都市化が進むとコミュニティはどうなるのでしょう。
無くなる? 存続する? それとも・・・
様々なコミュニティ理論
コミュニティ喪失論
都市に住むことは、親密な人間関係を含むコミュニティを衰退させるとする理論で、アーバニズム論が典型です。
アーバニズム論 by ワース
ワース(Wirth, L.)は、都市では人間関係の分節化と希薄化が進み、無関心などの社会心理が生み出されるとする、アーバニズム論を提起しました。
これはコミュニティ喪失論の一種です。
コミュニティ存続論
都市化によってもコミュニティは存続するという理論です。

都市においても第一次関係はみられるということ。
コミュニティ解放論 by ウェルマン
ウェルマン(Wellman,B.)は、交通通信手段の発達によってコミュニティは地域という空間に限定されない形で新しく展開しているとするコミュニティ解放論を提唱しました。

ここで一句
「ウェルマンは、縛りが解けて、解放論」
その他の理論
同心円地帯理論
バージェス(Burgess,E.)が提唱した同心円地帯理論は、都市の拡大過程に関して、それぞれ異なる特徴を持つ地帯が同心円状に構成されていくと考えます。
下位文化理論
フィッシャー(Fischer, C.)は、大都市では類似した者同士が結び付き、ネットワークが分化していく中で多様な下位文化が形成されるとする下位文化理論を提起しました。
都市の発展段階論
クラッセン(Klaassen,L.)が提唱した年の発展段階論は、大都市では都市化から郊外化を経て衰退に向かうという逆都市化(反都市化)が発生し、都市中心部の空洞化が生じると考えます。
結節機関説
鈴木榮太郎は、地域社会の中で人と人とを結びつけて交流させる機関(駅、学校、官公庁など)を結節機関と呼び、このような機関を多く持つ聚落社会を都市と捉えました。聚落というのは集落や村落のことです。
まとめ

