【コミュニティワーク】コミュニティオーガニゼーションって何?

ソーシャルワークの三大技術
・ケースワーク
・グループワーク
・コミュニティワーク

の中で、コミュニティワークの源流になっているのがコミュニティオーガニゼーションです。

コミュニティワークやその原点であるコミュニティオーガニゼーションは地域福祉の基本です。

ソーシャルワークの分類

コミュニティオーガニゼーションとは

コミュニティオーガニゼーションは地域組織化活動とも呼ばれ、文字通り、地域の問題解決に向けて地域住民を組織化する間接援助技術のことです。

コミュニティオーガニゼーションの起源

コミュニティオーガニゼーションの起源は、慈善組織協会COSセツルメント運動とされています。

慈善組織協会COS

1834年にイギリスで制定された新救貧法は貧困者の公的救済制度でしたが基準が厳しく、新救貧法で救われない人々のために民間で様々な慈善事業が行われていました。

無秩序に行われるようになった慈善事業を組織化するために1898年に慈善組織協会COSが設立されました。

この慈善組織協会によって、公立や民間の慈善事業の管理が統一され、組織体制が整えられていきました。

これがコミュニティオーガニゼーション(地域組織化活動)の原点です。

コミュニティオーガニゼーションの歴史

1910年代~慈善活動から派生した援助技術にコミュニティオーガニゼーションという名称が用いられ始めます。

1939年「ニード・資源調整説」by レイン報告

レイン報告の「ニード・資源調整説」では、コミュニティオーガニゼーションはニードと資源との調整を維持・促進するプロセスであると考えられました。

1947年「インターグループワーク」by ニューステッター

グループ間での調整を行うことによって各グループの協働や地域の組織化を進めることができるとしたもので、インターグループワーク論ではその方法が示されています。

1955年「地域組織化説」by M.ロス

「地域組織化説」では、問題解決そのものではなくプロセスを重視して行動を起こすことが重要であるとして、以下の5点が強調されています。

・コミュニティ自らによるニーズ発見
・コミュニティから生まれた計画
・コミュニティの能力増強
・改革への意欲
・計画立案へのコミュニティの参加

1968年「コミュニティオーガニゼーション3モデル」by J.ロスマン

コミュニティオーガニゼーションといえば、「地域組織化説」を唱えたロスと、このロスマンが有名です。ロスマンはコミュニティオーガニゼーションを3つのモデルに分けました。

<ロスマンの3モデル>
・小地域開発モデル
・社会計画モデル
・ソーシャルアクションモデル

小地域開発モデル

小地域開発モデルは、地域住民が参加して地域社会を組織化することで地域の課題を解決するモデルです。

社会計画モデル

社会計画モデルは、行政府などの公的な機関や専門職が地域の問題について情報を収集・分析し、合理的な取り組み方を決めて実施するモデルです。

ソーシャルアクションモデル

地域の中で不利な立場にある人たちが、自らの問題点を解決するためのモデルです。

ソーシャルアクションとコミュニティオーガニゼーション

ソーシャルアクションは、社会福祉制度の創設や制度運営の改善を目指し、世論に働きかける活動です。

ソーシャルアクションには代弁的機能と組織化機能が求められます。

代弁的機能はアドボカシーのこと、そして「組織化機能」がまさにこのコミュニティオーガニゼーションのことです。

このように、コミュニティオーガニゼーション、ソーシャルアクション、アドボカシーの3つは相互に関係し合っていることが分かります。

ソーシャルアクション、アドボカシー、コミュニティオーガニゼーション

過去問

第29回 問題112

社会資源の開発に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ケースアドボカシーとは、クライエントと同じ状況に置かれている人たちの権利を守るために、新しい資源を開発しようとすることである。
2 小地域開発とは、社会福祉の制度やサービスの創設・改善・維持を目指す活動である。
3 ソーシャルアクションとは、地域の問題について、専門家を入れずに住民がグループでの取組を通して問題解決を図れるようにするものである。
4 コーズアドボカシーとは、一人のクライエントの利益と安定した生活をまもるための働きである。
5 社会計画とは、公的な機関や専門職が地域の問題について情報を収集・分析し、合理的な取り組み方を決めて実施することである。

1 ケースアドボカシーとは、クライエントと同じ状況に置かれている人たちの権利を守るために、新しい資源を開発しようとすることである。
これはコ―ズアドボカシーの説明ですので間違いです。
ケースアドボカシーはクライエント一人ひとりの権利を守るものです。

2 小地域開発とは、社会福祉の制度やサービスの創設・改善・維持を目指す活動である。
これはソーシャルアクションの説明なので間違いです。
小地域開発とは、住民の自助や住民同士の助け合いの促進と地域社会にあるさまざまなグループの統合化を目指す活動です。

