【医療倫理】医療倫理の4原則(インフォームドコンセント&インフォームドアセント)

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医療倫理の4原則

1979年、ビーチャム(Beauchamp,T,L.)とチルドレス(Childress,J,F.)は「医療倫理の4原則」を提唱しています。

自律尊重(respect for autonomy)
無危害(non-maleficence)
善行(beneficence)
正義(justice)

自律性の尊重

「自律性」は、インフォームド・コンセントを初めとする個人の自律的選択を保護する原理で、自律的な患者の意思決定を尊重せよということです。

インフォームドコンセントとは、患者・家族が病状や治療について十分に理解し、また、医療職も患者・家族の意向や様々な状況や説明内容をどのように受け止めたか、どのような医療を選択するか、患者・家族、医療職、ソーシャルワーカーやケアマネジャーなど関係者と互いに情報共有し、皆で合意するプロセスです。

インフォームドアセントとは、子どもの患者に治療や検査の説明を行い、本人の同意を得ることです。

カリスマくん
カリスマくん

インフォームドコンセントの児童版がインフォームドアセントだね。

無危害

「無危害」は、患者に危害を及ぼすのを避けよということです。

善行

「善行」は、他者に積極的利益を与えるべきであるとする原理で、患者に利益をもたらせということです。

正義

「正義」は、配分的正義を意味し、患者・被験者間に平等に資源が配分されるべきであるとする原理で、利益と負担を公平に分配せよということです。

過去問

第34回 問題74

患者の治療方針の決定に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 肝臓がんとの診断を受けたAさん(66歳)は、インフォームドコンセントとして、検査結果の内容と今後の治療方針について医師から説明を受け、治療に同意した。
2 終末期にあるBさん(52歳)の家族は、インフォームドチョイスとして、本人に気付かれないように主治医と治療方針を決定した。
3 小児がん患者のCちゃん(11歳)の保護者は、インフォームドアセントとして、本人の意思を確認せずに終末期医療における延命医療の拒否を医師に伝えた。
4 終末期にあるDさん(78歳)と家族と医療従事者は、パターナリズムモデルに従って、繰り返し治療選択について話し合い、意思決定を行った。
5 E医師は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)の進行したFさん(48歳)の意思を推測し、心肺停止時に心肺蘇生(そせい)措置をしない旨をリビングウィルとしてカルテに記載した。

公認心理師 第4回 問39

T.L.BeauchampとB.F.Childress が提唱した医療倫理の四原則に該当しないものを1つ選べ。
① 正義
② 説明
③ 善行
④ 無危害
⑤ 自律尊重

選択肢②のインフォームドコンセント等は「自律尊重」に含まれます。

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