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カリスマ渾身の一冊

【労働法制】労働基準法、労働者災害補償保険法、労働安全衛生法、労働契約法、最低賃金法、労働施策総合推進法

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労働に関する法制度

日本国憲法第28条では、労働三権(団結権、団体交渉権、団体行動権)が保障されていました。ここでは労働基準に関する法制度を見ていきます。

労働基準法

1947年に制定された労働基準法は、労働条件に関する最低基準を定めています。

<労働基準法の内容>
・賃金の支払の原則・・・直接払、通貨払、金額払、毎月払、一定期日払
・労働時間の原則・・・1週40時間、1日8時間
・時間外・休日労働・・・労使協定の締結
・割増賃金・・・時間外・深夜2割5分以上、休日3割5分以上
※1か月60時間を超える時間外労働の割増賃金率について、大企業は2010年度から、中小企業は令和5年4月1日から5割に引上げ
・解雇予告・・・労働者を解雇しようとするときは30日以上前の予告または30日分以上の平均賃金の支払
・有期労働契約・・・原則3年、専門的労働者は5年

労働基準法では上記の他、年次有給休暇や就業規則などについて規定しています。

労働者災害補償保険法

労働基準法と同じく1947年に制定された労働者災害補償保険法労災保険法)は、業務上の事由や通勤による労働者の負傷、疾病、障害、死亡などに対して必要な保険給付などを行うことを目的としています。

労働契約法

労働契約法は、2007年に制定され2008年から施行されました。以下のような規定等があります。

<労働契約法の内容>
・有期労働契約による労働者について、やむを得ない事由がなければ契約期間満了までの間は解雇できない
有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときには、労働者からの申込みにより、当該契約は無期労働契約に転換される

労働安全衛生法

1972年に労働基準法から派生して労働安全衛生法ができました。
①危険防止基準の確立、②責任体制の明確化、③自主的活動の促進などにより、職種における労働者の安全と健康を確保するとともに、快適な職場環境の形成を促進することを目的としています。

労働安全衛生法では、常時雇用労働者数50人以上の事業場では産業医の配置が義務付けられており、時間外・休日労働時間が月80時間を超えた労働者が希望すれば、産業医等による面接指導を行わなければなりません。

労働安全衛生法義務規定
産業医の配置常時雇用労働者数50人以上3,000人以下は1名、3,001人以上は2名以上
衛生委員会の設置常時雇用労働者数50人以上は義務
ストレスチェックの実施常時雇用労働者数50人以上は義務
50人未満は努力義務

労働安全衛生法では「心理的な負担の程度を把握するための検査等」の実施が規定されています。

カリスマくん
カリスマくん

「心理的な負担の程度を把握するための検査等」というのは、いわゆるストレスチェックのことだね。

労働者が50人以上の事業所は毎年1回以上実施しなければなりませんが、労働者には受検義務はありません。

契約期間が1年未満の労働者や、労働時間が通常の労働者の所定労働時間の4分の3未満の短時間労働者は義務の対象外です。

検査の実施者は「医師、保健師、厚生労働大臣の定める研修を受けた看護師、精神保健福祉士、歯科医師、公認心理師」の中から選ぶ必要があります(労働者の健康管理に3年以上従事した経験のある看護師、精神保健福祉士は研修が免除)。

厚生労働省推奨「職業性ストレス簡易調査票」を基にした、仕事に関わるストレスの状況について57項目の質問票(チェックシート)により、その結果を評価・判定します。

検査の結果は実施者から本人に直接通知され、事業者には通知されません。

検査の結果、「医師による面接指導が必要」とされた労働者に対して、事業者は医師による面接指導を実施しなければなりません(労働者側は受ける義務はありません)。

最低賃金法

最低賃金法によると、国が賃金の最低限度を定め、使用者はその最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとされています。
仮に最低賃金額より低い賃金を労使双方の合意の上で定めても、それは法律によって無効とされ最低賃金額と同額の定めをしたものとされます。

通勤手当、皆勤手当、時間外勤務手当等を除いて最低賃金を上回らなければなりません。

最低賃金の決定

最低賃金額は、最低賃金審議会において議論の上、都道府県労働局長が決定します。

最低賃金は毎年改定されます。

地域別最低賃金と特定最低賃金

地域別最低賃金とは、都道府県ごとに定められる最低賃金です。

生活費の高い東京などの都市部は、当然ながら最低賃金は高く設定されています。

使用者は労働者に対して、この地域別最低賃金以上の賃金を支払わなければなりません。

ただし、特定の業種(鉄鋼業、自動車関連業、機械器具製造業など)は業務の性質上、地域別最低賃金より高い「特定最低賃金」が設定されます。

カリスマくん
カリスマくん

地域別最低賃金より特定最低賃金の方が高いということを覚えておいて。

地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められ、特定最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、労働基準法に罰則(30万円以下の罰金)が定められています。

