【社会福祉協議会ってなに?】 1万円札の渋沢栄一が初代会長

社会福祉協議会って何!?

全国いたるところにある社会福祉協議会って何をしているところなのでしょう。

市町村や都道府県、政令指定都市には区ごとにそれぞれあって、こんなにもたくさんで何をしているのか、何のために存在するのか・・・。

公的機関っぽいし、民間のようでもあるし・・・。

それを知るために、まずはその歴史を紐解いていきましょう。

社会福祉協議会の歴史

1908年「中央慈善協会」設立

全国社会福祉協議会は、1908年10月に中央慈善協会として誕生しました。

一万円札の肖像になっている渋沢栄一が設立し初代会長に就任しています。

中央慈善協会と慈善組織協会を間違えないでね。
慈善組織協会はCOSだよ。

渋沢栄一は「日本資本主義の父」と呼ばれ、500社以上の会社を設立したり、 日本初の銀行である第一国立銀行を設立したり、大蔵省でも重要なポストに身を置いていたり、だから1万円札の肖像になったのですが、彼は実業界での活躍だけでなく、教育や社会福祉事業にも尽力しました。

中央慈善協会、日本赤十字社、聖路加国際病院、日本女子大学、理化学研究所の設立に貢献しています。

この中央慈善協会は1921年に社会事業協会に改称され、1922年には財団法人中央社会事業協会に組織変更されています。

渋沢栄一は石井亮一が作った日本初の知的障害者の福祉施設である「滝乃川学園」の創設にも尽力した人です。石井亮一は日本知的障害者福祉協会の初代会長です。

カリスマ社会福祉士
カリスマ社会福祉士

渋沢栄一は、岡山4聖人の石井十次留岡幸助、山室軍平とも交流があるニャ。

渋沢栄一と留岡幸助

1947年「日本社会事業協会」結成 

全日本私設社会事業連盟と合併し日本社会事業協会となっています。

1951年「財団法人中央社会福祉協議会」設立

1951年「社会福祉事業法」制定

1951年「都道府県社会福祉協議会」法定化

戦後の厳しい時期に、GHQ(占領軍総司令部)は民間の福祉組織の創設を求め、社会福祉に関する協議会の設置を指示します。

国は中央と都道府県と市町村が一貫して社会事業の各分野を包括するような機関の設立を目指しました。

そこで厚生省が当時の「日本社会事業協会」「全日本民生委員連盟」「同胞援護会」と分散していた3つの民間の福祉事業団体を一元化し「中央社会福祉協議会」を設立します。

同年に社会福祉事業法が制定され、法定組織として承認されます。

この中央社会福祉協議会が1955年に「全国社会福祉協議会」と改称されます。

社会福祉協議会はGHQの提言がもとになっているんですね。

全社協は民生委員連盟を取り込んでいるので現在でも民生委員との連携協力は社会福祉協議会として重要なのです。

この年に制定された社会福祉事業法の中で「都道府県社会福祉協議会」も法定化されました。

1953年「社会福祉協議会読本」牧賢一

牧賢一は社会福祉協議会創設期から指導者として貢献しました。

1962年「社会福祉協議会基本要項」

住民主体の原則、社会福祉協議会の機能はコミュニティオーガニゼーションの方法を地域社会に適用すること、住民に対する直接サービスを行うことを原則として避けるべきとされました。

1983年「市町村社会福祉協議会」法定化

社会福祉事業法改正により「市町村社会福祉協議会」が法定化されました。

1990年「地区社会福祉協議会(指定都市の区の社協)」法定化

2000年 社会福祉法制定

社会福祉事業法が社会福祉法に改められます。

社会福祉協議会はこの社会福祉法の規定をもとに運営されます。

まとめ

このように1908年に設立された中央慈善協会に始まり、合併や改称を繰り返し、1951年にできた中央社会福祉協議会をもとに1955年に全社協ができていることが分かります。

