【医療施設】特定機能病院を頂点にした覚え方

我々が日々お世話になる病院や診療所などの医療施設について学びましょう。

単に病院といっても、特定機能病院、地域医療支援病院など種類が様々です。

それぞれの基準や機能を整理して覚えてください。

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医療圏

まずは以下の医療圏の定義を頭に入れましょう。

一次医療圏 市町村 家庭医
二次医療圏 都道府県をいくつかに分ける=保健所の所管区域=老人福祉圏域(介護保険法)、一般の病院
三次医療圏 ほぼ都道府県

なんでもそうですが、「一次」が一番基本的な単位です。

一次産業といえば農業や漁業など、産業の基盤となるものですよね。

一次医療圏は市町村単位の家庭医など、最も身近な医療になります。

二次医療圏は保健所の所管区域ですので都道府県ほど広域ではありませんが、一般の病院の圏域ということです。

三次医療圏はほぼ都道府県単位の医療圏で高度な医療体制が整備される単位です。

医療施設

医療法に規定される医療施設には以下の5種類があります。

<医療施設>
・診療所
・病院
・介護老人保健施設(老健)
・介護医療院
・調剤薬局

調剤薬局も医療施設なんですね。

聞きなれない介護医療院という施設は2018年から始まりました。

長期的な医療と介護の両方を必要とする高齢者を対象に、「日常的な医学管理」や「看取りやターミナルケア」等の医療機能と、「生活施設」としての機能の両方を提供できる施設です。

介護が必要な高齢者のための施設には3種類ありましたね。介護医療院、介護老人保健施設(老健)、介護老人福祉施設(特養)の3種類です。このうち2つが医療施設でもあるのです。