さまざまな都市の形
グローバル都市
グローバル都市は、世界中の金融・情報関連産業が集積する都市です。
創造都市
創造都市(クリエイティブ・シティ)は、文化や芸術、映像などの産業をまちづくりの中核に据える都市です。
コンパクトシティ
コンパクトシティは、拡散した都市機能を集約させ、生活圏の再構築を図る都市です。
地方都市の急激な人口減少と高齢化の進行に対して拡散した都市機能を集約して利便性を確保し、コンパクトにすることで一定の人口密度を維持するものです。
トランスナショナル・コミュニティ
トランスナショナル・コミュニティは、出身地域の異なる外国人住民の多様なコミュニティから形成される都市です。
産業クラスター
産業クラスターは、先端技術産業を軸として、地方経済の発展を目指す都市です。
過去問
第32回 問題17
次のうち、コンパクトシティに関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 拡散した都市機能を集約させ、生活圏の再構築を図る都市
2 出身地域の異なる外国人住民の多様なコミュニティから形成される都市
3 文化や芸術、映像などの産業をまちづくりの中核に据える都市
4 先端技術産業を軸として、地方経済の発展を目指す都市
5 世界中の金融・情報関連産業が集積する都市
1 拡散した都市機能を集約させ、生活圏の再構築を図る都市
これが正解、コンパクトシティです。
2 出身地域の異なる外国人住民の多様なコミュニティから形成される都市
誤りです。これはトランスナショナル・コミュニティの説明です。
3 文化や芸術、映像などの産業をまちづくりの中核に据える都市
誤りです。これは創造都市の説明です。
4 先端技術産業を軸として、地方経済の発展を目指す都市
誤りです。これは産業クラスターの説明です。
5 世界中の金融・情報関連産業が集積する都市
誤りです。これはグローバル都市の説明です。
第30回 問題17
次の記述のうち、ウェルマン(Wellman,B.)の「コミュニティ解放論」の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 特定の関心に基づくアソシエーションが、コミュニティを基盤として多様に展開している。
2 都市化の進展によってコミュニティは喪失若しくは解体されている。
3 都市化が進展しても、近隣を単位としたコミュニティは存続している。
4 交通通信手段の発達によって、コミュニティは地域という空間に限定されない形で新しく展開している。
5 コミュニティが、地域での自立生活を可能にする対人サービスを提供するようになっている。
1 特定の関心に基づくアソシエーションが、コミュニティを基盤として多様に展開している。
誤りです。これはマッキーバーの理論です。
2 都市化の進展によってコミュニティは喪失若しくは解体されている。
誤りです。これはコミュニティ喪失論です。
3 都市化が進展しても、近隣を単位としたコミュニティは存続している。
誤りです。これはコミュニティ存続論です。
4 交通通信手段の発達によって、コミュニティは地域という空間に限定されない形で新しく展開している。
これが正解、コミュニティ開放論です。
5 コミュニティが、地域での自立生活を可能にする対人サービスを提供するようになっている。
誤りです。
第33回 問題16
都市化の理論に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 フィッシャー(Fischer, C.)は、都市の拡大過程に関して、それぞれ異なる特徴を持つ地帯が同心円状に構成されていくとする、同心円地帯理論を提起した。
2 ワース(Wirth, L.)は、都市では人間関係の分節化と希薄化が進み、無関心などの社会心理が生み出されるとする、アーバニズム論を提起した。
3 クラッセン(Klaassen, L.)は、大都市では類似した者同士が結び付き、ネットワークが分化していく中で多様な下位文化が形成されるとする、下位文化理論を提起した。
4 ウェルマン(Wellman, B.)は、大都市では、都市化から郊外化を経て衰退に向かうという逆都市化(反都市化)が発生し、都市中心部の空洞化が生じるとする、都市の発展段階論を提起した。
5 バージェス(Burgess, E.)は、都市化した社会ではコミュニティが地域や親族などの伝統的紐帯(ちゅうたい)から解放されたネットワークとして存在しているとする、コミュニティ解放論を提起した。
1 フィッシャー(Fischer, C.)は、都市の拡大過程に関して、それぞれ異なる特徴を持つ地帯が同心円状に構成されていくとする、同心円地帯理論を提起した。
誤りです。同心円地帯理論はバージェスです。
2 ワース(Wirth, L.)は、都市では人間関係の分節化と希薄化が進み、無関心などの社会心理が生み出されるとする、アーバニズム論を提起した。
これが正解です。
3 クラッセン(Klaassen, L.)は、大都市では類似した者同士が結び付き、ネットワークが分化していく中で多様な下位文化が形成されるとする、下位文化理論を提起した。
誤りです。下位文化理論はフィッシャーです。
4 ウェルマン(Wellman, B.)は、大都市では、都市化から郊外化を経て衰退に向かうという逆都市化(反都市化)が発生し、都市中心部の空洞化が生じるとする、都市の発展段階論を提起した。
誤りです。都市の発展段階論はクラッセンです。
5 バージェス(Burgess, E.)は、都市化した社会ではコミュニティが地域や親族などの伝統的紐帯(ちゅうたい)から解放されたネットワークとして存在しているとする、コミュニティ解放論を提起した。
誤りです。コミュニティ開放論はウェルマンです。
第36回 問題16
次の記述のうち、ウェルマン(Wellman, B.)のコミュニティ解放論の説明として、最も適切なものを1 つ選びなさい。
1 特定の関心に基づくアソシエーションが、地域を基盤としたコミュニティにおいて多様に展開しているとした。
2 現代社会ではコミュニティが地域という空間に限定されない形で展開されるとした。
3 人口の量と密度と異質性から都市に特徴的な生活様式を捉えた。
4 都市の発展過程は、住民階層の違いに基づいて中心部から同心円状に拡大するとした。
5 アメリカの94 のコミュニティの定義を収集・分析し、コミュニティ概念の共通性を見いだした。
1 特定の関心に基づくアソシエーションが、地域を基盤としたコミュニティにおいて多様に展開し
ているとした。
誤りです。これはマッキーバーのコミュニティとアソシエーションのとらえ方です。
2 現代社会ではコミュニティが地域という空間に限定されない形で展開されるとした。
これが正解、ウェルマンのコニュニティ解放論です。
3 人口の量と密度と異質性から都市に特徴的な生活様式を捉えた。
誤りです。これはワースのアーバニズム論です。
4 都市の発展過程は、住民階層の違いに基づいて中心部から同心円状に拡大するとした。
誤りです。これはバージェスの同心円地帯理論です。
5 アメリカの94 のコミュニティの定義を収集・分析し、コミュニティ概念の共通性を見いだした。
誤りです。94 のコミュニティ定義の分析を行ったのはヒラリー(Hillery, G. A)です。
第37回 問題14
都市に関する次の記述のうち、最も適切なものを 1 つ選びなさい。
1 サムナー(Sumner, W.G.)は、都市に特徴的な生活様式をアーバニズムとした。
2 ジンメル(Simmel, G.)は、都市では多様な下位文化が形成されるとした。
3 フィッシャー(Fischer, C.)は、都市を人間生態学的に分析した。
4 倉沢進は、都市は同心円状的に形成されるとした。
5 鈴木榮太郎は、都市は結節機関を持つ聚落社会であるとした。
1 サムナー(Sumner, W.G.)は、都市に特徴的な生活様式をアーバニズムとした。
誤りです。アーバニズム論といえばワースです。
2 ジンメル(Simmel, G.)は、都市では多様な下位文化が形成されるとした。
誤りです。このような下位文化理論を提唱したのはフィッシャーです。
3 フィッシャー(Fischer, C.)は、都市を人間生態学的に分析した。
誤りです。都市を人間生態学的に分析したのはパークです。
4 倉沢進は、都市は同心円状的に形成されるとした。
誤りです。このような同心円地帯理論を提唱したのはバージェスです。
5 鈴木榮太郎は、都市は結節機関を持つ聚落社会であるとした。
これが正解です。
次の記事
次は、社会移動について。



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