また、1951年の社会福祉事業法の制定により都道府県社協1983年の同法改正により市町村社協が法定化されたこと、2000年に社会福祉事業法は社会福祉法となって、社会福祉協議会の根拠法が現在の社会福祉法になっていることなどを押さえておきましょう。

都道府県(指定都市)社会福祉協議会

1951年の社会福祉事業法で規定された都道府県社会福祉協議会ですが、その主な事業として以下の4つを覚えてください。

・運営適正化委員会の設置
・日常生活自立支援事業の実施
・日常生活自立支援事業契約締結審査会の設置
・生活福祉資金貸付制度

運営適正化委員会

福祉サービスへの苦情がある場合は、この運営適正化委員会に申立てます。
苦情を受けた運営適正化委員会は苦情解決のための「あっせん」を行います。
国保連のように、事業者に対して指導するような強い権限はありません。

日常生活自立支援事業

日常生活自立支援事業は認知症高齢者や知的障害者など、判断能力の乏しい人に対して福祉サービスの利用援助を実施する事業です。
成年後見制度と合わせて日常生活自立支援事業は、「意思決定支援」のための重要な事業です。
有料で利用できます。

生活福祉資金貸付制度

社会福祉法の第二条に、「生計困難者に対して無利子又は低利で資金を融通する事業」が規定されており、この生活福祉資金貸付制度のことです。

コロナ禍でこの貸付制度は注目されましたね。

生活福祉資金貸付制度は、なんと、第一種社会福祉事業です。

高齢世帯、障がい世帯、低所得者世帯の3類型に対して、総合支援金、福祉資金、教育支援資金、不動産担保型生活資金の4種類を貸付ける制度で、連帯保証人を立てれば無利子ですが、立てなければ有利子です。

償還期限までに返済されなければ延滞利子を加算して返さなければなりませんが、償還期間中に災害等で返済が困難になった場合は、返済が猶予されることがあります。

市町村社会福祉協議会

市町村社会福祉協議会は都道府県社会福祉協議会のように覚えるべき事業はありません。

都道府県が実施している日常生活自立支援事業の窓口をやったり、高齢者や障害者のホームヘルプサービスを行ったり、その地域に合った事業を展開しています。

市町村社協の収入で最も割合が高いのは介護保険収入です。

市町村社会福祉協議会はその区域内における社会福祉事業または更生保護事業を経営する者の過半数が参加する要件があります。

過半数でなければ2つ以上できてしまいますから。

地域福祉活動計画

地域福祉活動計画と地域福祉計画は全く違うものです。

地域福祉計画は社会福祉法に規定され、地域福祉や地域移行が叫ばれる中、その重要性が高まっています。

しかし地域福祉活動計画は、根拠法はなく、地域の住民や各種団体が主体的に参加して策定する民間の行動計画です。

地域福祉計画と地域福祉活動計画は違うので、しっかり区別して覚えましょう。地域福祉計画は市町村や都道府県が策定し、地域福祉活動計画は社会福祉協議会が策定します。

過去問

第30回 問題32

社会福祉協議会の歴史に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 1951年(昭和26年)に、現在の全国社会福祉協議会の前身となる中央慈善協会が設立された。
2 1962年(昭和37年)に、全国社会福祉協議会は「社会福祉協議会基本要項」の中で、社会福祉協議会の基本的機能はコミュニティ・オーガニゼーションの方法を地域社会に適用することであるとした。
3 1979年(昭和54年)に、全国社会福祉協議会は「在宅福祉サービスの戦略」の中で、ボランティアが行政サービスを代替すべきであると提言した。
4  1983年(昭和58年)に、都道府県社会福祉協議会による事業が拡大する中で、都道府県社会福祉協議会が法的に位置づけられた。
5 1992年(平成4年)に、全国社会福祉協議会は「新・社会福祉協議会基本要項」の中で、「住民主体の原則」を始めて明文化した。

