雇用保険と労災保険を合わせて「労働保険」と呼びます。
雇用保険と労災保険を比較しながら学ぶと覚えやすいです。
制度概要
保険者
雇用保険も労災保険も保険者は「政府」です。
被保険者
雇用保険の被保険者は被用者ですが、短時間労働者(週20時間未満)などは含まれません。
それに対して労災保険は、非正規雇用の人もパートやアルバイトの人も、不法就労している人も、全ての被用者を加入させなければなりません。

雇用保険も労災保険も年齢制限はないよ。
費用負担
雇用保険の失業等給付は、国が1/4、残りは労使折半です。
雇用保険二事業は全額事業主負担になります。
一方で労災保険は全額事業主負担になります。

事業内容
雇用保険
雇用保険といえば失業したときにもらえる失業給付(基本手当)を思い浮かべる人が多いかと思いますが、それ以外にも様々な給付があります。
育児で休業した時にもらえる「育児休業給付」や介護休業の時にもらえる「介護休業給付」も雇用保険による給付です。
社会福祉士国家資格取得のための養成校に通う費用の助成は「教育訓練給付」という雇用保険による給付です。
詳しく見てみると雇用保険には大きく分けて2種類の事業があります。
「失業等給付等」と「雇用保険二事業」です。

失業等給付等は「失業等給付」と「育児休業給付」に分けられます。

失業等給付等って「等」が2回もでてきて変な名前だな。
雇用保険のメインは下の「失業等給付」で以下の4つの給付で構成されています。
求職者給付:失業したときにもらえる失業手当
雇用継続給付:介護休業給付など
教育訓練給付:資格取得のための受講費用などの助成
就職促進給付:失業手当受給中に就職が決まった場合の手当
もう1つ「雇用保険二事業」というのがありますが、これは「雇用安定事業」と「能力開発事業」になります。
労災保険
労災保険(労働者災害補償保険)の給付には、業務災害給付、通勤災害給付、二次健康診断給付の3種類あります。
| 業務災害給付 | 通勤災害給付 |
|---|---|
| 療養補償給付 | 療養給付 |
| 休業補償給付 | 休業給付 |
| 障害補償給付 | 障害給付 |
| 遺族補償給付 | 遺族給付 |
| 介護補償給付 | 介護給付 |
| 傷病補償年金 | 傷病年金 |
このように、勤務中や通勤中にケガをしたり障害を負ったり、それが原因で休業したり介護状態になったりしたときに支給される給付があるのが分かると思います。
「〇〇補償給付」というのが勤務中の災害、「〇〇給付」というのが通勤中の災害に対する給付です。

失業・休業補償について
仕事を休んだ時の休業補償は、業務災害給付、育児休業給付、介護休業給付、傷病手当金、出産手当金などなど様々あり、それぞれ労災保険や雇用保険、医療保険などから拠出されますので区別して覚えなければなりません。
表にまとめてみます。
| 給付等 | 保険制度 | 条件 | 期間 | 金額 |
|---|---|---|---|---|
| 求職者給付 | 雇用保険 | 失業 | 条件による | 条件による |
| 休業(補償)給付 | 労災保険 | 業務中の災害 | 給与なし4日目から1年半 | 給与の約80% |
| 傷病手当金 | 医療保険 | 業務外のケガ等 | 給与なし4日目から1年半 | 給与の2/3 |
| 出産手当金 | 医療保険 | 出産による休業 | 出産前42日~出産後56日 | 給与の2/3 |
| 育児休業給付 | 雇用保険 | 育児による休業 | 1歳まで(条件で2歳まで) | 給与の2/3 |
| 介護休業給付 | 雇用保険 | 介護による休業 |
2週間以上常時介護が必要な家族に対して通算93日以内(3回まで分割可) |
給与の2/3 |
失業の場合は、「求職者給付」、いわゆる失業手当(基本手当)があります。
休業の場合は、その理由によって様々な給付や手当がありますので、整理して覚えましょう。
業務上のケガ等で休業する場合は労災保険の「休業(補償)給付」があり、他の給付と比べて最も給付額が高く、給付基礎日額の60%の休業(補償)給付に加えて、休業特別支給金が給付基礎日額の20%相当額支給されるため、合計80%になります。
業務外でのケガや病気で休んだ場合は、医療保険の「傷病手当金」が受給でき、給与の2/3程度です。
業務災害給付と比べて業務外の理由で休んでいるので、支給額は低くなっています。
出産や育児で休業する場合も、「出産手当金」「育児休業給付」があり、傷病手当金と同レベルの給付額になっています。
同じく介護で休業する場合の「介護休業給付」も同レベルの給付額です。