3 ソーシャルアクションとは、地域の問題について、専門家を入れずに住民がグループでの取組を通して問題解決を図れるようにするものである。
ソーシャルアクションは専門家を交えて行うこともあります。

4 コーズアドボカシーとは、一人のクライエントの利益と安定した生活をまもるための働きである。
これはケースアドボカシーの説明ですので間違いです。

5 社会計画とは、公的な機関や専門職が地域の問題について情報を収集・分析し、合理的な取り組み方を決めて実施することである。
正しいです。社会計画は「公的機関や専門職」による計画です。

第26回 問題32

地域福祉にかかわる諸外国の動向や学説に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 ロスによればコミュニティ・オーガニゼーションとは、地域社会を構成するグループ間の協力と協働の関係を調整・促進することで地域社会の問題を解決していく過程であるとされている。
2 ヨーロッパにおける若者の労働問題に端を発したノーマライゼーションの思想は、失業や貧困を社会から排除される原因ととらえ、その解消を目指すものである。
3 イギリスのNHS及びコミュニティケア法では、地方自治体が必要なサービスを多様な供給主体から購入して、継ぎ目のないサービスを提供することを目標としていた。
4 地域全体の共助の仕組みやリーダーシップの醸成を促しても福祉ニーズの充足には至らないため、地域において福祉サービスの充実を図るコミュニティ・ビルディングというアプローチが注目されている。
5 グラノヴェッターは、人間関係のネットワークの分析を通じて、親密さや情緒的なつながりがある「強い紐帯」の方が、「弱い紐帯」よりもネットワーク間の橋渡しには有効であることを示した。

1 ロスによればコミュニティ・オーガニゼーションとは、地域社会を構成するグループ間の協力と協働の関係を調整・促進することで地域社会の問題を解決していく過程であるとされている。
これはニューステッターのインターグループワーク論の内容です。

2 ヨーロッパにおける若者の労働問題に端を発したノーマライゼーションの思想は、失業や貧困を社会から排除される原因ととらえ、その解消を目指すものである。
これはソーシャル・インクルージョン(社会的包摂)の内容です。
ノーマライゼーションの思想は「知的障害者にも普通の人と同じ生活を」というのが起源です。労働問題に端を発していません。

3 イギリスのNHS及びコミュニティケア法では、地方自治体が必要なサービスを多様な供給主体から購入して、継ぎ目のないサービスを提供することを目標としていた。
これが正解です。

4 地域全体の共助の仕組みやリーダーシップの醸成を促しても福祉ニーズの充足には至らないため、地域において福祉サービスの充実を図るコミュニティ・ビルディングというアプローチが注目されている。
間違いです。コミュニティ・ビルディングとは、福祉ニーズの充足を図るため、地域全体の共助の仕組みやリーダーシップの醸成を促して、地域において福祉サービスの充実を図るものです。

5 グラノヴェッターは、人間関係のネットワークの分析を通じて、親密さや情緒的なつながりがある「強い紐帯」の方が、「弱い紐帯」よりもネットワーク間の橋渡しには有効であることを示した。
間違いです。グラノヴェッターは、「弱い紐帯」の方が「強い紐帯」よりもネットワーク間の橋渡しには有効であることを示しました。

紐帯(ちゅうたい)は、二つのものを結びつけてつながりを持たせるものです。

第29回 問題35

ソーシャルアクションに関する次の記述のうち、適切なものを2つ選びなさい。
1 欧米におけるソーシャルアクションの源流は、1960年代のアメリカの福祉権活動とされている。
2 戦前の方面委員による救護法制定・実施の運動は、ソーシャルアクションの事例とされる。
3 ソーシャルアクションは、コミュニティオーガニゼーションと密接にかかわるソーシャルワークの方法である。
4 ソーシャルアクションは当事者の活動に限られ、福祉専門職は関わらないとされる。
5 ソーシャルアクションの展開過程には、住民の理解の促進及び世論形成は含まれない。

1 欧米におけるソーシャルアクションの源流は、1960年代のアメリカの福祉権活動とされている。
ソーシャルアクションの源流は、アメリカの社会改良運動やアダムスによるセツルメント運動とされています。

2 戦前の方面委員による救護法制定・実施の運動は、ソーシャルアクションの事例とされる。
正しいです。

3 ソーシャルアクションは、コミュニティオーガニゼーションと密接にかかわるソーシャルワークの方法である。
正しいです。

4 ソーシャルアクションは当事者の活動に限られ、福祉専門職は関わらないとされる。
ソーシャルアクションには福祉専門職も関わります。

5 ソーシャルアクションの展開過程には、住民の理解の促進及び世論形成は含まれない。
そんなことはありません。

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