児童福祉施設と障害児福祉サービス

児童福祉施設 日本の医療福祉
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児童福祉施設

児童福祉法には児童福祉施設が規定されています。

児童福祉施設

児童養護施設

保護者のない児童や虐待されている児童などを入所させて養護する施設で、退所した者に対する相談なども行います。

「家庭支援専門相談員」や「里親支援専門相談員」などが配置されます。

家庭支援専門相談員(ファミリーソーシャルワーカー):児童相談所と連携して、入所児童の早期家庭復帰や里親委託等を目的として相談・指導を行います。 乳児院、児童養護施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設の4施設に配置が義務づけられています。
里親支援専門相談員(里親支援ソーシャルワーカー):児童相談所の里親担当職員などと連携して入所児童の里親委託を推進します。 里親の新規開拓や、里親向けの研修、アフターケアとしての相談対応などを行います。

里親支援専門相談員の配置は義務ではありません。

家庭支援専門相談員も里親支援専門相談員も里親支援を行いますが、里親支援専門相談員の方が中心になります。

児童養護施設等を退所し何らかの理由で家にいられなくなり働かざるを得なくなった義務教育終了~20歳未満、または22歳までの大学生に対して暮らしの場を与える「児童自立生活援助事業(自立援助ホーム)」という事業があります。

この事業も第二種社会福祉事業として児童福祉法に規定されています。

乳児院

乳児(孤児)を入院させて養育する施設で、退院した者についての相談援助も行います。
児童養護施設と同じく、「家庭支援専門相談員と「里親支援専門相談員」が配置されます。
里親支援専門相談員が配置されるのは、児童養護施設と乳児院だけです(2012年~)。

児童自立支援施設

犯罪などの不良行為のおそれがある児童や生活指導を要する児童を入所または通所させ自立を支援する施設です。

「児童自立支援専門員」と「家庭支援専門相談員」が配置されます。

児童心理治療施設

心理的困難や苦しみを抱え心理治療を必要とする子どもたちを入所あるいは通所させて治療を行う施設です。

「家庭支援専門相談員」が配置されます。

家庭支援専門相談員が配置される4施設を覚えておきましょう。

母子生活支援施設

母子家庭の母と子などを入所させて保護し自立を支援します。

父子家庭は対象ではありません。

注意すべきは、この施設は母子福祉法ではなく児童福祉法で規定されている点です。

母子福祉法の児童は20歳未満、児童福祉法の児童は18歳未満ですので、この施設に入れるのは18歳未満の子のいる母子家庭だけです。

ただし例外的に20歳まで入所できます。

利用は福祉事務所に申し込みます。

幼保連携型認定こども園

幼稚園と保育所の両機能を合わせ持つ、小学校就学前の子供の教育・保育・子育て支援を一体的に提供する施設です。

児童福祉施設は基本的に児童福祉法で規定されていますが、「幼保連携型認定こども園」については学校教育法で規定される幼稚園と児童福祉法で規定される保育園を合わせたもので、「認定こども園法」という法律などで規定されています。

また、児童福祉施設は「都道府県に設置義務」がありますが、この幼保連携型認定こども園だけは義務ではありません。

児童厚生施設

児童に健全な遊びを与えて情操を豊かにするための施設で、児童館は児童厚生施設の1つです。

助産施設

経済的理由により入院助産ができない妊産婦を入所させて助産する施設です。

保育所

保護者の委託を受けて、保育に欠けるその乳児又は幼児を保育する施設です。

障害児入所施設(福祉型、医療型)

障害児を入所させて保護し、日常生活の指導や自活に必要な知識や技能訓練を行う施設です。

福祉型は福祉サービスを提供しますが、医療型は治療も行います。

児童発達支援センター

障害児を通所させて、日常生活における基本的動作の指導やは集団生活への適応のための訓練など障害児通所支援を行います。

下で書いていますが、障害児福祉サービスの児童発達支援などを提供します。

児童家庭支援センター

児童相談所等の関係機関と連携し地域に密着した相談支援を行います。

障害児福祉サービス

障害児に対する福祉サービスは障害者総合支援法ではなく、「児童福祉法」で規定されています。

障害福祉サービス

■通所系
・児童発達支援
・医療型児童発達支援
・放課後等デイサービス
■入所系
・福祉型障害児入所施設
・医療型障害児入所施設
■訪問系
・居宅訪問型児童発達支援
・保育所等訪問支援
■相談系
・障害児相談支援
・計画相談支援

