障害者の就労支援(障害者職業センターと障害者就業・生活支援センター)

障害者の就労支援 日本の医療福祉
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障害者の就労を支える法律は2つあります。

障害者総合支援法と障害者雇用促進法です。

各法律で規定されている就労支援サービスや機関は以下の通りです。

<障害者総合支援法>
・就労継続支援B型
・就労継続支援A型
・就労移行支援
<障害者雇用促進法>
・障害者職業センター
・障害者就業・生活支援センター

障害者総合支援法で規定されている就労継続支援(A型、B型)、就労移行支援は別記事で紹介しました。

ここでは障害者雇用促進法で規定されている機関について見ていきます。

障害者職業センター

2020年現在で障害者職業センターは下のような数が全国に設置されています。

地域障害者職業センター:47都道府県に1つ
・広域障害者職業センター:全国2か所
・障害者職業総合センター:全国1か所

障害者職業センターでは障害者本人の職業評価や受け入れ企業や連携機関への支援を行います。

職員として「障害者職業カウンセラー」と「職場適応援助者(ジョブコーチ)」はどちらも必置になっています。

ジョブコーチは以下の3タイプあります。
・配置型(地域障害者職業センターに配置)
・訪問型
・企業配置型(障害者を雇用する企業に雇用される)

障害者就業・生活支援センター

名称にある「・」の読み方から、「なかぽつ」と呼ばれたりします。

本人支援中心で就労以外の日常生活や行政手続きなども支援に含まれ、生活と就労面の支援を一体的に行うことが特徴です。

障害者職業センターと異なるのは障害者の生活支援が含まれる点です。

つまり、生活支援と職業準備訓練の両輪で支援が実施されます。
就労準備支援、就職活動支援、職場定着支援などです。

公共職業安定所(ハローワーク)

雇用保険関連の事業を扱っていますので失業給付や職業訓練給付などの支給事務を担います。

職業紹介、仕事のあっせんができるのはハローワークだけです。

就職支援ナビゲーターが配置され職業紹介などを行います。

ハローワークの他福祉事務所にも配置されることもあります。

労働局

労働基準法などの労働関係法令に則ってアドバイスや斡旋をおこないます。

労働基準監督署

労働基準法違反をしないよう監督します。

法定雇用率制度

企業や法人には全従業員に対して障害者を一定割合雇用しなければならないとされており、例えば民間企業では平成30年4月から2.2%、国や地方公共団体では2.5%と定められています。
・法定雇用率以上の割合で障害者を雇用する義務
・重度障害者はダブルカウント、短時間労働者はハーフカウント
・法定雇用率未達成の企業は障害者雇用納付金を納め、雇用率を超えて雇用した企業は雇用調整金を受給

法定雇用率未達成の企業は障害者雇用納付金という罰金を支払わなければなりません。ただし、支払えばよいというものではなく、法律違反であることには変わりありませんので、企業名が公表される場合もあります。

大企業などが以下の条件を満たす特例子会社を作ると、その子会社で雇用している障害者を親会社で雇用しているものとしてカウントすることができます。

<特例子会社>
・株式会社でなければならない
・雇用されている障害者数5人以上で全従業員に占める割合20%以上
・重度身体、知的、精神が全障害者の30%以上
・親会社との人的関係が緊密であること

最低賃金法

最低賃金は最低賃金法という法律で規定されています。

最低賃金には「地域別最低賃金」と「特定最低賃金」の2種類あり、我々が認識している最低賃金は「地域別最低賃金」です。

これは都道府県ごとに決められており、当然、生活費がかかる東京や大阪は高く設定されていて、地方は低くなります。

つまりその地域によって生活するのに必要な費用に差があるので、地域ごとに(都道府県ごとに)設定されているものです。

一方で、「特定最低賃金」は特定の産業や業種ごとに最低賃金審査会が設定している最低賃金です。

例えば鉄鋼業や自動車関連業、機械器具製造業などは、その業務の性質上、地域別最低賃金よりも高い賃金を支払う必要があるとされる業種です。

つまり地域別最低賃金より特定最低賃金の方が高いということですね。

ちなみに、最低賃金には通勤手当、皆勤手当、時間外勤務手当等は含まれません。

最低賃金の減額特例:精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者や使用期間中の者、職業訓練を受ける者などを雇う使用者が都道府県労働局長の許可を受けたときに適用されます。

