【心理検査】性格検査と知能検査を区別して覚えよ

心理検査の分類

心理検査には大きく3種類あります。

「性格検査(人格検査)」「知能検査」「発達検査」です。

このうち重要でややこしいのは性格検査(人格検査)です。

性格検査はその手法によって3種類に分類できます。

・投影法
・質問紙法
・作業検査法

これら3種類は、(知能検査ではなく)性格検査の分類であることをよく認識したうえで、それぞれの具体的な検査手法を見てみます。

心理検査の分類

性格検査

投影法

投影法は被検査者の内面を投影する検査で、以下のような種類があります。

ロールシャッハテスト

これは上図の右上にあるような模様(インクの染み)を見せて、何に見えるかということから自己の性格を投影させる検査です。

P-Fスタディ(Picture Frustration Study)

絵画欲求不満テスト(P-Fスタディ)は、「P」はピクチャ、「F」はフラストレーションであることを覚えましょう。

欲求不満状態の人の絵を見せて、どのように答えるかを想像させる検査です。

例えば下のような絵を見せてどのように答えるかを想像させ、その答えの内容によって性格を検査します。

P-Fスタディ

TAT(Thematic Apperception Test)

Apperceptionというのは統覚という心理学や哲学での概念で、日本語では主題統覚検査といいます。

被験者に下のような画を見せて絵画の人物の性格・感情、現在・過去・未来などを空想し、自由に語ってもらいます。

その語られた物語には被験者の性格が投影されているというものです。

TAT

「TAT」は泣いてる顔文字にしか見えないよ。上のような画を見て想像すると泣けてくる、と覚えよう。

描画法

絵を描くことで被験者の性格を知るのが描画法です。

いくつか例がありますが、例えば木を描くバウムテスト、家と木と人を描くHTPテスト(House-Tree-Person Test)などがあります。

バウムテストはバウムクーヘンで覚えよう。

カリスマ社会福祉士
カリスマ社会福祉士

下の絵は私のHTPテストの結果。

家(House)と木(Tree)と人(Person)を書いたよ。

HTPテスト

質問紙法

質問紙法は質問紙に書かれた質問に答える検査法です。

YGPI(YG Personality Inventory):矢田部ギルフォード性格検査

これも知能検査ではなく性格検査であることに注意してください。

YG検査は、アメリカ南カリフォルニア大学心理学教授のGuilford教授が考案したギルフォード性格検査をモデルとし、京都大学の矢田部教授が日本の文化環境に合うように作成された検査です。

120もの質問に「はい」「いいえ」「分からない」などで答えていきます。

MMPI(Minnesota Multiphasic Personality Inventory):ミネソタ多面的人格目録性格検査)

1943年に米国ミネソタ大学病院の心理学者ハサウェイと精神科医マッキンリーらによって開発された人格目録検査で、550もの質問項目にひたすら答えていきます。

作業検査法

内田クレペリン精神作業検査

内田クレペリン検査は受けた人もおられると思います。

簡単な算数をひたすら解く検査なんですが、これも知能検査ではなく性格検査であることに注意してください。

内田クレペリン検査

知能検査

ウェクスラー知能検査

全検査IQ(FSIQ)、言語理解指標(VCI)、知覚推理指標(PRI)、ワーキングメモリー指標(WMI)、処理速度指標(PSI)の5つの指標得点を算出し、それぞれの得点を算出するために多くの下位検査があります。

最終的には全検査IQの値で認知機能を評価しますが、下位検査間や指標得点間でばらつきが大きい場合は全検査IQの値だけで知的能力を判断できません。

ウェクスラー式知能検査

ウェクスラー知能検査には、成人用、児童用、幼児用の3種類あります。

WAIS(Wechsler Adult Intelligence Scale)

これが成人用で、「Adult」となっています。

WISC(Wechsler Intelligence Scale for Children)

これが児童用で、「Children」となっています。

WPPSI(Wechsler Preschool and Primary Scale of Intelligence)

これが幼児用で、「Preschool」となっています。

改定長谷川式簡易知能評価スケール 

改定長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)は、以下の9項目を検査します。

・お歳はいくつですか?
・私たちが今いるところはどこですか?
・これから言う3つの言葉を言ってみてください。あとでまた聞きますのでよく覚えておいてください。
・100から7を順に引いてください。
・先ほど覚えてもらった言葉をもう一度言ってみてください。
・これから5つの品物をみせます。それを隠しますのでなにがあったか言ってください。
・知っている野菜の名前をできるだけ多く言ってください。

