に対して支給される子だくさん家族への貧困対策でした。

今では毎月以下のように第一子から支給されるようになっています。

0~3歳 1.5万円
3~12歳 1万円(第三子以降は1.5万円)
12歳~15歳 1万円

児童扶養手当

ひとり親家庭に支給されますが、障害児の場合は20歳まで支給されます。

また、ひとり親に準ずる家庭(父親がDVとか1年以上拘束されているとか、母親が婚姻によらないで懐胎した児童でも)にも支給されます。

ただし、児童が施設入所している場合は支給されません(母子生活支援施設入所の場合は支給されます)。

所得が一定以上ある場合は支給されず、父親からの養育費は所得とみなされます。

また、公的年金よりも児童扶養手当額の方が低い場合は差額が支給されます。

子どもの数によりますが、一人当たり毎月40,000円程もらえます。

それぞれ併給ができるのでひとり親で障害児を持つ親は毎月10万円程の手当になりますね。

障害者に支給される手当と年金

障害基礎年金

年金制度は社会保険制度ですので保険料を払いながら制度に加入していなければ貰えるものではありません。

ですので、障害基礎年金は20歳になって年金制度に加入してから障害を負った人に支給される年金です。

しかし20歳未満で年金制度に加入していないときに障害を持っても支給されるのが特徴です。

例えば知的障害などは先天性の障害ですから、生まれた時点で障害をもっています。

そのような人の場合は初診日が20歳までになりますが、20歳になった時点で障害基礎年金が支給されます。

2級が毎月65,000円(国民年金の満額と同じです)、1級がその1.25倍となる81,000円です。

老齢基礎年金満額=障害基礎年金2級(×1.25=障害基礎年金1級)

このように障害年金については社会保障制度ではありますが、社会福祉制度の側面も併せ持っています。

特別障害者手当

重度の障害者に毎月約27,000円が支給されます。

ただし、 施設に入所している場合は支給されません。

各種手当の始まり

制定年法律・省令
1961年児童扶養手当法
1964年特別児童扶養手当法
1971年児童手当法
1973年障害基礎年金(国民皆年金)
1975年障害児福祉手当及び特別障害者手当の支給に関する省令

児童手当には児童手当法、児童扶養手当には児童扶養手当法、特別児童扶養手当には特別児童扶養手当法と、それぞれ法律があります。

最も早く制定されたのは児童扶養手当法で、母子家庭に対する支援が必要とされていました。

母子福祉法が制定されたのも同じころですね。

児童扶養手当法に続いて、障害者向けの特別児童扶養手当法が制定されています。

障害児福祉手当と特別障害者手当はどちらも重度障害者が対象ですので、最も遅く、しかも法律ではなく省令が支給根拠となっています。

まとめ

手当など条件所得制限入所の場合物価スライド制
児童手当15歳未満の児童施設管理者へ×
児童扶養手当ひとり親家庭で20未満の障害児×
特別児童扶養手当20歳未満の障害児×
障害児福祉手当20歳未満の重度重複障害児×
特別障害者手当20歳以上の重度障害者×
障害基礎年金20歳以上の障害者

障害者の所得補償は障害基礎年金だけと思われがちですが、実際はこれだけの手当があります。

たしかに金額的にメインとなるのは障害基礎年金になりますが、その他に特別障害者手当があり、厚生年金受給中に障害を負えば障害厚生年金(1~3級)も支給されますし、さらに市町村単位で独自に手当を支給しているところも多く、さらに手帳を所持していれば電車や高速道路の割引が受けられたり、障害者は金銭面で様々な優遇措置があります。

ただし、注意すべきは「入所している障害児者」です。上の表にあるように入所していると障害基礎年金以外はもらえなくなってしまいます。多くの入所者の収入は障害年金1級の8万円程度で、これで入所にかかる食費や光熱水費など全てを賄わなければなりません。

結局、障害児のメインとなる手当は特別児童扶養手当、それに重度の場合は障害児福祉手当がプラスされ、障害者のメインとなる手当は障害基礎年金、それに重度の場合は特別障害者手当がプラスされるので、障害児、障害者にそれぞれ2種類ずつの手当や年金があるわけです。

