【障害者スポーツ】パラリンピック、デフリンピック、アビリンピック、スペシャルオリンピックス

障害者スポーツの祭典はパラリンピックだけではありません。

3障害それぞれ対象となっている大会があります。

見ていきましょう。

障害者スポーツ大会
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パラリンピック

パラリンピック(Paralympic)は身体障害者が対象というイメージの人が多いかもしれませんが、一部の種目では知的障害者も対象です。

精神障害者は対象ではありません。

身体障害者の中でも主たる対象は「肢体不自由」です。

一部視覚障害者も対象ですが、聴覚障害者は対象ではありません。

パラリンピックの種目と対象
カリスマくん
カリスマくん

2000年シドニー大会の男子バスケットボールで、障害のないスペインの選手が知的障害者と偽って出場し優勝し、これを機にパラリンピックの全競技から知的障害者の参加枠がなくなってしまったんだ。2012年のロンドン大会から知的障害者の参加が再び認められているよ。

パラリンピックの始まりは、イギリスの病院での脊髄損傷者が参加する競技会の開催でした。

イギリスで、病院の院長を務めていたルードビィヒ・グットマン博士は、脊髄を損傷した患者にスポーツを勧め、1948年には病院で入院患者によるスポーツ競技会を開きます。

その競技会は4年後には国際的な両下肢麻痺者によるスポーツ競技大会へと発展しました。

これがパラリンピックのはじまりです。

パラリンピック(Paralympic)という名称は両下肢麻痺者(対麻痺者:Paraplegia)によるオリンピック(Olympic)という意味で、1964年の東京大会から使われている呼び方です。

カリスマくん
カリスマくん

両下肢麻痺のことを対麻痺というんだったね。

しかし現在では両下肢麻痺者以外も出場できるので、パラプレジア(対麻痺)ではなく「パラレル(並行)」のパラになっています。

つまりオリンピックと並行して開催される大会という意味です。

カリスマくん
カリスマくん

うまいこと言い換えたな。

スペシャルオリンピックス

スペシャルオリンピックス(Special Olympics)は、知的障害者を対象として、様々なスポーツトレーニングとその成果の発表の場である競技会を開催するものです。

オリンピックと同じように4年に1度、夏季と冬季に実施されます。

カリスマくん
カリスマくん

スペシャルオリンピック「ス」と名称が複数形なのは、日常のトレーニングから世界大会にいたるまで、いつでもどこかで活動が行われているからだよ。

デフリンピック

デフリンピック(Deaflympics)は、聴覚障害者を対象として実施されるスポーツ競技会です。

オリンピックと同じように4年に1度、夏季と冬季に実施されます。

カリスマくん
カリスマくん

デフ(deaf)は「耳の聞こえない」という意味だね。

2025年には東京開催が決まりました。

デフリンピック

アビリンピック

アビリンピック(Abilympics)は、「アビリティ(技能)」と「オリンピック」を組み合わせた造語です。

障害者が様々な職業的技能を競う大会で、国内では「全国障害者技能競技大会」の名称で開催されています。

障害者手帳所持者であれば参加できますので、身体、知的、精神の3障害全ての人が出場できます。

種目としては「木工」「縫製」「パソコンデータ入力」「喫茶サービス」「ビルクリーニング」等があります。

国際アビリンピックは、1981年の国際障害者年に第1回大会が開催されました。

カリスマくん
カリスマくん

国際障害者年のテーマは「完全参加と平等」だったね。

以下のように、法定雇用率算定対象の変遷と、アビリンピックの参加対象の変遷が対応しています。

1960年:障害者法定雇用率が企業への努力義務
1972年:全国障害者技能競技大会 By 雇用促進事業団中央技能開発センター
1976年:身体障害者雇用促進法(現障害者雇用促進法)改正→身体障害者の雇用義務化「全国身体障害者技能競技大会」
1981年:国際障害者年 第1回国際アビリンピック@東京(概ね4年ごとに開催)
1987年:身体障害者雇用促進法が障害者雇用促進法
1997年:障害者雇用促進法改正→知的障害者が法定雇用率の算定対象「全国障害者技能競技大会」知的障害者が参加可
2006年:障害者雇用促進法改正→精神障害者が法定雇用率の算定対象
「全国障害者技能競技大会」精神障害者が参加可

2018年:障害者雇用促進法改正→精神障害者の雇用義務化

法定雇用率の変遷とアビリンピック

ゆうあいピック

ゆうあいピックとは、1992年から知的障害者を対象に実施されてきた「全国知的障害者スポーツ大会」の愛称です。

この「全国知的障害者スポーツ大会」と1965年から身体障害者を対象として行われてきた「全国身体障害者スポーツ大会」が統合されて「全国障害者スポーツ大会」となり、2001年以降は国民体育大会の終了後に同じ開催地で行われています。

「全国知的障害者スポーツ大会(ゆうあいピック)」+「全国身体障害者スポーツ大会」=「全国障害者スポーツ大会」

フェスピック競技大会

フェスピック競技大会は、身体障害者を対象に実施されてきた「極東・南太平洋身体障害者スポーツ大会」のことで、2006年の第9回大会の後はアジアパラリンピックに引き継がれています。

まとめ

各大会の対象者を把握しておきましょう。

障害者スポーツ

過去問

第30回 問題56

障害者スポーツに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 スペシャルオリンピックスは、オリンピックの直後に当該開催地で行われる。
2 パラリンピックは、イギリスの病院での脊髄損傷者が参加する競技会の開催がきっかけとなった。
3 デフリンピックは、知的障害者による国際スポーツ大会として誕生した。
4 ゆうあいピックは、全国障害者スポーツ大会から独立して誕生した。
5 フェスピック競技大会は、発達障害者を対象に展開された。

1 スペシャルオリンピックスは、オリンピックの直後に当該開催地で行われる。
間違いです。これはパラリンピックです。

2 パラリンピックは、イギリスの病院での脊髄損傷者が参加する競技会の開催がきっかけとなった。
これが正解です。

3 デフリンピックは、知的障害者による国際スポーツ大会として誕生した。
間違いです。デフリンピックは知的障害者ではなく聴覚障害者が対象です。

4 ゆうあいピックは、全国障害者スポーツ大会から独立して誕生した。
間違いです。全国知的障害者スポーツ大会であったゆうあいピックは、全国身体障害者スポーツ大会と統合され、全国障害者スポーツ大会となりました。

5 フェスピック競技大会は、発達障害者を対象に展開された。
間違いです。フェスピック競技大会は発達障害者ではなく身体障害者が対象です。

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