国勢調査や国民生活基礎調査では、核家族世帯、夫婦のみの世帯、三世代世帯など、世帯に関する調査が行われていますが、ここではそれら家族形態の種類や理論について学びます。
様々な家族理論
核家族 by マードック
アメリカの人類学者マードック(Murdock,G.)は、家族を、核家族、複婚家族、拡大家族に分類し、夫婦と未婚の子から成る核家族を最も普遍的な家族形態として位置づけました。
修正拡大家族 by リトワク
リトワク(Litwak,E.)は、産業化が進み所得が向上することで親子別居となり核家族化が進んでも、交通や通信手段の発達によって成人後の親子関係は引続き維持されると考え、このような外見上は核家族に見える家族形態を修正拡大家族と定義しました。
制度から友愛へ by バージェス
バージェス(Burgess,E.)とロック(Rock,H.)は、近代化によって家族のあり方が、社会的な「制度としての家族」から、夫婦や親子の愛情による「友愛としての家族」に変容すると考えました。
家族制度の類型
直径家族制
直径家族制とは、跡継ぎとなる子どもの家族との同居を繰り返して、家族が世代的に再生産される類型です。
夫婦家族制
夫婦家族制は、夫婦の結婚とともに誕生し、一方の死亡によって家族が一代限りで消滅する類型です。
複合家族制
複合家族制は、複数の子どもが結婚後も親と同居することを原則とする類型で、家族の構成員として、夫、妻、複数の既婚子、その妻子となります。

日本では、夫婦家族制と直径家族制が混在していて、夫婦家族制が主流だね。
過去問
第32回 問題18
次のうち、直系家族制についての記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 複数の子どもが、結婚後も親と同居することを原則とする。
2 夫婦の結婚とともに誕生し、一方の死亡によって家族が一代限りで消滅する。
3 跡継ぎとなる子どもの家族との同居を繰り返して、家族が世代的に再生産される。
4 離家した子どもの生殖家族が、親と頻繁な交際や相互援助を行う。
5 親の死亡をきっかけに、財産を均分相続して家族が分裂する。
1 複数の子どもが、結婚後も親と同居することを原則とする。
誤りです。これは複合家族制の内容です。
2 夫婦の結婚とともに誕生し、一方の死亡によって家族が一代限りで消滅する。
誤りです。これは夫婦家族制の内容です。
3 跡継ぎとなる子どもの家族との同居を繰り返して、家族が世代的に再生産される。
これが正解、直系家族制の内容です。
4 離家した子どもの生殖家族が、親と頻繁な交際や相互援助を行う。
誤りです。これは修正拡大家族の内容です。
5 親の死亡をきっかけに、財産を均分相続して家族が分裂する。
誤りです。これは複合家族制の内容です。
第19回 問題57(改題)
家族に関する次の記述のうち、その正誤を答えなさい。
A ラウントリー(Rowntree,B.)は、結婚、子の出生等、家族の生活周期と貧困との関係を指摘した。
B マードック(Murdock,G.)は、婚姻によって成立した一組の夫婦とそこから生まれた未婚の子からなる核家族が普遍的な社会集団であると指摘した。
C パーソンズ(Parsons,T.)は、夫・父親は表出的役割、妻・母親は手段的役割という家庭内役割分担の図式を提示した。
D バージェス(Burgess,E.)とロック(Rock,H.)は、「制度から友愛へ」と至る家族類型を指摘した。
A ラウントリー(Rowntree,B.)は、結婚、子の出生等、家族の生活周期と貧困との関係を指摘した。
正しいです。ラウントリーはヨーク市の貧困調査で、労働者家族がその一生の中で経験する貧困の循環を指摘しました。
B マードック(Murdock,G.)は、婚姻によって成立した一組の夫婦とそこから生まれた未婚の子からなる核家族が普遍的な社会集団であると指摘した。
正しいです。マードックは、家族を核家族、複婚家族、拡大家族に分類し、核家族が普遍的な家族形態と位置づけました。
C パーソンズ(Parsons,T.)は、夫・父親は表出的役割、妻・母親は手段的役割という家庭内役割分担の図式を提示した。
誤りです。夫・父親と妻・母親の役割が逆です。
D バージェス(Burgess,E.)とロック(Rock,H.)は、「制度から友愛へ」と至る家族類型を指摘した。
正しいです。バージェスとロックは、近代化によって「制度としての家族」から、「友愛としての家族」へと変容すると考えました。
次の記事
次は、人口問題について。
ついに100億人が見えてきた世界の人口。
これだけ増えすぎた人間を養う力は、もう地球にはない。
人が住めない惑星になる日は近い。


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