<障害児 → 障害者>
・特別児童扶養手当 → 障害基礎年金
・障害児福祉手当 → 特別障害者手当

ここで紹介した年金や手当は申請しないともらえません。

申請し忘れても遡ってもらえることもありません。

ですので制度を知っていなければ貰い損ねる可能性が高いもので、障害は誰もが負う可能性があることからもこのような制度を知っておくことは重要です。

過去問

第30回 問題55

児童手当、児童扶養手当に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 児童手当の支給対象となる児童の年齢は、12歳到達後の最初の年度末までである。
2 児童手当の費用は、国と地方自治体が50%ずつ負担している。
3 児童手当の支給額には、物価スライド制が適用されている。
4 児童扶養手当の費用は、国が全額負担する。
5 児童扶養手当の支給対象となる児童の年齢は、障害がない子どもの場合、18歳到達後最初の年度末までである。

1 児童手当の支給対象となる児童の年齢は、12歳到達後の最初の年度末までである。
12歳ではなく15歳到達後の最初の年度末までです。

2 児童手当の費用は、国と地方自治体が50%ずつ負担している。
児童手当は国が2/3を負担しているのでした。

3 児童手当の支給額には、物価スライド制が適用されている。
児童手当には物価スライド制が適用されていません。
児童扶養手当には物価スライド制が適用されています。

4 児童扶養手当の費用は、国が全額負担する。
児童扶養手当の国の負担割合は1/3です。

5 児童扶養手当の支給対象となる児童の年齢は、障害がない子どもの場合、18歳到達後最初の年度末までである。
正しいです。
障害のある子供の場合は20歳未満まで受け取れます。

第29回 問題141

事例を読んで、児童扶養手当に関する担当者の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
[事例]T市に居住するBさんは、障害基礎年金を受給している。最近、夫と離婚して小学生(11歳)の子どもを引き取った。今後の生活のため、児童扶養手当のことについて市役所の担当部署に相談に行った。
1 児童扶養手当の支給によって子どもに対する父親の扶養義務はなくなる。
2 障害基礎年金と児童扶養手当は併給できないため、Bさんはどちらかを選択する必要がある。
3 Bさんに障害があるため、児童扶養手当は子どもが20歳になるまで支給される。
4 母子生活支援施設に入所する場合であっても、支給要件を満たす限り、児童扶養手当は支給される。
5 児童扶養手当の支給は、子どもが13歳に達した日の翌月から減額される。

1 児童扶養手当の支給によって子どもに対する父親の扶養義務はなくなる。
そんなことはまったくありません。

2 障害基礎年金と児童扶養手当は併給できないため、Bさんはどちらかを選択する必要がある。
2014年以降、年金額が児童扶養手当より低い場合は差額を受け取れるようになりました。
なので間違いです。

3 Bさんに障害があるため、児童扶養手当は子どもが20歳になるまで支給される。
子どもに障害がある場合は20歳まで受け取れますが、親に障害があっても関係ありません。

4 母子生活支援施設に入所する場合であっても、支給要件を満たす限り、児童扶養手当は支給される。
基本的に児童が入所していれば手当関係は支給されませんが、母子生活支援施設に関しては例外的に支給されます。

5 児童扶養手当の支給は、子どもが13歳に達した日の翌月から減額される。
そんな規定はありません。

第33回 問題139 

事例を読んで、Kさんの児童手当の支給先として、正しいものを1つ選びなさい。
〔事 例〕Kさん(13歳、女性)は、父からの身体的虐待によりS市に住む家族と離れ、T市にあるU児童養護施設に入所した。S市役所にKさんの母が来て、これまで父に支払われていたKさんの児童手当は誰に支払われるのかと聴いた。
1 T市
2 Kさん本人
3 Kさんの父
4 U児童養護施設の設置者
5 支給は停止される

児童が入所している場合は、児童手当はその施設の管理者に支給されます。ということで正解は選択肢4です。

講義動画

社会福祉士国試対策⑰(障害児者の所得補償と児童の定義)

次の記事

障害者の所得補償を学ぶ上で、児童の年齢が重要でしたね。

18歳未満だったり20歳未満だったり。

次の記事では、児童の定義(年齢)を整理します。

【児童の定義】何歳まで?18歳未満? 20歳未満?
児童って何歳から何歳までなのでしょうか。日本の法律では「18歳未満」が基本です。児童福祉法、児童虐待防止法、児童手当法などなど、ほとんどの法律で18歳未満と定義されています。ただし例外がありますので、覚えなければな...

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