給与の6割が最低ラインとなっているので全ての給付でそれ以上にはなっていますが、休業補償給付の80%には及びません。
また、傷病手当金と出産手当金は「医療保険」からの拠出であることに注意してください。
育児休業給付の期間は基本的に子供が1歳に達するまでですが、夫婦ともに育児休業を取る場合は1歳2か月まで、さらに保育園に希望しても入れないなどの条件を満たすと最長2歳までもらえます。
育児休業の取得率はこちら。昔は低かった男性の育児休業取得率は急上昇中です。

育児休業を2歳まで取得するために、入れる見込みのない保育園に応募して「保育園に入れなかった証明書」だけもらう人がいるってニュースでやってた。
介護離職を減らすために国はチカラを入れていますが、実態はどうなのでしょう。
介護休業の取得率は、男3.5%、女2.9%と男性の方が多く、45~49歳が最も介護休業を取得しています。実際に介護をしている年齢は55~59歳が最も多くなっています。
一方で家族の介護による離職は男性より女性の方が多くなっています。

介護休業の取得は男性の方が多いけど、介護離職は女性の方が多いことに注意だよ。
その他
・雇用保険の失業給付を受給できない人などを対象に「求職者支援法」があり、職業訓練受講給付金を受給しながら、無料の職業訓練を受けられます。
・労災保険は公務員には適用されず、公務員災害補償制度(国家公務員災害補償法、地方公務員災害補償法)があります。
過去問
第29回 問題51
雇用保険制度に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 保険者は、都道府県である。
2 基本手当は、自己の都合により退職した場合には受給できない。
3 教育訓練給付は、被保険者でなくなった者は受給できない。
4 雇用継続給付には、高年齢雇用継続給付、育児休業給付及び介護休業給付がある。
5 雇用保険の保険料は、全額事業主が負担する。
1 保険者は、都道府県である。
保険者は「政府」です。
2 基本手当は、自己の都合により退職した場合には受給できない。
自己都合退職でももらえます。金額は減りますが。
3 教育訓練給付は、被保険者でなくなった者は受給できない。
失業中などで被保険者でなくなった人にこそ、教育訓練給付が必要ですよね。なので間違いです。
4 雇用継続給付には、高年齢雇用継続給付、育児休業給付及び介護休業給付がある。
当時はこれが正解でしたが、現在では育児休業給付が分離されたので間違いになります。
つまり上で書いた「失業等給付等」=「失業等給付」+「育児休業給付」となり、もともと「失業等給付」に組み込まれていた「育児休業給付」が分離されました。
5 雇用保険の保険料は、全額事業主が負担する。
雇用保険の保険料の失業等給付は労使折半でしたね。労災保険は全額事業主負担です。
第29回 問題54
事例を読んで、Dさんの保険給付に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
[事例]
健康保険の被保険者であるDさんは、勤務先の業務がない日に自転車の運転を誤って電柱に衝突し、骨折したため病院に入院し、翌日から会社を休んだ。
1 Dさんには労働者災害補償保険から休業補償給付が支給される。
2 Dさんの骨折の治療には自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)が適用される。
3 Dさんには、雇用保険から基本手当が支給される。
4 Dさんが協会けんぽ(全国健康保険協会管掌健康保険)の被保険者である場合、健康保険の傷病手当金は、受給できない。
5 Dさんが二日間入院して退院し、その翌日から休業せずに勤務を続けた場合、健康保険の傷病手当金は支給されない。
1 Dさんには労働者災害補償保険から休業補償給付が支給される。
労働者災害補償保険とは労災保険のこと。業務外のケガなどには労災保険は適用されません。
2 Dさんの骨折の治療には自賠責保険(自動車損害賠償責任保険)が適用される。
単独事故による自損事故なので自賠責保険は適用されません。自賠責保険は相手の傷病の治療等を補償するものです。
3 Dさんには、雇用保険から基本手当が支給される。
雇用保険の基本手当は失業した時にもらえるものですので間違いです。
4 Dさんが協会けんぽ(全国健康保険協会管掌健康保険)の被保険者である場合、健康保険の傷病手当金は、受給できない。
業務外のケガなので医療保険に加入していれば傷病手当金を受給できます。
5 Dさんが二日間入院して退院し、その翌日から休業せずに勤務を続けた場合、健康保険の傷病手当金は支給されない。
