民法

民法で規定されている扶養義務、親権、相続について学びましょう。

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扶養義務

扶養義務について覚えなければならない内容は以下の3点です。

・直系血族と兄弟姉妹は互いに扶養する義務あり
・三親等内の親族は家庭裁判所が認めた場合に扶養義務を負う
・四親等に扶養義務はない

四親等はいとこ等が該当しますが、いとこ同士は扶養義務はないということになります。

1親等から4親等

親権

親権については以下の3点を押さえておきましょう。

・両親が共同で親権を行えるのは婚姻中のみ
・離婚した場合は、親権は父親か母親かどちらか一方
・非嫡出子の親権は、認知するしないにかかわらず母親

つまり、婚姻中は両親それぞれが親権を持ちますが、離婚するとどちらか一方しか親権を持つことはできません。

その時、非嫡出子(法律上の婚姻関係がない男女の間に生まれた子ども)の場合は、母親が親権を持ちます。

相続

相続の優先順位は、①配偶者、②直系卑属、③直系尊属、④兄弟姉妹となっています。
直系卑属というのは子や孫のように自分より下の世代の直通する親族、直系尊属は、父母や祖父母のように自分より上の世代の直通する親族のことです。

配偶者のみ 全額
配偶者と直系卑属 1:1
配偶者と直系尊属 2:1
配偶者と兄弟姉妹 3:1
相続の優先順位

相続する割合は上記の通りですが、遺言書などでそれが崩れる場合があります。ただし兄弟姉妹以外の相続人には相続財産の一定割合を取得できる権利(遺留分)があり、例えば、配偶者と子がいる場合は、それぞれ1/4ずつが遺留分になります。

成年後見制度と民法

1999年に民法が改正され、成年後見制度が規定されましたが、それ以前には禁治産制度と準禁治産制度がありました。

禁治産制度:心神喪失者に対して家庭裁判所が禁治産の宣告をして本人に後見人をつけます。
家庭裁判所によって選任された後見人は、禁治産者が行う法律行為について包括的な代理権と取消権を有し、それらの権限を用いて禁治産者の財産管理等を行います。
準禁治産制度:心神耗弱者または浪費者を保護するために、家庭裁判所が準禁治産の宣告をして、本人に保佐人をつけます。
保佐人は、準禁治産者が行う法律行為について一定の同意権と取消権を有します。


禁治産という名称が差別的な印象を与え、さらに禁治産者であることが戸籍に記載されるなど、制度を利用しにくいという問題があったため1999年に民法が改正され以下のように名称が変わりました。

<1999民法改正>
禁治産→「後見」
準禁治産→「保佐」
「補助」が新設

また同時に、任意後見制度が新しく創設されました。
このような経緯からわかるように、法定後見(補助、保佐、後見)の根拠法は「民法」です。
一方で、任意後見の根拠法は「任意後見契約法」となっています。

過去問

第30回 問題80

事例を読んで、次の親族関係における民法上の扶養に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
[事例]L(80歳)には長男(55歳)と次男(50歳)がいるが、配偶者と死別し、現在は独居である。長男は妻と子(25歳)の三人で自己所有の一戸建住居で暮らし、次男は妻と重症心身障害のある子(15歳)の三人でアパートに暮らしている。最近Lは、認知症が進行し、介護の必要性も増し、介護サービス利用料などの負担が増えて経済的にも困窮してきた。
1 長男と次男がLの扶養の順序について協議できない場合には、家庭裁判所がこれを定める。
2 長男及び次男には、扶養義務の一環として、Lの成年後見制度利用のための審判請求を行う義務がある。
3 長男の自宅に空き部屋がある場合には、長男はLを引き取って扶養する義務がある。
4 次男が生活に困窮した場合、Lは、長男に対する扶養請求権を次男に譲渡することができる。
5 長男の子と次男の子以外の者が全て死亡したときは、長男の子は次男の子を扶養する義務を負う。

1 長男と次男がLの扶養の順序について協議できない場合には、家庭裁判所がこれを定める。
これが正解です。

2 長男及び次男には、扶養義務の一環として、Lの成年後見制度利用のための審判請求を行う義務がある。
そんな義務ありません。

3 長男の自宅に空き部屋がある場合には、長男はLを引き取って扶養する義務がある。
そんなおかしな条件付き義務はありません。

4 次男が生活に困窮した場合、Lは、長男に対する扶養請求権を次男に譲渡することができる。
親の扶養義務はあくまで話し合いで決めます。
扶養請求権は譲渡したりするものではありません。

5 長男の子と次男の子以外の者が全て死亡したときは、長男の子は次男の子を扶養する義務を負う。
長男の子と次男の子はいとこ同士(四親等)なので、扶養義務はありません。

日本国憲法
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