児童発達支援(福祉型、医療型、居宅訪問型)

日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練などの支援を行います。医療型はこれに加えて治療も行います。

居宅訪問型は重度の障害で外出が困難な障害児に対して、居宅を訪問して療育を行います。

放課後等デイサービス

幼稚園、大学を除く、就学している障害児の授業終了後や休日等に、児童発達支援センター等に通所させて生活訓練や社会交流促進を行うものです。

障害児入所施設(福祉型、医療型)

障害児を入所させ日常生活の指導及び知識技能の付与を行う施設です。

医療型は治療も行います。

保育所等訪問支援

保育所等を訪問し、障害児に対して障害児以外の児童との集団生活への適応のための専門的な支援などを行う事業です。

2018年からは保育所だけでなく乳児院と児童養護施設も対象になりました。

障害児相談支援

利用計画(案)と利用計画を作成します。

事業所指定

障害者総合支援法で規定されるサービスの事業所指定は基本的に都道府県でしたが、例外として「特定相談支援」だけは市町村が指定します。

同じように児童福祉法で規定される障害児福祉サービスの事業所指定は基本的に都道府県ですが、例外として「障害児相談支援」は市町村が指定します。

事業所の指定は介護保険でも障害福祉でも「都道府県」が担うという基本を抑えつつ、例外を覚えていきましょう。

支給決定

障害児福祉サービスの支給決定は、入所系サービスは「都道府県」、通所系サービスは「市町村」となります。

児童福祉法だけでなく「子ども子育て支援法」で規定されているサービスの支給決定も市町村です。

なぜなら子ども子育て支援法には通所系サービスしかないからです。

まとめ

これら児童福祉施設と呼ばれる施設は、「児童福祉法」に規定されています(母子生活支援施設も)。

ただし、「幼保連携型認定こども園」については学校教育法で規定される幼稚園と児童福祉法で規定される保育園を合わせたもので、「認定こども園法」という法律などで規定されています。

そしてこれらの施設は「都道府県」に設置義務がありますが、「幼保連携型認定こども園」だけは義務ではありません)。

過去問

第31回 問題141

事例を読んで、Hちゃんが利用するサービスとして、最も適切なものを1つ選びなさい。
[事例]Hちゃん(3歳)が交通事故に遭い、下肢に障害を有する状態となった。退院するに当たり、医療相談室のソーシャルワーカーが家族面接を行い、肢体不自由のある子どものリハビリテーションに対応したサービスを利用していくことが確認された。
1 養育支援訪問事業
2 放課後等デイサービス
3 児童自立生活援助事業
4 養育医療
5 医療型児童発達支援

1 養育支援訪問事業
間違いです。
養育支援が特に必要な家庭に保健師や保育士等が訪問して指導や助言を行います。

2 放課後等デイサービス
間違いです。

3 児童自立生活援助事業
義務教育を終了した人が対象なので違います。

4 養育医療
医療的ケアを必要とする未熟児が対象なので違います。

5 医療型児童発達支援
これが正解です。

第29回 問題142

次の説明に該当するCさんの職種として、正しいものを1つ選びなさい。
Cさんは、児童福祉施設に配置されており、児童相談所等と連携を取りながら子どもと保護者の関係調整、関係機関と連携しながら保護者支援を行っている。主に家庭復帰を支援し、家庭復帰後の地域での見守り体制の調整を行うほか、要支援児童・要保護児童を含み、地域における子育てに関する相談にも応じる。この職に就くことができるのは、社会福祉士若しくは精神保健福祉士の資格を有する者、児童養護施設等において乳幼児の養育や児童の指導に5年以上従事した者、児童福祉司となる資格を有する者、などのいずれかに該当する者とされている。
1 里親支援専門相談員
2 児童自立支援専門員
3 家庭支援専門相談員
4 主任児童委員
5 家庭相談員

1 里親支援専門相談員
里親支援を行う専門職なので違います。

2 児童自立支援専門員
児童自立支援施設で生活指導などを行います。

3 家庭支援専門相談員
これが正解です。

4 主任児童委員
民生委員が兼務する児童委員の中から厚生労働大臣が指名します。

5 家庭相談員
福祉事務所内にある家庭児童相談室で、児童を育てている親に助言や指導を行います。

第30回 問題136

幼保連携型認定こども園に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 児童福祉法に規定する保育所の一類型として位置づけられている。
2 保育教諭及び社会福祉士を置かなければならない。
3 満3歳未満の保育を必要とする子どもは、入園の対象から除外されている。
4 設置主体にかかわらず、保育料は市町村が徴収する。
5 学校及び児童福祉施設として位置づけられている。

