【ドイツの福祉政策の歴史】始まりはエルバーフェルト制度

世界で最も早く社会保障制度が始まったドイツの歴史を学びましょう。

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1852年 エルバーフェルト制度

当時、ドイツのエルバーフェルト市では、市域を区分してボランティアの委員を配置し、貧困者への訪問調査や相談を行いました。

このエルバーフェルト制度はその後、ドイツ各地に普及していきました。

日本の民生委員制度の原型となった済世顧問制度方面委員制度は、このエルバーフェルト制度を参考に制定されています。

日本でも戦前にこのような民生委員制度の原型ができたように、ドイツでも福祉の始まりは民生委員制度の見本となったエルバーフェルト制度だったわけです。

イギリスでもCOSによる友愛訪問という同じような慈善事業がありましたね。

このように、居宅を訪問して相談に乗るという活動が福祉の始まりになっており、その大元がドイツのエルバーフェルト制度なのです。

1883年 疾病保険法

 ビスマルク政権によって制定された疾病保険法は、世界初の社会保険制度でした。

病気で働けない者に対して無料の治療と疾病手当てを支給しました。

1884年 災害保険法

世界初の労災保険でした。

カリスマくん
カリスマくん

ドイツの社会保障制度は進んでるね。介護保険制度の先駆け。

1889年 老齢・疾病保険法

70歳以上の労働者に老齢年金、労働能力を喪失した者に対する廃疾年金を支給する制度でした。

1919年 ワイマール共和国 建国

第一次世界大戦敗戦によりドイツ帝国が崩壊し、ワイマール共和国ができました。

当時、最も民主的と言われたワイマール憲法を持つ共和制国家でした。

1929年 世界恐慌

アメリカの「暗黒の木曜日」に端を発した世界恐慌によってドイツでも大量失業やハイパーインフレが深刻化しました。

これによって共和国政府に対する国民の不満が溜まっていきます。

1933年 ワイマール共和国 崩壊 

共和国政府への不満はナチ党のヒトラーを台頭させ、ワイマール共和国は事実上崩壊しました。

その後、ドイツのポーランド侵攻によりヨーロッパで第二次世界大戦が勃発し、ユダヤ人に対する迫害が過激化していきます。

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過去問

第31回 問題94

日本のソーシャルワークの発展に寄与した人物に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
2 竹内愛二は、著書『社會事業と方面委員制度』において、ドイツのエルバーフェルト制度を基に方面委員制度を考案した。

間違いです。竹内愛二ではなく小河滋次郎です。大阪府知事の林市蔵とともに方面委員制度を作りました。

第26回 問題33

地域福祉の発展過程に関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
5 民間の篤志家が個別的援助と社会測量を行う方面委員制度は、小河滋次郎がドイツのエルバーフェルト制度を参考に考案した制度とされている。

正しいです。

第35回 問題93

 19世紀中期から20世紀中期にかけてのソーシャルワークの形成過程に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 エルバーフェルト制度では、全市を細分化し、名誉職である救済委員を配置し、家庭訪問や調査、相談を通して貧民を減少させることを目指した。

正しいです。

次の記事

次は、福祉先進国のイギリスの歴史です。

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イギリスは最も早くから福祉政策が実施されてきたことからも国家試験では頻出です。 イギリスの福祉政策の変遷を、その意味をとらえながら覚えていきましょう。1601年 エリザベス救貧法このころはまだ産業革命以前ですが、貧...

コメント

  1. まなびすがり太郎 より:

    カリスマ社会福祉士様、いつもお世話になっております。
    本記事の選択肢が1点に絞られておりますのは故意でしょうか?
    エラーであればお伝えせねばとコメントしてしまいました。
    問題なければスルー・コメント削除でお願い致します。

    • カリスマ社会福祉士カリスマ社会福祉士 より:

      コメントありがとうございます。
      この記事に該当する選択肢のみを掲載しているため、選択肢が1つだけになっています。
      エラーではありませんので、ご安心ください。
      カリスマ社会福祉士

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