ソーシャルワーカーだけでなくどんな職種であっても仕事をする上で記録をとる能力は重要です。
記録の方法にはさまざまな形がありますので、全て覚えましょう。
逐語体
逐語体は、発話どおりにそのまま記録した文体です。
録音したテープの内容をそのまま記述するテープ起こし(文字起こし)もこれです。
話した内容を加工せず逐一そのまま記録するわけです。
叙述体
叙述体は、時間の順序で記録した文体です。
叙述体には以下の2種類あります。
過程叙述体:時系列でワーカーとクライエントの相互作用の詳細を記す
どちらも時系列に記述しますが、圧縮叙述体は文字通り「圧縮」して要点だけ書きます。
過程叙述体はやりとりの過程の詳細を記述します。
要約体
要約体は、要点を整理した記録です。
説明体
説明体は、説明や解釈の記録です。
SOAP方式の記録
以下4つの頭文字をとってSOAP方式といいます。
Objective(客観的情報、援助者の目で見たり聞いたりした事実)
Assessment(得られた客観的事実に対する援助者の評価や分析)
Plan(上記に基づいた計画の作成)
過去問
第31回 問題115
相談援助の記録方法に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 逐語体は、あらかじめ設定している援助過程の項目ごとに時系列で援助過程を簡潔に示すものである。
2 叙述体は、事実やその解釈、見解の要点を整理して示すものである。
3 要約体は、ソーシャルワーカーとクライエントの相互作用について時間経過に沿って詳細に示すものである。
4 ジェノグラムは、数世代にわたる血族・姻族関係、ライフイベントなどを図式化するものである。
5 エコマップは、グループメンバー間のつながり、構造、関係のパターンを図式化するものである。
1 逐語体は、あらかじめ設定している援助過程の項目ごとに時系列で援助過程を簡潔に示すものである。
これは叙述体の説明です。
逐語体は、言葉通りそのまま記録していく方法です。
2 叙述体は、事実やその解釈、見解の要点を整理して示すものである。
これは要約体の説明です。
3 要約体は、ソーシャルワーカーとクライエントの相互作用について時間経過に沿って詳細に示すものである。
要約体は要点をまとめた記述方法なので違います。
4 ジェノグラムは、数世代にわたる血族・姻族関係、ライフイベントなどを図式化するものである。
これが正解です。
5 エコマップは、グループメンバー間のつながり、構造、関係のパターンを図式化するものである。
エコマップはメンバー間のつながりや、とりまく社会資源との関係を図式化したものなので違います。
第31回 問題117
ソーシャルワークの記録に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1.逐語録では、話し言葉の記録にソーシャルワーカーの説明や解釈を加えて記述する。
2.グループインタビューの記録係は、参加者の非言語的反応を含めて記録する。
3.時間の経過に沿ってソーシャルワーク過程において起こる事実を記録する形式を説明体という。
4.的確に情報を伝達することを求められるため、文字情報で統一する。
5.プランニングシートには、利用者がサービスを利用してどのような生活をしたのかについて記述する。
1 逐語録では、話し言葉の記録にソーシャルワーカーの説明や解釈を加えて記述する。
逐語録は、話し言葉そのままの記録ですので間違いです。
2 グループインタビューの記録係は、参加者の非言語的反応を含めて記録する。
これが正解です。
3 時間の経過に沿ってソーシャルワーク過程において起こる事実を記録する形式を説明体という。
これは叙述体の説明ですので間違いです。
4 的確に情報を伝達することを求められるため、文字情報で統一する。
文字情報だけでなく、図や写真、音声なども重要な情報です。
5 プランニングシートには、利用者がサービスを利用してどのような生活をしたのかについて記述する。
プランニングなので未来のプランを書くわけで、どのような生活をしたのかという過去のことを記述するのはおかしいです。

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