30点満点で20点以下は認知症疑いとされます。このような判断基準となる値(この場合は20点)をカットオフ値といいます。 

HDS-Rは、認知症かどうかを判断するための認知機能検査であることを覚えておいてください。 

まとめ

心理検査を全てまとめると以下の表になります。

リンクの貼ってある検査は重要なので覚えましょう。

さらに、医療機関で心理検査を実施すると診療報酬を受け取れます。

表の右に以下のように分類しています。

「〇」:操作と処理が極めて複雑(4,500円)
「△」:操作が複雑(2,800円)
「☓」:操作が容易(800円)
検査種類検査名診療報酬
性格(人格)検査投影法ロールシャッハテスト
絵画欲求不満テスト(P-Fスタディ)
TAT
バウムテスト
HTP法
文章完成法テスト(SCT、KSCT)
風景構成法 
質問紙法ミネソタ多面人格目録(MMPI)
矢田部ギルフォード性格検査(YGPI)
NEO-PI-R人格検査 
NEO-FFI人格検査 
エゴグラム(東大式TEG、九大式ECL、ANエゴグラム)
作業検査法内田クレペリン精神作業検査法
親子関係診断テストFDT親子関係診断テスト 
ストレスチェックCMI健康調査票
WHO版精神保健健康調査票 
WHOクオリティオブライフ
ストレスチェックリスト 
精神症状測定顕在性不安尺度(MAS)
状態不安・特性不安尺度(STAI)
自己評価式抑うつ尺度(SDS)
ベック式抑うつ尺度(BDI) 
抑うつ状態自己評価尺度(CES-D)
ハミルトン他者評価式抑うつ尺度(HRSD)
気分調査票(POMS)
食行動調査票(EAT、EDQなど)
A型行動パターン調査尺度(A型傾向判別表、JAS) 
アレキサイミア評価尺度(BIQ、TAS) 
知能検査個別式知能検査田中・ビネー式知能検査
鈴木・ビネー式知能検査
WAIS(16歳~成人)
WISC(5歳~16歳)
WPPSI(3歳~7歳)
改定長谷川式簡易知能評価スケール
コース立方体組み合わせテスト
集団式知能検査田中A式知能検査 
田中B式知能検査 

過去問

第31回 問題13

心理検査に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。
1 MMPIでは、単語理解のような言語性の知能を測定する。
2 PFスタディでは、欲求不満場面での反応を測定する。
3 TATでは、インクの染みを用いた知覚統合力を測定する。
4 WAISでは、抑うつの程度を測定する。
5 CMIでは、視覚認知機能を測定する。

1 MMPIでは、単語理解のような言語性の知能を測定する。
MMPIは質問紙法による性格検査です。
知能を検査するものではありませんので間違いです。

2 PFスタディでは、欲求不満場面での反応を測定する。
これが正解です。
F=Frustrationですので欲求不満場面での反応を測定します。

3 TATでは、インクの染みを用いた知覚統合力を測定する。
インクの染みはロールシャッハテストですので間違いです。
TATは絵を見て自由に物語を作り、その解釈によってどのような性格かを判定するテストです。

4 WAISでは、抑うつの程度を測定する。
間違いです。
WAISはウェクスラー成人知能検査ですので知能を検査するものです。

5 CMIでは、視覚認知機能を測定する。
CMI(Cornel Medical Index)はコーネル大学で開発され、患者の身体面と精神面の自覚症状を把握する健康調査票です。
視覚認知機能を測定するものではありませんので間違いです。
上のまとめの表で確認しておいてください。

第33回 問題13 

心理検査に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 特別支援学級への入級を検討したい子どもの知能検査を学校から依頼されたので、ロールシャッハテストを実施した。
2 改訂長谷川式簡易知能評価スケールの結果がカットオフポイントを下回ったので、発達障害の可能性を考えた。
3 10歳の子どもに知能検査を実施することになり、本人が了解したので、WAIS-Ⅳ を実施した。
4 投影法による性格検査を実施することになったので、矢田部ギルフォード(YG)性格検査を実施した。
5 WISC-Ⅳの結果、四つの指標得点間のばらつきが大きかったので、全検査
IQ(FSIQ)の数値だけで全知的能力を代表するとは解釈しなかった。

1 特別支援学級への入級を検討したい子どもの知能検査を学校から依頼されたので、ロールシャッハテストを実施した。
間違いです。ロールシャッハテストは知能検査ではなく性格検査です。

2 改訂長谷川式簡易知能評価スケールの結果がカットオフポイントを下回ったので、発達障害の可能性を考えた。
間違いです。改訂長谷川式簡易知能評価スケールは、認知機能検査ですので発達障害の有無を検査するものではありません。

3 10歳の子どもに知能検査を実施することになり、本人が了解したので、WAIS-Ⅳを実施した。
間違いです。WAIS(Wechsler Adult Intelligence Scale)は知能検査ですが、adultとあるように成人向けの知能検査です。10歳の子どもにはWISC(Wechsler Intelligence Scale for Children)が適しています。

4 投影法による性格検査を実施することになったので、矢田部ギルフォード(YG)性格検査を実施した。
間違いです。矢田部ギルフォード(YG)性格検査は、投影法ではなく質問紙法による性格検査です。

5 WISC-Ⅳの結果、四つの指標得点間のばらつきが大きかったので、全検査 IQ(FSIQ)の数値だけで全知的能力を代表するとは解釈しなかった。
これが正解です。

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