1 児童福祉法に規定する保育所の一類型として位置づけられている。
保育所の一類型ではありません。

2 保育教諭及び社会福祉士を置かなければならない。
園長および保育教諭を置かねばなりませんが社会福祉士は必置ではありません。

社会福祉士が必置なのは地域包括支援センターだけです。

なお保育教諭は職名であって、幼稚園教諭免許状と保育士資格の両方を有している必要があります。

3 満3歳未満の保育を必要とする子どもは、入園の対象から除外されている。
間違いです。
入園資格は「満3歳以上の子ども及び満3歳未満の保育を必要とする子ども」です。

4 設置主体にかかわらず、保育料は市町村が徴収する。
幼保連携型こども園の設置主体は、国、地方公共団体、学校法人、社会福祉法人が原則で、保育料は園が保護者から徴収します。
なので間違いです。

5 学校及び児童福祉施設として位置づけられている。
そのとおりです。

第29回 問題136

子ども・子育て支援法に規定されていることとして、正しいものを1つ選びなさい。
1 子ども・子育て支援給付の総合的・計画的実施は都道府県の責務である。
2 一般事業主は一般事業主行動計画を策定しなければならない。
3 病児保育事業は地域型保育事業の一つである。
4 子ども・子育て会議は厚生労働省に置く。
5 子どものための教育・保育給付は小学校就学前子どもの保護者に対して行う。

1 子ども・子育て支援給付の総合的・計画的実施は都道府県の責務である。
子ども子育て支援法関連の給付は「市町村」です。
通所サービスしかないからです。

2 一般事業主は一般事業主行動計画を策定しなければならない。
一般事業主行動計画は「次世代育成支援対策推進法」に規定されています。

3 病児保育事業は地域型保育事業の一つである。
病児保育は、地域子ども子育て支援事業の1つです。

4 子ども・子育て会議は厚生労働省に置く。
厚生労働省ではなく内閣府です。
子ども子育て支援法の管轄は内閣府です。

5 子どものための教育・保育給付は小学校就学前子どもの保護者に対して行う。
その通りです。

第29回 問題140

母子及び父子並びに寡婦福祉法に規定されていることとして、正しいものを1つ選びなさい。
1 母子生活支援施設
2 母子福祉資金
3 養育支援訪問事業
4 児童扶養手当
5 婦人相談所

1 母子生活支援施設
これは間違いやすいから頻出です。
母子生活支援施設は児童福祉法に規定されています。

2 母子福祉資金
これが正解です。
母子家庭などに資金を貸し出す制度です。

3 養育支援訪問事業
児童福祉法に規定されているので間違いです。

4 児童扶養手当
児童扶養手当は児童扶養手当法に規定されています。

5 婦人相談所
婦人相談所は売春防止法に規定されています。

第30回 問題139

母子生活支援施設に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 父子家庭も入所の対象とすることができる。
2 入所する児童は、15歳に満たない者とされている。
3 母子室は、4世帯につき1室以上が設備基準とされている。
4 施設長は、入所中の個々の母子について、自立支援計画を立てなければならない。
5 家庭支援専門相談員を置かなければならない。

1 父子家庭も入所の対象とすることができる。
父子家庭の利用はできません。

2 入所する児童は、15歳に満たない者とされている。
18歳未満が対象です。
18歳を超えても必要があると認められる場合は、20歳まで延長可能です。

3 母子室は、4世帯につき1室以上が設備基準とされている。
1世帯につき1室が基準です。

4 施設長は、入所中の個々の母子について、自立支援計画を立てなければならない。
正しいです。

5 家庭支援専門相談員を置かなければならない。
間違いです。
家庭支援専門相談員が必置の施設は、児童養護施設、乳児院、児童心理治療施設、児童自立支援施設の4つです。

「虐待防止法」対象は高齢者と障害者と児童に限定
日本の福祉は「高齢者」「障害者」「児童」の3者を中心に発展してきました。この3者は社会的弱者として認知されているからです。ですので虐待の概念もこの3者にしかありません。例えば親が児童を殴れば児童虐待、施設職員が高齢...

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