これが正解です。傷病手当金は4日目から支給されますので、2日で退院して復帰した場合は支給されません。
第30回 問題53
事例を読んで、労働者災害補償保険(以下、「労災保険」という。)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
[事例]
Aさんは正社員として建設会社に就職した。正社員は他に7名いて、アルバイトとして学生のBさんが雇われている。Aさんは業務上の事由により右足を骨折してしまった。
1 この会社は、正社員が10名以下なので労災保険は適用されない。
2 Bさんは、学生なので労災保険の適用対象にならない。
3 骨折した事故が労災認定された場合、療養の給付について、Aさんに自己負担はない。
4 骨折した事故が労災認定された場合、Aさんが治療のため会社を休み、賃金が得られなくなった初日から休業補償給付を受けることができる。
5 会社が労災保険の保険料を滞納していた場合、Aさんは、労災保険の給付を受けることができない。
1 この会社は、正社員が10名以下なので労災保険は適用されない。
こんな規定はありません。労災保険は全ての被用者に適用されます。
2 Bさんは、学生なので労災保険の適用対象にならない。
学生でも労災保険の対象です。
3 骨折した事故が労災認定された場合、療養の給付について、Aさんに自己負担はない。
これが正解です。自己負担はありません。
4 骨折した事故が労災認定された場合、Aさんが治療のため会社を休み、賃金が得られなくなった初日から休業補償給付を受けることができる。
初日からではなく4日目からです。
5 会社が労災保険の保険料を滞納していた場合、Aさんは、労災保険の給付を受けることができない。
会社が滞納していても労災保険の給付を受けられます。Aさんに非はありませんから。
第33回 問題52
事例を読んで、労働者災害補償保険(以下「労災保険」という。)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
運送会社で正社員として働いているFさんは、合理的な経路及び方法により通勤中、駅の階段で転倒し、負傷した。
1 Fさんの負傷は業務災害ではないので、労災保険の給付は行われない。
2 Fさんの雇用期間が 6 か月未満である場合、労災保険の給付は行われない。
3 Fさんが療養に係る労災保険の給付を受けられる場合、自己負担は原則 1 割である。
4 Fさんが療養に係る労災保険の給付を受ける場合、同一の負傷について、健康保険の療養の給付は行われない。
5 Fさんの勤務先が労災保険の保険料を滞納していた場合、労災保険の給付は行われない。
1 Fさんの負傷は業務災害ではないので、労災保険の給付は行われない。
間違いです。通勤中の災害も労災保険の対象です。
2 Fさんの雇用期間が6か月未満である場合、労災保険の給付は行われない。
間違いです。6か月未満でも労災保険の対象です。
3 Fさんが療養に係る労災保険の給付を受けられる場合、自己負担は原則 1 割であ
る。
間違いです。労災保険に自己負担はありません。
4 Fさんが療養に係る労災保険の給付を受ける場合、同一の負傷について、健康保
険の療養の給付は行われない。
これが正解です。
5 Fさんの勤務先が労災保険の保険料を滞納していた場合、労災保険の給付は行わ
れない。
間違いです。勤務先が保険料を滞納していても労災保険の給付が行われます。
第33回 問題54
事例を読んで、Gさんが受けられる社会保障給付等に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Gさん(35歳、女性)は民間企業の正社員として働く夫と結婚後、5年間専業主婦をしていたが2019年(令和元年)に離婚し、3歳の子どもと二人で暮らしている。飲食店で週30時間のパートタイムの仕事をしており、雇用保険の加入期間は1年を過ぎた。しかし、店主の入院により飲食店は営業を休止し、Gさんは休業を余儀なくされている。
1 Gさんは、婚姻期間中の夫の老齢基礎年金の保険料納付記録を分割して受けられる。
2 Gさんが児童扶養手当を受給できるのは、子が小学校を卒業する年度末までである。
3 Gさんが母子生活支援施設に入所した場合、児童扶養手当を受給できない。
4 Gさんは、休業期間中の手当を雇用保険の雇用継続給付として受給できる。
5 Gさんが解雇により失業した場合、失業の認定を受けて雇用保険の求職者給付を受給できる。
1 Gさんは、婚姻期間中の夫の老齢基礎年金の保険料納付記録を分割して受けられる。
誤りです。離婚時に分割できるのは老齢厚生年金で、老齢基礎年金は分割できません。
