「第一種・第二種社会福祉事業」の覚え方

社会福祉法に規定されている第一種社会福祉事業と第二種社会福祉事業の覚え方を紹介します。

それぞれに規定されている具体的な事業から、その大きな違いを押さえましょう。

第一種社会福祉事業

経営主体

第一種社会福祉事業は、主に入所系施設(特養、障害者支援施設、児童養護施設など)です。

入所施設は、経営主体がつぶれても簡単にやめられないので、安定的に経営できるよう、原則として、国、地方公共団体、社会福祉法人しか経営できません。

第一種社会福祉事業を経営するときは、都道府県知事等に「届出」が必要です。

国、地方公共団体、社会福祉法人以外が経営しようとするときは、都道府県知事等の「許可」が必要になります。

ただし、特に以下の3施設の経営は(個別法により)国、地方公共団体、社会福祉法人に限定されています。

・特別養護老人ホーム
・養護老人ホーム
・保護施設

保護施設というのは、生活保護法で規定される「救護施設」「更生施設」「医療保護施設」「授産施設」「宿所提供施設」などですね。

第一種社会福祉事業リスト

生活保護法

救護施設
更生施設
・医療保護施設
宿所提供施設
・授産施設
・生計困難者に対して助葬を行う事業

児童福祉法

児童養護施設
乳児院
母子生活支援施設
障害児入所施設
・情緒障害児短期治療施設
児童自立支援施設

老人福祉法

養護老人ホーム
特別養護老人ホーム
軽費老人ホーム

障害者総合支援法

障害者支援施設

売春防止法

・婦人保護施設

その他

・生計困難者に対して無利子または低利で資金を融通する事業(生活福祉資金貸付制度)
共同募金

共同募金だけ第一種社会福祉事業として異例な感じがするので、ひっかけ問題として「共同募金は第二種社会福祉事業」などと出題されたりします。要注意です。
共同募金を実施するのは「共同募金会」ですが、これも社会福祉法人なので、経営主体の原則から外れてはいません。

「生計困難者に対して無利子または低利で資金を融通する事業」は、コロナ禍で注目されました。都道府県社会福祉協議会が実施する「生活福祉資金貸付制度」のことです。これも第一種社会福祉事業です。

第二種社会福祉事業

経営主体

第二種社会福祉事業は通所系事業が多く、経営主体がつぶれても他に代わりがきくので、経営主体に制限はありません。

株式会社やNPO法人でも経営できます。

第二種社会福祉事業リスト

児童福祉法

障害児通所支援事業
障害児相談支援事業
・児童自立生活援助事業
・放課後児童健全育成事業
子育て短期支援事業
乳児家庭全戸訪問事業
養育支援訪問事業
地域子育て支援拠点事業
一時預かり事業
小規模住居型児童養育事業(ファミリーホーム)
・小規模保育事業
病児保育事業
・子育て援助活動支援事業
助産施設
保育所
児童厚生施設
児童家庭支援センター
・児童の福祉の増進について相談に応ずる事業

就学前の子どもに関する教育、保育等の総合的な提供の推進に関する法律(認定こども園法)

幼保連携型認定こども園

母子及び父子並びに寡婦福祉法

・母子家庭日常生活支援事業
・父子家庭日常生活支援事業
・寡婦日常生活支援事業
・母子・父子福祉施設を経営する事業

老人福祉法

・老人居宅介護等事業
・老人デイサービス事業
・老人短期入所事業
・小規模多機能型居宅介護事業
・認知症対応型老人共同生活援助事業
・複合型サービス福祉事業
・老人デイサービスセンター
・老人短期入所施設
・老人福祉センター
・老人介護支援センター

障害者総合支援法

障害福祉サービス事業
一般相談支援事業
特定相談支援事業
移動支援事業
・地域活動支援センター
・福祉ホーム

身体障害者福祉法

・身体障害者生活訓練等事業
・手話通訳事業
・介助犬訓練事業
・聴導犬訓練事業
・身体障害者福祉センター
・補装具製作施設
・盲導犬訓練施設
・視聴覚障害者情報提供施設
・身体障害者の更生相談に応ずる事業

知的障害者福祉法

・知的障害者の更生相談に応ずる事業

生活困窮者自立支援法

生活困窮者就労訓練事業

その他

・生計困難者のために、無料または低額な料金で、簡易住宅を貸し付け、又は宿泊所そ
の他の施設を利用させる事業
・生計困難者のために、無料または低額な料金で、診療を行う事業
・生計困難者に対して、無料又は低額な費用で介護保険法に規定する介護老人保健施
設を利用させる事業
隣保事業
福祉サービス利用援助事業
・第1種社会福祉事業及び第2種社会福祉事業の事業に関する連絡又は助成を行う事業

まとめ

第一種社会福祉事業のほとんどは入所施設であり、安定的に継続して事業運営できるよう、行政および社会福祉法人が原則運営することになっています。
第一種社会福祉事業は入所系事業以外では、生活福祉資金貸付制度や共同募金がありますので、覚えておきましょう。
第二種社会福祉事業は通所系事業が多いため、実施主体に制限はなく株式会社やNPO法人なども実施できます。

過去問

第32回 問題22

社会福祉法の内容に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 福祉サービス利用援助事業は、第一種社会福祉事業である。
2 市町村は、地方社会福祉審議会を設置しなければならない。
3 市町村は、社会福祉事業等に従事する者の確保に関する基本指針を定めなければならない。
4 都道府県は、都道府県地域福祉支援計画を策定しなければならない。
5 共同募金は、都道府県を単位として毎年1回実施される。

1 福祉サービス利用援助事業は、第一種社会福祉事業である。
福祉サービス利用援助事業は、第二種社会福祉事業です
2 市町村は、地方社会福祉審議会を設置しなければならない。
間違いです。
社会福祉法によると、地方社会福祉審議会は都道府県および地方自治法で定められた指定都市・中核市に置かれるものとされています。
3 市町村は、社会福祉事業等に従事する者の確保に関する基本指針を定めなければならない。
間違いです。これは市町村ではなく厚生労働大臣の仕事です。基本指針なので。
4 都道府県は、都道府県地域福祉支援計画を策定しなければならない。
間違いです。義務ではなく努力義務です。
5 共同募金は、都道府県を単位として毎年1回実施される。
これが正解です。
共同募金は第一種社会福祉事業です。

保育士試験 平成30年[前期]問12

次のうち、「社会福祉法」に規定される第一種社会福祉事業として正しいものを○、誤ったものを×とした場合の正しい組み合わせを一つ選びなさい。
A 乳児院を経営する事業
B 児童厚生施設を経営する事業
C 母子生活支援施設を経営する事業
D 障害児通所支援事業
E 障害児入所施設を経営する事業

入所系は第一種、通所系は第二種と覚えていれば解けます。

第一種社会福祉事業:A、C、E
第二種社会福祉事業:B、D

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次は、異端の第一種社会福祉事業である共同募金です。

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