過去問

第31回 問題145

就労支援を担う機関などに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 障害者就業・生活支援センターは、社会福祉法に基づき支援対象障害者からの相談に応じ、関係機関との連絡調整を行っている。
2 障害者職業能力開発校は、学校教育法に基づき支援対象者の能力に適応した職業訓練を行っている。
3 就労移行支援事業所は、「障害者総合支援法」に基づき無料の職業紹介を行っている。
4 地域障害者職業センターは、「障害者雇用促進法」に基づき職業リハビリテーションに関する技術的事項について関係機関に対し助言を行っている。
5 公共職業安定所(ハローワーク)は、職業安定法に基づき最低賃金の減額適用の許可に関する事務を行っている。

(注1)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。
(注2)「障害者雇用促進法」とは、「障害者の雇用の促進等に関する法律」のことである。

1 障害者就業・生活支援センターは、社会福祉法に基づき支援対象障害者からの相談に応じ、関係機関との連絡調整を行っている。
社会福祉法ではなく、障害者雇用促進法です。

2 障害者職業能力開発校は、学校教育法に基づき支援対象者の能力に適応した職業訓練を行っている。
学校教育法ではなく、職業能力開発促進法です。

3 就労移行支援事業所は、「障害者総合支援法」に基づき無料の職業紹介を行っている。
就労移行支援事業は無料の職業紹介を行っていません。
無料の職業紹介ができるのはハローワークのみです。

4 地域障害者職業センターは、「障害者雇用促進法」に基づき職業リハビリテーションに関する技術的事項について関係機関に対し助言を行っている。
正しいです。
地域障害者職業センターは都道府県に1か所あり、説明にあるような業務を行っています。

5 公共職業安定所(ハローワーク)は、職業安定法に基づき最低賃金の減額適用の許可に関する事務を行っている。
最低賃金の減額の適用は、都道府県労働局長が許可することで認められます。
なので間違いです。

第29回 問題145

公共職業安定所(ハローワーク)に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 求職者に対して、有料で職業紹介を行っている。
2 各市町村にその設置が義務づけられている。
3 雇用保険に関する業務を行っている。
4 障害者に対して、職業能力開発促進法に基づく公共職業訓練を行っている。
5 生活保護のうち、生業扶助の支給に関する事務を行っている。

1 求職者に対して、有料で職業紹介を行っている。
有料ではなく無料です。

2 各市町村にその設置が義務づけられている。
ハローワークは国の機関なので市町村に設置が義務付けられているわけではありません。

3 雇用保険に関する業務を行っている。
正しいです。
雇用保険の失業給付を受給したりですね。

4 障害者に対して、職業能力開発促進法に基づく公共職業訓練を行っている。
ハローワークは公共職業訓練を受けるよう斡旋をしていますが、職業訓練自体を実施しているわけではありません。

5 生活保護のうち、生業扶助の支給に関する事務を行っている。
生活保護関連は福祉事務所の管轄ですので間違いです。

第30回 問題59

「障害者総合支援法」に基づく就労継続支援A型のサービスの利用に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 障害支援区分の認定が必要である。
2 暫定支給決定の仕組みがある。
3 サービスの利用者負担は不要である。
4 利用者は、通常の事業所に雇用されることが可能な障害者でなければならない。
5 利用期間について法令上の定めがある。

1 障害支援区分の認定が必要である。
就労継続支援A型には区分認定は必要ありません。

2 暫定支給決定の仕組みがある。
正しいです。
暫定支給決定はそのサービスが利用者にとって適切かどうかを判断するために行われます。
当該事業の継続利用についての利用者の最終的な意向の確認と当該サービスの利用が適切かどうかの客観的な判断を行うための期間(暫定支給決定期間)を設定した短期間の支給決定であり、2カ月以内の範囲で市町村が個別に設定します。
暫定支給のあるサービスは他に、自立訓練や就労移行支援などがあります。

3 サービスの利用者負担は不要である。
障害福祉サービスには利用者負担がありますので間違いです。
しかし多くの障害者が自己負担限度額0円に設定されているので実質的に負担はありませんが。

4 利用者は、通常の事業所に雇用されることが可能な障害者でなければならない。
就労継続支援の対象者は通常の事業所に雇用されることが困難な方が対象です。

5 利用期間について法令上の定めがある。
利用期間について定めはありません。

第30回 問題143

障害者雇用率制度に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 2018年(平成30年)4月1日から、法定雇用率の算定基礎の対象に精神障害者が含まれることになっている。
2 重度身体障害者は、障害者雇用率の算定上、一人をもって三人とみなされる。
3 特例子会社とは、事業内容を勘案して障害者の雇用義務を課さないと認められた子会社のことである。
4 法定雇用率未達成の事業主は、利益率に応じて障害者雇用納付金を納付しなければならない。
5 国や地方公共団体には、一般の民間企業より低い法定雇用率が課せられている。