病院と診療所

病院や診療所には様々な種類があります。

特定機能病院 

400床以上の病床を有し、高度医療を提供できる研究能力のある病院で、多くが大学病院です。
ですので一般病棟はありますが療養病棟はありません。

療養病棟というのは慢性期の患者が長期に入院する病棟です。病床の機能は「高度急性期」「急性期」「回復期」「慢性期」と段階があります。

つまり特定機能病院とは研究機関に近い病院なので救急医療能力も条件となっていません。

国が認定(厚生労働大臣が承認)します。

地域医療支援病院 

200床以上の病床を有し、救急医療能力が条件となっています。

紹介患者中心の地域医療を支える病院です。

都道府県知事が承認します。

在宅療養支援病院 

在宅療養患者が緊急時に入院できる病床を確保する病院で24時間体制です。

200床未満または半径4kmに診療所が存在しないことも条件です。

在宅療養支援診療所 

在宅医療を担当する医師が配置される24時間体制の診療所で緊急時に入院できる病床が確保されている事も条件です。

在宅療養後方支援病院

在宅療養支援病院は200床未満でしたから、その病院を後方支援するので「200床以上」が条件となっています。

機能強化型在宅療養支援診療所 

先ほどの在宅療養支援病院や診療所の強化版で、在宅療養担当医師3名以上が配置されることが条件の1つです。

病院

20床以上が条件です。

診療所

19床以下で診療所になり、クリニックや医院がこれに該当します。

病床がなくてもよいのですが、病床のある診療所を「有床診療所」と呼んだりします。

診療所の管理者は医師しかなれません。

病院を開設する時は都道府県知事の許可が必要ですが診療所は必要ありません。

へき地医療拠点病院

無医地区と無医地区に準じる地区を対象に都道府県知事が指定します。

プライマリケアを実践できる医師を育成します。

災害拠点病院

災害時の医療確保を目的として24時間救急体制です。

地域ガン診療連携拠点病院

都道府県が医療計画で定める医療圏に1箇所程度設置されます。

都道府県ガン診療連携拠点病院は都道府県に原則1か所指定されます。

エイズ治療拠点病院

エイズ治療拠点病院は、地域の他の医療機関と連携します。

まとめ

様々な医療機関がありますが、まずは「特定機能病院」と「地域医療支援病院」を抑えましょう。

特定機能病院は研究機関、地域医療支援病院は救急医療というまったく別の性質を持っています。

必要な病床数は特定機能病院が400以上という最大値で、地域医療支援病院はその半分の200以上です。

それから在宅療養支援病院から在宅療養後方支援病院や機能強化型在宅療養支援病院を派生させて覚えていきましょう。

医療施設病床数承認救急医療緊急入院病床24時間体制在宅療養担当医師その他の条件
特定機能病院400以上厚生労働大臣    研究能力
地域医療支援病院200以上都道府県知事  3名以上 
在宅療養支援病院200未満又は半径4km以内に診療所なし    
在宅療養後方支援病院200以上      
在宅療養支援診療所    
機能強化型在宅療養支援診療所     3名以上 
へき地医療拠点病院 都道府県知事    無医地区など
災害拠点病院     災害時の医療拠点
病院20以上      
診療所19以下
有床診療所は1以上
      

5種類の病床

医療法では以下の5種類の病床区分があります。

一般病床:以下の4種類以外のもの
療養病床:長期の療養患者を入院させる
精神病床:精神疾患を有するものを入院させる
感染症病床:結核を除く感染症患者を入院させる
結核病床:結核患者を入院させる

5種類の病棟

上の病床区分とは異なり以下の5種類の病棟区分があり、これらは区別できるようにしてください。

入院患者は、高度急性期、急性期、回復期、慢性期と4段階に分けられ、それぞれの段階で入院する病棟が違います。

一般病棟:「高度急性期」「急性期」「回復期」の患者が対象
療養病棟:病状が安定している「慢性期」の長期療養患者でリハビリを必要とする人が対象
地域包括ケア病棟:「回復期」に在宅復帰に向けて積極的なリハビリを必要とする人が対象、在宅中に急に悪くなった人に「急性期」の機能も
回復期リハビリテーション病棟:急性期治療を終え「回復期」に集中的にリハビリを必要とする人が対象
緩和ケア病棟:ホスピスとも呼ばれる終末期の患者向け病棟

その他

医療事故報告は医療事故調査・支援センターへ報告します。

過去問

第30回 問題72

医療施設に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 特定機能病院は、300床以上の病床を有し、かつ高度の医療を提供する病院である。
2 地域医療支援病院は、その所在地の市町村長の承認を得て救急医療を提供する病院である。
3 在宅療養支援病院は、在宅での療養を行う患者が緊急時を除いて入院できる病床を確保する病院である。
4 在宅療養支援診療所は、在宅医療を担当する常勤の医師を配置し、地域で在宅医療を提供する診療所である。
5 有床診療所は、地域の患者が48時間以内に退院できるように努める義務を負う診療所である。

1 特定機能病院は、300床以上の病床を有し、かつ高度の医療を提供する病院である。
特定機能病院の要件は400床以上の病床ですので間違いです。

2 地域医療支援病院は、その所在地の市町村長の承認を得て救急医療を提供する病院である。
地域医療支援病院は都道府県知事が承認しますので間違いです。

3 在宅療養支援病院は、在宅での療養を行う患者が緊急時を除いて入院できる病床を確保する病院である。
在宅療養支援病院は、在宅での療養が可能となるよう、緊急時に入院できる病床が必要ですので間違いです。
「緊急時を除いて」のように取って付けたような条件は間違い選択肢を強引に作った感が否めません。

4 在宅療養支援診療所は、在宅医療を担当する常勤の医師を配置し、地域で在宅医療を提供する診療所である。
これが正解です。

5 有床診療所は、地域の患者が48時間以内に退院できるように努める義務を負う診療所である。
有床診療所は2006年の医療法改正以前は48時間以内の退院の努力義務が課せられていましたが現在はありませんので間違いです。

第30回 問題71

診療報酬に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 一般病棟入院基本料で算定される一般病棟には、療養病床の病棟が含まれる。
2 有床診療所入院基本料で算定される有床診療所には、20人の患者を入院させる医療施設が含まれる。
3 地域包括ケア病棟入院料で算定される病院には、特定機能病院が含まれる。
4 障害者施設等入院基本料で算定される障害者施設等には、医療型障害児入所施設が含まれる。
5 特定機能病院入院基本料で算定される病棟には、特定機能病院の療養病棟が含まれる。

