【グループワーク】「波長合わせ」の意味を誤解するな

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グループワークの起源

グループワークはその名の通りグループで話し合いながら、気持ちを吐き出したり、課題解決などを図ったり、グループ活動による利点を生かしたソーシャルワークで、その源流はセツルメントやYMCAです。

セツルメント運動

社会福祉分野でのグループワークの源流は、セツルメントです。

セツルメントはスラム街などの貧困地域に移住して支援するものでした。

その中で生活困窮者の教育と教養の向上に力を入れましたが、その時に用いられた手法がグループワークでした。

YMCA(Young Men Christian Association)

教育分野でのグループワークの起源がYMCAです。

YMCAは、1844年に青少年の精神を改善するという趣旨のもと12人の勤労青年によって生まれた団体です。

YMCAでは青少年に余暇をレクリエーションやクラブ活動に使うよう指導し生活改善を促しました。

セツルメントもYMCAもイギリス発祥です。

自助グループ(セルフヘルプグループ)

自助グループとは、交通事故被害者の会とか、薬物依存者の会のような、同じ境遇にいる人達の集まりです。

他にも、ひとり親の会、犯罪者遺族の会、不登校やひきこもりの会、同性愛者の会などなど、本人や家族が参加するグループです。

なので専門職からは独立した存在ですが、専門職の援助を必要とする場合と、当事者のみで専門職を排除する場合があります。

自助グループとはどんな集団かを知っていれば解ける優しい問題が出題されますので、自助グループの定義を覚えておきましょう。

自助グループはセルフヘルプグループとも呼ばれることも覚えておきましょう。

波長合わせ

「波長合わせ」とはメンバーがどのような思いや感情、期待や不安を持ってグループワークに臨むのかをワーカーがあらかじめ理解しておくことです。

それによって、あらかじめ予想される事例について予測しておきます。
波長合わせと聞くとメンバー同士の波長合わせというイメージがしますが、全く違うのでよく国家試験に出ます。

グループの凝集性

グループのメンバー同士のつながりや絆のことです。

凝集性が高いということは絆が深いということです。

グループワーク5人衆

G.コイル

グループワークの母」と呼ばれ、YWCAやセツルメントでの実践経験からグループワークを理論的に体系化しました。

G.コノプカ

コノプカは、グループワークの14の原則を示し、収容施設入所者、非行少年、情緒障害児に対する治療教育的​なグループワークを開拓しました。

<グループワーク14の原則>
グループ内での個別化
グループの個別化
メンバーの受容
ワーカーとメンバーの援助関係構築
メンバー間の協力関係促進
グループ過程の変更
参加の原則
問題解決過程へのメンバー自身の取り組み
葛藤解決の原則
経験の原則
制限の原則
プログラムの活用
継続的評価
グループワーカーの自己活用

グループワーク5人衆のうちコノプカだけ4文字なので、14原則の「4」とリンクさせて覚えてください。

R.D.ヴィンタ―

グループを手段として活用し、各メンバーの個別の目標達成のため積極的に介入する「治療モデル」を提唱しました。

W.シュワルツ

シュワルツは、ソーシャルワーカーの役割をメンバーとグループの媒介者とし、「相互作用モデル」を提唱しました。

W.ニューステッタ―

「地域社会を構成するグループの代表者同士が集まってグループ間の意見調整するのがよい」とし、コミュニティオーガニゼーションの技法の一つとして、「インターグループワーク論」を提唱しました。

地域内のグループ間の関係調整によって各グループの協働を促進するという理論です。

まとめ

グループワーク5人衆キーワード
G.コイルグループワークの母
G.コノプカグループワークの14原則
R.D.ヴィンタ―治療モデル
W.シュワルツ相互作用モデル
W.ニューステッタ―インターグループワーク