2 Gさんが児童扶養手当を受給できるのは、子が小学校を卒業する年度末までである。
誤りです。児童扶養手当の対象児童は、18歳到達後最初の3月31日まで(障害児の場合は20歳未満)です。
3 Gさんが母子生活支援施設に入所した場合、児童扶養手当を受給できない。
誤りです。児童が児童福祉施設等に入所していると、その監護者は児童扶養手当を受給できませんが、児童福祉施設の中でも母子生活支援施設では受給できます。
4 Gさんは、休業期間中の手当を雇用保険の雇用継続給付として受給できる。
誤りです。雇用継続給付は高年齢雇用継続給付と介護休業給付で、Gさんは店主の入院で休業しているため、対象ではありません。
5 Gさんが解雇により失業した場合、失業の認定を受けて雇用保険の求職者給付を受給できる。
これが正解です。雇用保険の求職者給付は、離職の日以前2年間に雇用保険の被保険者期間が通算して12か月以上あれば受給できますので、雇用保険の加入期間が1年以上あるGさんは求職者給付を受給できます。
第33回 問題76
事例を読んで、X病院のB医療ソーシャルワーカー(社会福祉士)のCさんへの対応に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Cさん(43歳、男性)は、正社員として勤務する工場での仕事中に鋼板の落下によって頭部外傷を負った。救急病院で1か月の入院後、リハビリテーションの目的でX病院へ転院し3週間が経過した。下肢の片麻痺と高次脳機能障害があり、歩行のために下肢装具を製作した。CさんはB医療ソーシャルワーカーの下を訪れ、「労働災害として認められたが、今後の経済的なことがとても心配である。復職を含めたこれからの生活について相談したい」と話した。B医療ソーシャルワーカーはCさんの不安な気持ちに共感しながら具体的な情報を提供した。
1 Cさん宅へ職場適応援助者(ジョブコーチ)を派遣し、復職に向けた訓練ができることを説明する。
2 入院期間中は傷病手当金が支給されることを説明する。
3 装具購入費は、労働者災害補償保険法に基づいて勤務先の工場へ請求できることを説明する。
4 退院後の生活に備えて、介護保険の要介護認定の申請について説明する。
5 休業4日目以降の休業期間中は、休業補償給付に加えて休業特別支給金が受けられることを説明する。
1 Cさん宅へ職場適応援助者(ジョブコーチ)を派遣し、復職に向けた訓練ができることを説明する。
誤りです。ジョブコーチは職場に派遣されるものです。
2 入院期間中は傷病手当金が支給されることを説明する。
誤りです。Cさんは業務上のけがのため医療保険の傷病手当金ではなく、労災保険の休業補償の対象です。
3 装具購入費は、労働者災害補償保険法に基づいて勤務先の工場へ請求できることを説明する。
誤りです。装具購入費は、申請者または義肢等補装具業者が労働局に請求します。
4 退院後の生活に備えて、介護保険の要介護認定の申請について説明する。
誤りです。Cさんは43歳であるため、特定疾病が原因で介護が必要になった場合に介護保険の対象になります。
5 休業4日目以降の休業期間中は、休業補償給付に加えて休業特別支給金が受けられることを説明する。
これが正解です。休業補償給付60%+休業特別支給金20%=給付基礎日額の80%相当が支給されます。
第31回 問題54
事例を読んで、健康保険などに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
会社員のFさん(35歳、男性)は、健康保険の被保険者であり、妻のGさん(33歳)と同居している。GさんはFさんの加入する健康保険の被扶養者である。ある休日、FさんはGさんを同乗させ、自家用車を運転して行楽に出掛ける途中、誤ってガードレールに衝突する自損事故を起こし、二人ともケガをしたので、治療のため病院に行った。
1 事故はFさんの過失によるものなので、健康保険は適用されず、FさんとGさんは治療費を全額負担しなければならない。
2 事故はFさんの過失によるものなので、Fさんには健康保険が適用されないが、Gさんには治療費について健康保険の給付が行われる。
3 ケガのため、翌日から連続して会社を休み、その間、給与の支払がなかった場合、Fさんは休業4日目から傷病手当金を受けられる。
4 Gさんがパートで働いており、仕事を休む場合、Gさんは傷病手当金を受けられる。
5 Fさんのケガは、労働者災害補償保険の療養補償給付の対象となる。
1 事故はFさんの過失によるものなので、健康保険は適用されず、FさんとGさんは治療費を全額負担しなければならない。