1 一般病棟入院基本料で算定される一般病棟には、療養病床の病棟が含まれる。
間違いです。
一般病棟と療養病床の病棟は全く別物です。
療養病床は長期の入院が必要な方向けですので一般病棟とは区別されます。

2 有床診療所入院基本料で算定される有床診療所には、20人の患者を入院させる医療施設が含まれる。
診療所の定義として「19人以下の病床」となっていますので、20人以上の患者を入院させる医療施設は診療所ではありません。

3 地域包括ケア病棟入院料で算定される病院には、特定機能病院が含まれる。
特定機能病院は大学病院などの研究目的の病院なので、地域包括ケア病棟入院料とはかけ離れています。
間違いです。

4 障害者施設等入院基本料で算定される障害者施設等には、医療型障害児入所施設が含まれる。
これが正解です。

5 特定機能病院入院基本料で算定される病棟には、特定機能病院の療養病棟が含まれる。
間違いです。
療養病棟は慢性期の患者を入院させるので、特定機能病院入院基本料で算定されません。
国は慢性期の患者が長期に入院することを嫌がっているので。

第29回 問題71

医療機関の基準に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 特定機能病院は、都道府県知事の承認を受けることとされている。
2 地域医療支援病院は、100床以上の病床を有することとされている。
3 診療所は、最大20人の患者を入院させる施設であることとされている。
4 在宅療養支援病院は、在宅医療の担当医師を1名以上配置することとされている。
5 在宅療養支援診療所は、24時間、往診が可能な体制を確保することとされている。

1 特定機能病院は、都道府県知事の承認を受けることとされている。
間違いです。
特定機能病院は全国で100程度が承認されており、厚生労働大臣が承認します。

2 地域医療支援病院は、100床以上の病床を有することとされている。
地域医療支援病院は200床以上が条件ですので間違いです。

3 診療所は、最大20人の患者を入院させる施設であることとされている。
診療所は19人以下の患者を入院させる施設ですので間違いです。

4 在宅療養支援病院は、在宅医療の担当医師を1名以上配置することとされている。
医師3名以上の配置が必要ですので間違いです。

5 在宅療養支援診療所は、24時間、往診が可能な体制を確保することとされている。
これが正解です。
在宅療養を支援するためには救急対応と24時間体制というハードな条件が課されます。

第32回 問題71

医療施設等の利用目的に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 介護医療院の利用は、主として長期にわたり療養が必要である要介護者を対象としている。
2 療養病棟の利用は、急性期で医療的ケアが必要である者を対象としている。
3 地域包括ケア病棟の利用は、病院で長期にわたり医療的ケアが必要である者を対象としている。
4 介護老人保健施設の利用は、高度で濃密な医療と介護が必要である者を対象としている。
5 回復期リハビリテーション病棟の利用は、高度急性期医療を受けた後、終末期と判断された者を対象としている。

1 介護医療院の利用は、主として長期にわたり療養が必要である要介護者を対象としている。
これが正解です。

2 療養病棟の利用は、急性期で医療的ケアが必要である者を対象としている。
療養病棟は、病状が安定している長期療養患者でリハビリを必要とする人が対象です。

3 地域包括ケア病棟の利用は、病院で長期にわたり医療的ケアが必要である者を対象としている。
地域包括ケア病棟は、在宅復帰に向けて積極的なリハビリが必要な人が対象です。

4 介護老人保健施設の利用は、高度で濃密な医療と介護が必要である者を対象としている。
介護老人保健施設は、要介護高齢者がリハビリをして在宅復帰をめざす施設です。

5 回復期リハビリテーション病棟の利用は、高度急性期医療を受けた後、終末期と判断された者を対象としている。
回復期リハビリテーション病棟は、高度急性期医療を受けた後、回復期に集中的にリハビリを受ける必要がある人が対象です。

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