1 1951年(昭和26年)に、現在の全国社会福祉協議会の前身となる中央慈善協会が設立された。
中央慈善協会が設立されたのは1908年です。
1951年は中央社会福祉協議会が設立され、その後同年に社会福祉事業法の成立によって組織として承認されます。

2 1962年(昭和37年)に、全国社会福祉協議会は「社会福祉協議会基本要項」の中で、社会福祉協議会の基本的機能はコミュニティ・オーガニゼーションの方法を地域社会に適用することであるとした。
これが正解です。

3 1979年(昭和54年)に、全国社会福祉協議会は「在宅福祉サービスの戦略」の中で、ボランティアが行政サービスを代替すべきであると提言した。
これは間違いです。
「在宅福祉サービスの戦略」では、在宅福祉サービスを公私が連携して充足する方策が示されています。
専門職の行う専門的ケア・サービスと非専門職やボランティアなどが行う在宅ケア・サービスという供給体制における公私の役割りに言及しています。

4  1983年(昭和58年)に、都道府県社会福祉協議会による事業が拡大する中で、都道府県社会福祉協議会が法的に位置づけられた。
1983年に社会福祉事業法が改正され、市町村社会福祉協議会が法定化されました。
都道府県社会福祉協議会は1951年の社会福祉事業法の制定時に、中央社会福祉協議会とともに法定化されています。

5 1992年(平成4年)に、全国社会福祉協議会は「新・社会福祉協議会基本要項」の中で、「住民主体の原則」を始めて明文化した。
「住民主体の原則」は1962年の「社会福祉協議会基本要項」で示されていますので間違いです。

第31回 問題35

社会福祉法に規定されている社会福祉協議会の活動などに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 市町村社会福祉協議会は、市町村地域福祉計画と一体となった地域福祉活動計画を策定することとされている。
2 市町村社会福祉協議会は、区域内における社会福祉事業又は社会福祉に関する活動を行う者の過半数が参加するものとされている。
3 市町村社会福祉協議会は、主要な財源確保として共同募金事業を行っている。
4 市町村社会福祉協議会は、「社会福祉事業」よりも広い範囲の事業である社会福祉を目的とする事業に関する企画及び実施を行う。
5 都道府県社会福祉協議会は、広域的見地から市町村社会福祉協議会を監督する。

1 市町村社会福祉協議会は、市町村地域福祉計画と一体となった地域福祉活動計画を策定することとされている。
地域福祉活動計画は市町村社協が中心となって策定しますが、社会福祉法に規定されていません。
社会福祉法に規定されているのは市町村地域福祉計画です。

2 市町村社会福祉協議会は、区域内における社会福祉事業又は社会福祉に関する活動を行う者の過半数が参加するものとされている。
社会福祉法には「その区域内における社会福祉を目的とする事業を経営する者及び社会福祉に関する活動を行う者」の市町村社協への参加が記載されていますが、過半数が参加するものとは規定されていません。
ややこしいですが、「その区域内における社会福祉事業又は更生保護事業を経営する者の過半数」が参加するものと規定されていますので合わせて覚えておきましょう。
あいまいに記憶しているとこの選択肢を正解に選んでしまいそうです。

3 市町村社会福祉協議会は、主要な財源確保として共同募金事業を行っている。
市町村社協の財源は、会費、寄付金、共同募金からの分配金、市町村からの補助金、介護保険事業による収入などです。
共同募金事業を行えるのは「共同募金会」だけですので間違いです。

4 市町村社会福祉協議会は、「社会福祉事業」よりも広い範囲の事業である社会福祉を目的とする事業に関する企画及び実施を行う。
「社会福祉を目的とする事業」は市町村社協がその企画及び実施を行うこととされているので正しいです。

5 都道府県社会福祉協議会は、広域的見地から市町村社会福祉協議会を監督する。
都道府県社協と市町村社協は相互の連絡や調整は行いますが、監督したりされたりする関係ではありません。