故意等でなければ過失であっても健康保険は適用されますので、Fさんには健康保険が適用されます。Gさんにも健康保険が適用されますが、第三者行為によって怪我をしていますので「第三者行為による傷病届」を提出しなければなりません。

2 事故はFさんの過失によるものなので、Fさんには健康保険が適用されないが、Gさんには治療費について健康保険の給付が行われる。
これも選択肢1と同様の理由で、Fさんにも健康保険が適用されます。
3 ケガのため、翌日から連続して会社を休み、その間、給与の支払がなかった場合、Fさんは休業4日目から傷病手当金を受けられる。
これが正解です。
4 Gさんがパートで働いており、仕事を休む場合、Gさんは傷病手当金を受けられる。
傷病手当金は被扶養者には適用されません。なので誤りです。
5 Fさんのケガは、労働者災害補償保険の療養補償給付の対象となる。
業務上のケガではないので労災保険の対象ではありません。
第31回 問題29
「育児・介護休業法」において定められた介護休業制度に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 介護休業を取得することができる対象家族には、配偶者と子は含まれない。
2 期間を定めて雇用される者は、雇用の期間にかかわらず介護休業を取得することができない。
3 介護休業は、2週間以上の常時介護を必要とする状態にある家族を介護するためのものである。
4 一人の対象家族についての介護休業の申出の回数には、制限がない。
5 一人の対象家族についての介護休業の合計は、150日までである。
1 介護休業を取得することができる対象家族には、配偶者と子は含まれない。
間違いです。介護休業の対象家族は、配偶者、父母、子、配偶者の父母、祖父母、兄弟姉妹、孫などです。
2 期間を定めて雇用される者は、雇用の期間にかかわらず介護休業を取得することができない。
期間を定めて雇用される者でも一定の要件を満たせば介護休業を取得できます。
3 介護休業は、2週間以上の常時介護を必要とする状態にある家族を介護するためのものである。
これが正解です。
4 一人の対象家族についての介護休業の申出の回数には、制限がない。
申出の回数は3回までと制限があります。
5 一人の対象家族についての介護休業の合計は、150日までである。
150日ではなく93日です。数字は入れ替えるだけで間違い選択肢をつくりやすいので正解になりにくいです。
第29回 問題78
日本国憲法における社会権を具体化する立法の外国人への適用に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 労働基準法は、就労目的での在留資格を有していない外国人労働者に適用されることはない。
2 労働者災害補償保険法は、就労目的での在留資格を有していない外国人労働者に適用されることはない。
3 生活保護法は、就労目的での在留資格で在留する外国人に適用されることはない。
4 国民年金法は、永住外国人に適用されることはない。
5 国民健康保険法は、永住外国人に適用されることはない。
(注)「永住外国人」とは、特別永住者及び法務大臣による許可を得た永住資格者(一般永住者)のことである。
1 労働基準法は、就労目的での在留資格を有していない外国人労働者に適用されることはない。
適用されます。
2 労働者災害補償保険法は、就労目的での在留資格を有していない外国人労働者に適用されることはない。
労災保険はどんな労働者にも適用されるのでしたね。在留資格のない不法就労の外国人でも。
3 生活保護法は、就労目的での在留資格で在留する外国人に適用されることはない。
生活保護は無差別平等なのですが、「日本国民」であることが条件で「適用」されます。なのでこれが正解です。
ただし、現実は永住外国人等には生活保護法を「準用」し、人道上保護しています。
4 国民年金法は、永住外国人に適用されることはない。
永住外国人は国民年金に加入しなければなりませんので、間違いです。
5 国民健康保険法は、永住外国人に適用されることはない。
永住外国人は国民健康保険に加入しなければなりませんので、間違いです。
第32回 問題51
会社に勤めている人が仕事を休業した場合などの社会保障制度上の取扱いに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 健康保険の被保険者が病気やケガのために会社を休んだときは、標準報酬月額の2分の1に相当する額が傷病手当金として支給される。