最低賃金の減額特例

以下のような場合、使用者が都道府県労働局長の許可を受ければ最低賃金の減額特例が認められます。

・精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者
・試用期間中の者
・職業訓練を受ける者等
(最低賃金法第7条)
カリスマくん
カリスマくん

就労継続支援(A型)事業の利用者さんも、最低賃金の減額特例を受けたりするね。

パートタイム・有期雇用労働法

パートタイム・有期雇用労働法(短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律)では、事業主は、通常の労働者と短時間・有期雇用労働者との間で不合理な待遇差を設けてはならないと定められています。

また、事業主は、短時間・有期雇用労働者からの求めに応じ、通常の労働者との待遇差の内容や理由などについて説明しなければならないと定められている。

労働施策総合推進法

労働施策総合推進法(労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律)は、

2019年の改正で職場におけるパワーハラスメント防止のための雇用管理上の措置を講じることを事業主に義務付け、2025年の改正で職場におけるカスタマーハラスメント防止のための雇用管理上の措置を講じることを事業主に義務付ける規定も追加されました。

カリスマくん
カリスマくん

労働施策総合推進法は、パワハラ防止法とも呼ばれるよ。カスハラ防止も追加されたんだね。

過去問

第34回 問題125

職場のメンタルヘルスに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 パワーハラスメントの典型的な例には、優越的な関係を背景として行われた、身体的・精神的な攻撃、人間関係からの切り離し、過大・過小な要求などが含まれる。
2 時間外・休日労働について、月200時間を超えなければ、事業者には健康障害を予防するための医師による面接指導を行う義務はない。
3 全ての事業場には産業医を置かなければならない。
4 常時50人以上の労働者を使用する事業所を複数運営する組織であっても、衛生委員会は本部(本社)に設置すればよい。
5 「ストレスチェック」の結果は、事業者から労働者に対して通知することが義務づけられている。
(注) ここでいう「ストレスチェック」とは、労働安全衛生法で定める「労働者に対して行う心理的な負担の程度を把握するための検査」のことである。

1 パワーハラスメントの典型的な例には、優越的な関係を背景として行われた、身体的・精神的な攻撃、人間関係からの切り離し、過大・過小な要求などが含まれる。
これが正解です。

2 時間外・休日労働について、月200時間を超えなければ、事業者には健康障害を予防するための医師による面接指導を行う義務はない。
誤りです。労働安全衛生法では、時間外・休日労働が月80時間を超え疲労の蓄積が認められるとき、労働者の申し出があれば、事業者は産業医などの医師による面接指導を行わなければなりません。

3 全ての事業場には産業医を置かなければならない。
誤りです。労働安全衛生法では、常時雇用労働者50人以上3,000人以下の事業場には1名以上、3,001人以上の事業場には2名以上の産業医を選任しなければなりません。

4 常時50人以上の労働者を使用する事業所を複数運営する組織であっても、衛生委員会は本部(本社)に設置すればよい。
誤りです。労働安全衛生法では、常時雇用労働者50人以上の事業所に衛生委員会を設置しなければならず、本部に設置するのではなく、条件を満たす各事業所に設置しなければなりません。

5 「ストレスチェック」の結果は、事業者から労働者に対して通知することが義務づけられている。
誤りです。労働安全衛生法によるストレスチェック制度では、検査結果は実施者から本人に直接通知され、事業者には通知されません。

第35回 問題144

有期雇用労働者などの保護を定める労働法規に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 「パートタイム・有期雇用労働法」では、事業主は、通常の労働者と短時間・有期雇用労働者との間で不合理な待遇差を設けないよう努めなければならないと定められている。
2 「パートタイム・有期雇用労働法」では、事業主は、短時間・有期雇用労働者からの求めに応じ、通常の労働者との待遇差の内容や理由などについて説明しなければならないと定められている。
3 労働契約法では、有期労働契約による労働者について、その契約期間が満了するまでの間において、やむを得ない理由がなくても解雇できると定められている。
4 労働契約法では、有期労働契約が反復更新されて通算3年を超えたときには、労働者からの申込みにより、当該契約は無期労働契約に転換されると定められている。
5 短時間・有期雇用労働者は、労働者災害補償保険法の適用対象とはならない。
(注)「パートタイム・有期雇用労働法」とは、「短時間労働者及び有期雇用労働者の雇用管理の改善等に関する法律」のことである。

1 「パートタイム・有期雇用労働法」では、事業主は、通常の労働者と短時間・有期雇用労働者との間で不合理な待遇差を設けないよう努めなければならないと定められている。
誤りです。これは努力義務ではなく義務です。