1 2018年(平成30年)4月1日から、法定雇用率の算定基礎の対象に精神障害者が含まれることになっている。
そのとおりです。

2 重度身体障害者は、障害者雇用率の算定上、一人をもって三人とみなされる。
重度身体障害者は一人を三人ではなく二人として算定します。

3 特例子会社とは、事業内容を勘案して障害者の雇用義務を課さないと認められた子会社のことである。
間違いです。
特例子会社は、その子会社で雇用されている障害者を親会社の雇用率に算定できる仕組みです。

4 法定雇用率未達成の事業主は、利益率に応じて障害者雇用納付金を納付しなければならない。
利益率に応じてではありません。
雇用率に対する不足人数に応じて納付します。

5 国や地方公共団体には、一般の民間企業より低い法定雇用率が課せられている。
そんなことはありません。
国や地方公共団体には民間企業より高い法定雇用率が課せられています。
それにしても国の障害者雇用率水増し問題にはあきれましたね。

第30回 問題145

職場適応援助者(ジョブコーチ)の役割に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 事業所に対し、支援対象者のために新規の事業を用意するよう要求する。
2 事業所に代わって、職場外で支援対象者の職業訓練を行う。
3 事業所の求人ニーズに合わせて、求職者をあっせんする。
4 支援当初は支援対象者と職場で一緒にいる時間を少なくし、徐々にその時間を増やしていく。
5 支援対象者が職場の同僚とコミュニケーションを図ることができるよう調整する。

1 事業所に対し、支援対象者のために新規の事業を用意するよう要求する。
ジョブコーチはそんなことはしません。

2 事業所に代わって、職場外で支援対象者の職業訓練を行う。
ジョブコーチは職場外での職業訓練は行いません。

3 事業所の求人ニーズに合わせて、求職者をあっせんする。
求職者のあっせんはハローワークにしか権限がありません。

4 支援当初は支援対象者と職場で一緒にいる時間を少なくし、徐々にその時間を増やしていく。
開始時は集中的に支援して徐々に回数を減らしていきますので間違いです。

5 支援対象者が職場の同僚とコミュニケーションを図ることができるよう調整する。
これが正解です。

第30回 問題146

事例を読んで、U障害者就業・生活支援センターのB支援担当者(社会福祉士)が考える連絡先として、次のうち最も適切なものを1つ選びなさい。
[事例]B支援担当者は、再就職を希望するCさん(25歳、男性)に対し、職業適性検査などを含め就労準備の支援を継続していた。ある日、Cさんから、退職した前の会社に未払いの残業代があり解決したいと相談があった。そこで、B支援担当者はその解決にふさわしい連絡先を考えている。
1 警察署
2 障害者職業能力開発校
3 都道府県労働局
4 福祉事務所
5 公共職業安定所(ハローワーク)

残業代の未払いなど労働基準法の法令順守に関する相談は、選択肢3の「労働局」になります。

第31回 問題31

日本の最低賃金制度に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 地域別最低賃金額は、特定最低賃金額を上回るものでなければならない。
2 地域別最低賃金額は、労働者の生計費を考慮せずに決定される。
3 地域別最低賃金額は、労使が行う賃金交渉によって決定される。
4 最低賃金の適用を受ける使用者は、労働者にその概要を周知しなければならない。
5 支払能力のない事業者は、地域別最低賃金の減額適用を受けることができる。
(注)特定最低賃金とは、特定の産業について設定されている最低賃金をいう。

1 地域別最低賃金額は、特定最低賃金額を上回るものでなければならない。
逆です。
特定最低賃金の方が高いです。
危険な仕事をする職業などに適用されますから高くて当然です。

2 地域別最低賃金額は、労働者の生計費を考慮せずに決定される。
地域別最低賃金は、労働者の生計費や賃金などを考慮して決定されます。

3 地域別最低賃金額は、労使が行う賃金交渉によって決定される。
地域別最低賃金は、厚生労働大臣または都道府県労働局長が、一定の地域ごとに、中央最低賃金審議会又は地方最低賃金審議会の意見を聴いて決定されます。

4 最低賃金の適用を受ける使用者は、労働者にその概要を周知しなければならない。
これが正解です。

5 支払能力のない事業者は、地域別最低賃金の減額適用を受けることができる。
最低賃金の減額特例というものは存在しますが、事業者の支払い能力がないことを理由に減額することはできません。
減額特例は、精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者や使用期間中の者、職業訓練を受ける者などを雇う使用者が都道府県労働局長の許可を受けたときに適用されます。

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