2 厚生年金の被保険者に病気やケガが発生してから、その症状が固定することなく1年を経過し、一定の障害の状態にある場合は、障害厚生年金を受給できる。
3 育児休業を取得する場合に支給される育児休業給付金は、子どもが3歳になるまでを限度とする。
4 労働者が業務災害による療養のため休業し、賃金を受けられない日が4日以上続く場合は、労働者災害補償保険による休業補償給付を受けられる。
5 育児休業期間中の厚生年金保険料は、被保険者分のみ免除される。
1 健康保険の被保険者が病気やケガのために会社を休んだときは、標準報酬月額の2分の1に相当する額が傷病手当金として支給される。
2分の1ではなく3分の2です。
基本的に休業補償は、介護休業でも育児休業でも傷病手当金でも最低6割が補償されます。
2分の1では少なくて生活できません。
2 厚生年金の被保険者に病気やケガが発生してから、その症状が固定することなく1年を経過し、一定の障害の状態にある場合は、障害厚生年金を受給できる。
症状が固定していないと障害年金を受給できません。
3 育児休業を取得する場合に支給される育児休業給付金は、子どもが3歳になるまでを限度とする。
最長でも2歳までが限度です。
4 労働者が業務災害による療養のため休業し、賃金を受けられない日が4日以上続く場合は、労働者災害補償保険による休業補償給付を受けられる。
これが正解です。
5 育児休業期間中の厚生年金保険料は、被保険者分のみ免除される。
事業主分も免除されます。
第34回 問題53
雇用保険法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 基本手当は、自己の都合により退職した場合には受給できない。
2 保険者は、都道府県である。
3 近年の法改正により、育児休業給付は、失業等給付から独立した給付として位置づけられた。
4 雇用調整助成金は、労働者に対して支給される。
5 雇用安定事業・能力開発事業の費用は、事業主と労働者で折半して負担する。
1 基本手当は、自己の都合により退職した場合には受給できない。
誤りです。自己都合退職でも基本手当を受給できます。
2 保険者は、都道府県である。
誤りです。保険者は政府(国)です。
3 近年の法改正により、育児休業給付は、失業等給付から独立した給付として位置づけられた。
これが正解です。2020年度から育児休業給付は失業等給付から独立した給付となりました。
4 雇用調整助成金は、労働者に対して支給される。
誤りです。雇用調整助成金は労働者ではなく事業主に支給されるものです。
5 雇用安定事業・能力開発事業の費用は、事業主と労働者で折半して負担する。
誤りです。雇用保険の中でも失業等給付や育児休業給付は労使折半ですが、雇用保険二事業(雇用安定事業、能力開発事業)は全額事業主負担です。
第34回 問題54
事例を読んで、ひとり親世帯などの社会保障制度に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
大学生のEさん(22歳)は、半年前に父親を亡くし、母親(50歳)と二人暮らしである。母親は就労しており、健康保険の被保険者で、Eさんはその被扶養者である。Eさんは、週末に10時間アルバイトをしているが、平日の通学途上で交通事故に遭い、大ケガをした。
1 Eさんの母親の前年の所得が一定額以上の場合、Eさんは国民年金の学生納付特例制度を利用できない。
2 Eさんがアルバイト先を解雇されても、雇用保険の求職者給付は受給できない。
3 Eさんの母親は、収入のいかんにかかわらず、遺族基礎年金を受給できる。
4 Eさんがケガの治療のため、アルバイト先を休み、賃金が支払われなかった場合、労働者災害補償保険の休業給付が受けられる。
5 Eさんは、母親の健康保険から傷病手当金を受給できる。
1 Eさんの母親の前年の所得が一定額以上の場合、Eさんは国民年金の学生納付特例制度を利用できない。
誤りです。学生納付特例制度は学生本人の所得制限はありますが、その家族の所得については問われません。
2 Eさんがアルバイト先を解雇されても、雇用保険の求職者給付は受給できない。
これが正解です。Eさんは週20時間以上働いていないため雇用保険の被保険者ではなく、かつ昼間学生も雇用保険の被保険者になれないため、求職者給付は受給できません。
3 Eさんの母親は、収入のいかんにかかわらず、遺族基礎年金を受給できる。
誤りです。遺族基礎年金は、子が18歳になった年度の3月31日(高校卒業)までが対象なので、Eさんの母親は受給できません。さらに遺族基礎年金は年収の基準もありますので「収入のいかんにかかわらず」も誤りです。