2 「パートタイム・有期雇用労働法」では、事業主は、短時間・有期雇用労働者からの求めに応じ、通常の労働者との待遇差の内容や理由などについて説明しなければならないと定められている。
これが正解です。

3 労働契約法では、有期労働契約による労働者について、その契約期間が満了するまでの間において、やむを得ない理由がなくても解雇できると定められている。
誤りです。やむを得ない理由がなければ解雇できません。

4 労働契約法では、有期労働契約が反復更新されて通算3年を超えたときには、労働者からの申込みにより、当該契約は無期労働契約に転換されると定められている。
誤りです。有期労働契約が反復更新されて通算5年を超えたときには、労働者からの申込みにより、当該契約は無期労働契約に転換されます。

5 短時間・有期雇用労働者は、労働者災害補償保険法の適用対象とはならない。
誤りです。短時間・有期雇用労働者を含むすべての労働者は、労災保険の対象です。

第31回 問題31

日本の最低賃金制度に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 地域別最低賃金額は、特定最低賃金額を上回るものでなければならない。
2 地域別最低賃金額は、労働者の生計費を考慮せずに決定される。
3 地域別最低賃金額は、労使が行う賃金交渉によって決定される。
4 最低賃金の適用を受ける使用者は、労働者にその概要を周知しなければならない。
5 支払能力のない事業者は、地域別最低賃金の減額適用を受けることができる。
(注)特定最低賃金とは、特定の産業について設定されている最低賃金をいう。

1 地域別最低賃金額は、特定最低賃金額を上回るものでなければならない。
間違いです。
特定最低賃金は特別な技能などが必要な特定の業種の従事者に支払われる最低賃金なので、地域別最低賃金より高く設定されています。

2 地域別最低賃金額は、労働者の生計費を考慮せずに決定される。
「地域別最低賃金額は、労働者の生計費や賃金、通常の事業の賃金支払い能力を考慮して定められなければならない(最低賃金法第9条第2項)」とされています。

3 地域別最低賃金額は、労使が行う賃金交渉によって決定される。
地域別最低賃金額は、厚生労働大臣又は都道府県労働局長が中央最低賃金審議会又は地方最低賃金審議会の意見を聴いて決められます。

4 最低賃金の適用を受ける使用者は、労働者にその概要を周知しなければならない。
これが正解です。

5 支払能力のない事業者は、地域別最低賃金の減額適用を受けることができる。
事業者の支払能力がないというだけでは減額されず、障害者や試用期間中の者などでなければなりません。

第32回 問題143

日本の労働法制に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 日本国憲法第28条が保障する労働三権は、団結権、団体交渉権、勤労権である。
2 労働者災害補償保険の保険料は、事業主と労働者が折半して負担する。
3 雇用保険法において失業とは、被保険者が離職し、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、職業に就くことができない状態にあることをいう。
4 最低賃金法に基づく地域別最低賃金は、都道府県知事が決定する。
5 労働契約法は、使用者は、労働者に1週間について40時間を超えて労働させてはならないと規定している。

1 日本国憲法第28条が保障する労働三権は、団結権、団体交渉権、勤労権である。
誤りです。労働三権とは、団結権、団体交渉権、団体行動権です。

2 労働者災害補償保険の保険料は、事業主と労働者が折半して負担する。
誤りです。労災保険の保険料は、全額事業主負担です。

3 雇用保険法において失業とは、被保険者が離職し、労働の意思及び能力を有するにもかかわらず、職業に就くことができない状態にあることをいう。
これが正解です。労働の意思及び能力がないと失業給付はもらえません。

4 最低賃金法に基づく地域別最低賃金は、都道府県知事が決定する。
誤りです。地域別最低賃金は、都道府県労働局長が決定します。

5 労働契約法は、使用者は、労働者に1週間について40時間を超えて労働させてはならないと規定している。
誤りです。このように規定されているのは労働契約法ではなく労働基準法です。

第33回 問題31

次のうち、働き方改革とも関連する「労働施策総合推進法」の内容の説明として、適切なものを2つ選びなさい。
1 国は、日本人の雇用確保のため不法に就労する外国人への取締りを強化しなければならない。
2 国は、子を養育する者が離職して家庭生活に専念することを支援する施策を充実しなければならない。
3 事業主は、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることのないよう、必要な措置を講じなければならない。
4 国は、労働者が生活に必要な給与を確保できるよう労働時間の延長を容易にする施策を充実しなければならない。
5 事業主は、事業規模の縮小等に伴い離職を余儀なくされる労働者について、求職活動に対する援助その他の再就職の援助を行うよう努めなければならない。
(注) 「労働施策総合推進法」とは、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」(旧雇用対策法)のことである。

選択肢3と5が正解です。労働施策総合推進法はパワハラ防止法です。

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