最低賃金法

最低賃金法によると、国が賃金の最低限度を定め、使用者はその最低賃金額以上の賃金を支払わなければならないとされています。
仮に最低賃金額より低い賃金を労使双方の合意の上で定めても、それは法律によって無効とされ最低賃金額と同額の定めをしたものとされます。

通勤手当、皆勤手当、時間外勤務手当等を除いて最低賃金を上回らなければなりません。

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最低賃金の決定

最低賃金審議会において議論の上、都道府県労働局長が決定します。

地域別最低賃金と特定最低賃金

地域別最低賃金とは、都道府県ごとに定められる最低賃金です。

生活費の高い東京などの都市部は、当然ながら最低賃金は高く設定されています。

使用者は労働者に対して、この地域別最低賃金以上の賃金を支払わなければなりません。

ただし、特定の業種(鉄鋼業、自動車関連業、機械器具製造業など)は業務の性質上、地域別最低賃金より高い「特定最低賃金」が設定されます。

地域別最低賃金より特定最低賃金の方が高いということを覚えておきましょう。

地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、最低賃金法に罰則(50万円以下の罰金)が定められ、特定最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、労働基準法に罰則(30万円以下の罰金)が定められています。

最低賃金の減額特例

以下のような場合、使用者が都道府県労働局長の許可を受ければ最低賃金の減額特例が認められます。

・精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者
・試用期間中の者
・職業訓練を受ける者等
(最低賃金法第7条)

過去問

第31回 問題31

日本の最低賃金制度に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 地域別最低賃金額は、特定最低賃金額を上回るものでなければならない。
2 地域別最低賃金額は、労働者の生計費を考慮せずに決定される。
3 地域別最低賃金額は、労使が行う賃金交渉によって決定される。
4 最低賃金の適用を受ける使用者は、労働者にその概要を周知しなければならない。
5 支払能力のない事業者は、地域別最低賃金の減額適用を受けることができる。
(注)特定最低賃金とは、特定の産業について設定されている最低賃金をいう。

1 地域別最低賃金額は、特定最低賃金額を上回るものでなければならない。
間違いです。
特定最低賃金は特別な技能などが必要な特定の業種の従事者に支払われる最低賃金なので、地域別最低賃金より高く設定されています。

2 地域別最低賃金額は、労働者の生計費を考慮せずに決定される。
「地域別最低賃金額は、労働者の生計費や賃金、通常の事業の賃金支払い能力を考慮して定められなければならない(最低賃金法第9条第2項)」とされています。

3 地域別最低賃金額は、労使が行う賃金交渉によって決定される。
地域別最低賃金額は、厚生労働大臣又は都道府県労働局長が中央最低賃金審議会又は地方最低賃金審議会の意見を聴いて決められます。

4 最低賃金の適用を受ける使用者は、労働者にその概要を周知しなければならない。
これが正解です。

5 支払能力のない事業者は、地域別最低賃金の減額適用を受けることができる。
事業者の支払能力がないというだけでは減額されず、障害者や使用期間中の者などでなければなりません。

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