4 Eさんがケガの治療のため、アルバイト先を休み、賃金が支払われなかった場合、労働者災害補償保険の休業給付が受けられる。
誤りです。Eさんは平日の通学途上で交通事故に遭っているため労災保険の対象にはなりません。
5 Eさんは、母親の健康保険から傷病手当金を受給できる。
誤りです。傷病手当金は被保険者が対象で、被扶養者は受給できません。
第34回 問題145
「求職者支援法」に基づく求職者支援制度に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 求職者支援制度では、雇用保険の被保険者は対象としていない。
2 求職者支援制度の申込みは福祉事務所で行わなければならない。
3 求職者支援制度では、月20万円の訓練受講手当の支給を受けることができる。
4 求職者支援制度は1990年代初めに若年者への失業対策として創設された。
5 求職者支援制度の対象となる職業訓練は、長期的な就業安定を目的とするために期間が設けられていない。
1 求職者支援制度では、雇用保険の被保険者は対象としていない。
これが正解です。求職者支援制度の利用は、雇用保険の被保険者でなく、雇用保険受給資格者でもないことが要件です。
2 求職者支援制度の申込みは福祉事務所で行わなければならない。
誤りです。申込みはハローワークで行います。
3 求職者支援制度では、月20万円の訓練受講手当の支給を受けることができる。
誤りです。月10万円の訓練受講手当が支給されます。
4 求職者支援制度は1990年代初めに若年者への失業対策として創設された。
誤りです。求職者支援法は2008年のリーマンショックによる失業者の増加等を背景に、2011年からスタートしています。
5 求職者支援制度の対象となる職業訓練は、長期的な就業安定を目的とするために期間が設けられていない。
誤りです。求職者支援制度の職業訓練にはコースによって期間が設けられています。
第35回 問題53
次のうち、労働者災害補償保険制度に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 労働者の業務災害に関する保険給付については、事業主の請求に基づいて行われる。
2 メリット制に基づき、事業における通勤災害の発生状況に応じて、労災保険率が増減される。
3 保険料は、事業主と労働者が折半して負担する。
4 労働者災害補償保険の適用事業には、労働者を一人しか使用しない事業も含まれる。
5 労働者の業務災害に関する保険給付については、労働者は労働者災害補償保険又は健康保険のいずれかの給付を選択することができる。
1 労働者の業務災害に関する保険給付については、事業主の請求に基づいて行われる。
誤りです。労働者の請求に基づいて行われます。
2 メリット制に基づき、事業における通勤災害の発生状況に応じて、労災保険率が増減される。
誤りです。メリット制は、事業場において発生した労働災害の割合に応じて、労災保険の割合やその額を増減させ、保険料の負担を平等にする仕組みです。
3 保険料は、事業主と労働者が折半して負担する。
誤りです。事業主が全額負担します。
4 労働者災害補償保険の適用事業には、労働者を一人しか使用しない事業も含まれる。
正しいです。
5 労働者の業務災害に関する保険給付については、労働者は労働者災害補償保険又は健康保険のいずれかの給付を選択することができる。
誤りです。労災保険が優先されます。
第36回 問題53
労働保険に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 労働者災害補償保険の療養補償給付を受ける場合、自己負担は原則1割である。
2 労働者災害補償保険は、政府が管掌する。
3 日雇労働者は、雇用保険の適用除外とされている。
4 雇用保険の失業等給付の保険料は、その全額を事業主が負担する。
5 教育訓練給付は、雇用保険の被保険者ではなくなった者には支給されない。
1 労働者災害補償保険の療養補償給付を受ける場合、自己負担は原則1割である。
誤りです。労災保険の療養補償給付に自己負担はありません。無料で治療や薬の処方が受けられます。
2 労働者災害補償保険は、政府が管掌する。
これが正解です。
3 日雇労働者は、雇用保険の適用除外とされている。
誤りです。日雇労働者も雇用保険の対象です。
4 雇用保険の失業等給付の保険料は、その全額を事業主が負担する。
誤りです。雇用保険の失業等給付の保険料は、労使折半です。
5 教育訓練給付は、雇用保険の被保険者ではなくなった者には支給されない。