第32回 問題37

市町村社会福祉協議会に関して、社会福祉法に規定されている次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 福祉サービスの苦情を解決するための運営適正化委員会を設置する。
2 生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)を配置し、制度では対応できないニーズに対応する。
3 役員の総数の3分の1を関係行政庁の職員で構成しなければならない。
4 第一種社会福祉事業の経営に関する指導及び助言を行う。
5 市町村の区域内における社会福祉事業又は更生保護事業を経営する者の過半数が参加する。

1 福祉サービスの苦情を解決するための運営適正化委員会を設置する。
運営適正化委員会は「都道府県社会福祉協議会」に設置されます。

2 生活支援コーディネーター(地域支え合い推進員)を配置し、制度では対応できないニーズに対応する。
生活支援コーディネーターは自治体の福祉関係の部署などに配置されますが、市町村社会福祉協議会に配置する規定はありません。

3 役員の総数の3分の1を関係行政庁の職員で構成しなければならない。
そんなことはありません。

4 第一種社会福祉事業の経営に関する指導及び助言を行う。
第一種社会福祉事業の運営には厳格な基準がありますので、市町村社協ごときが指導や助言できるようなものではありません。

5 市町村の区域内における社会福祉事業又は更生保護事業を経営する者の過半数が参加する。
これが正解です。

第26回 問題69

生活福祉資金貸付制度に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 生活福祉資金の借入れの申込みは民生委員を介して行わなければならない。
2 生活福祉資金の貸付金を償還期限までに返却しなかった場合、延滞利子を付して返済しなければならない。
3 連帯保証人を立てないと生活福祉資金の貸付を受けることができない。
4 生活福祉資金は重複貸付が禁止されているため、総合支援資金の貸付を受けた場合、教育支援資金の貸付を受けることはできない。
5 生活福祉資金の借入れの申込み先は福祉事務所である。

1 生活福祉資金の借入れの申込みは民生委員を介して行わなければならない。
間違いです。生活福祉資金貸付制度の実施主体は都道府県社会福祉協議会です。民生委員は関係ありません。

2 生活福祉資金の貸付金を償還期限までに返却しなかった場合、延滞利子を付して返済しなければならない。
これが正解です。10%以上の延滞利子が遅延損害金として加算されます。

3 連帯保証人を立てないと生活福祉資金の貸付を受けることができない。
間違いです。連帯保証人を立てれば無利子、立てなければ有利子になります。

4 生活福祉資金は重複貸付が禁止されているため、総合支援資金の貸付を受けた場合、教育支援資金の貸付を受けることはできない。
間違いです。重複可能です。

5 生活福祉資金の借入れの申込み先は福祉事務所である。
間違いです。申込み先は都道府県社会福祉協議会です。窓口は市町村社会福祉協議会です。

第33回 問題69 

生活福祉資金貸付制度に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 借入れの申込先は、福祉事務所である。
2 借入れの申込みは、民生委員を介して行わなければならない。
3 資金貸付けと併せて必要な相談支援を受ける。
4 償還の猶予はできない。
5 総合支援資金は、連帯保証人を立てないと貸付けを受けることができない。

前の問題とほぼ同じです。このように過去問とほぼ同じ問題が出題されることもあるのです。

1 借入れの申込先は、福祉事務所である。
間違いです。実施主体は都道府県社会福祉協議会、窓口は市町村社会福祉協議会です。

2 借入れの申込みは、民生委員を介して行わなければならない。
間違いです。民生委員は関係ありません。

3 資金貸付けと併せて必要な相談支援を受ける。
これが正解です。

4 償還の猶予はできない。
間違いです。償還期間中に災害等で返済が困難になった場合は返済が猶予されることがあります。

5 総合支援資金は、連帯保証人を立てないと貸付けを受けることができない。
間違いです。連帯保証人を立てれば無利子、立てなければ有利子です。

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