誤りです。雇用保険の被保険者だけでなく、被保険者資格を喪失した日から受講開始日までが1年以内であれば対象になります。
第37回 問題35
雇用保険制度に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 基本手当の支給に係る失業の認定は、労働基準監督署において行われる。
2 基本手当の所定給付日数は、被保険者期間には関係なく決定される。
3 高年齢求職者給付金は、失業し、一定の要件を満たした高年齢被保険者に支給される。
4 介護休業給付金では、介護休業開始時の賃金の50%相当額が支給される。
5 出生時育児休業給付金は、産後休業中の労働者に対して支給される。
1 基本手当の支給に係る失業の認定は、労働基準監督署において行われる。
誤りです。基本手当の支給に係る失業の認定は、管轄のハローワークで行われます。
2 基本手当の所定給付日数は、被保険者期間には関係なく決定される。
誤りです。基本手当の所定給付日数は、被保険者期間や年齢、離職理由などで決まります。
3 高年齢求職者給付金は、失業し、一定の要件を満たした高年齢被保険者に支給される。
これが正解です。高年齢求職者給付金は、高年齢被保険者(65歳以上の雇用保険加入者)が失業し、一定の条件(一定期間の加入など)を満たすと支給されます。
4 介護休業給付金では、介護休業開始時の賃金の50%相当額が支給される。
誤りです。介護休業給付金では、介護休業開始時の賃金の67%相当額が支給されます。
5 出生時育児休業給付金は、産後休業中の労働者に対して支給される。
誤りです。出生時育児休業給付金(通称:産後パパ育休給付金)は、「産後パパ育休(出生時育児休業)」の期間中に支給される給付金です。
第38回 問題31
労働保険の適用に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 労働者のうち昼間学生には、労働者災害補償保険が適用されない。
2 派遣労働者については、派遣先が労働者災害補償保険の適用事業となる。
3 事業主が労災保険料を滞納する間は、労働者災害補償保険の給付は行われない。
4 雇用保険が適用される被保険者の年齢には、上限が設けられていない。
5 従業員を使用しない個人事業主は、雇用保険の被保険者となる。
1 労働者のうち昼間学生には、労働者災害補償保険が適用されない。
誤りです。労災保険は昼間学生にも適用されます。
2 派遣労働者については、派遣先が労働者災害補償保険の適用事業となる。
誤りです。派遣先ではなく派遣元です。
3 事業主が労災保険料を滞納する間は、労働者災害補償保険の給付は行われない。
誤りです。事業主が労災保険料を滞納しても、労災保険の給付は行われます。
4 雇用保険が適用される被保険者の年齢には、上限が設けられていない。
これが正解です。
5 従業員を使用しない個人事業主は、雇用保険の被保険者となる。
誤りです。従業員を使用しない個人事業主は、雇用保険に加入できません。
第38回 問題35
事例を読んで、労働保険の給付等に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事 例〕
Aさん(35歳)は、職場で嫌がらせを受けたことで適応障害を生じ、業務災害の認定を受けた。労災病院で治療を受けながら就業を続けていたが、嫌がらせが止まないため15年間勤続した会社を退職した。次の仕事を探す気がなかなか起きなかったが、無収入の状態が続くことに不安を感じ、雇用保険被保険者離職票を持って公共職業安定所(ハローワーク)に赴き、職業紹介を受けることにした。
1 Aさんの療養補償給付については、療養の費用が支給される。
2 Aさんが退職したことによって、療養補償給付の受給権は消滅する。
3 Aさんに適用される基本手当の所定給付日数に、離職理由は関係しない。
4 Aさんは、求職の申込みをしなくても基本手当の支給を受けることができる。
5 Aさんが、正当な理由なく紹介された職業に就くことを拒むと、基本手当は1か月間支給されない。
選択肢5が正解です。ただし、拒否した理由が正当なものであれば、給付制限の対象にはなりません。
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ここまでで介護保険以外の社会保険制度を見てきました。
介護保険制度は高齢者福祉としてまとめて取り上げますので、その前にまとめとして社会保障の給付と負担を見ていきましょう。



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