日本人でグループワークと言えば永井三郎です。

1951年「グループワーク小團指導入門」の著者です。

グループワーク3つのモデル

先ほどのグループワーク5人衆のうち二人は、グループワークのモデルを提唱していました。

治療モデル

R.D.ヴィンタ―がグループワークの治療モデルを提唱しました。

治療モデルは障害者や犯罪者、孤立者等の非常に重い課題を抱える人たちを対象に、矯正や治療を目的としたグループワークのモデルです。

相互作用モデル

W.シュワルツがグループワークの相互作用モデルを提唱しました。

ワーカーが媒介して個人と社会の相互援助システムを構築するのが相互作用モデルです。

社会的諸目標モデル

特に誰が提唱したというものではありませんが、ワーカーはグループ過程を促進して個人やグループを取り巻く環境の変革をめざすモデルです。

過去問

第29回 問題115

グループワークに関する次の記述のうち、正しいものを1つ選びなさい。
1 波長合わせとは、メンバー間の親しい対面や接触を通して、お互いに刺激し、影響し合うことである。
2 グループの発達過程とは、グループの誕生から終結に至る、力動的関係の過程を示すものである。
3 グループの凝集性とは、メンバーがどのような思いや感情を持ってグループの場面にやってくるのかを、援助者があらかじめ理解しておくことである。
4 メンバー間の相互作用とは、メンバーがグループの構成員として認められるため、グループが持つルールのことである。
5 プログラム活動とは、メンバーと機関・施設側との間で目標達成に向けての取組について合意を形成し、双方の責任を明確にすることである。

1 波長合わせとは、メンバー間の親しい対面や接触を通して、お互いに刺激し、影響し合うことである。
違います。
波長合わせはワーカーが事前のグループのメンバーの下調べをすることです。

2 グループの発達過程とは、グループの誕生から終結に至る、力動的関係の過程を示すものである。
これが正解です。

3 グループの凝集性とは、メンバーがどのような思いや感情を持ってグループの場面にやってくるのかを、援助者があらかじめ理解しておくことである。
これは波長合わせの説明ですので間違いです。
グループの凝集性とは、グループのまとまりやメンバー同士の絆のことです。

4 メンバー間の相互作用とは、メンバーがグループの構成員として認められるため、グループが持つルールのことである。
これは「グループ規範」の説明ですので間違いです。
メンバー間の相互作用とは、メンバー間の親しい対面や接触を通してお互いに刺激し影響し合うことです。

5 プログラム活動とは、メンバーと機関・施設側との間で目標達成に向けての取組について合意を形成し、双方の責任を明確にすることである。
これは「契約」の説明ですので間違いです。
プログラム活動とは何の関係もありません。

第29回 問題116

自助グループの特性に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 専門職がリーダーとして問題や課題を専有している。
2 メンバーが受動的である。
3 メンバー間に明確な上下関係がある。
4 異なる悩みや問題、課題を持つ者の集まりである。
5 本人や家族が参加している。

1 専門職がリーダーとして問題や課題を専有している。
間違いです。
自助グループは専門職の援助はほとんどない場合が多いです。

2 メンバーが受動的である。
自助グループのメンバーは同じ境遇の人達の集まりなのでメンバーが能動的です。

3 メンバー間に明確な上下関係がある。
自助グループのメンバーは同じ境遇の人達の集まりなのでメンバー同士に上下関係はなく対等です。

4 異なる悩みや問題、課題を持つ者の集まりである。
異なる悩みではなく同じ悩みを抱える人達の集まりです。

5 本人や家族が参加している。
これが正解です。
患者や障害者の会など、本人や家族が参加しています。

第32回 問題115

セルフヘルプグループに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 セルフヘルプグループのメンバーは、特定の体験を共有し、蓄積し吟味することによって生み出される体験的知識を活用し、問題に対処する。
2 セルフヘルプグループは、既に組織的に活動しているグループを基に形成される。
3 セルフヘルプグループは、多様な専門性を持つ専門職による、多職種連携の一形態である。
4 セルフヘルプグループでは、メンバー間の上下関係を活用する。
5 セルフヘルプグループへの入退会は、グループ運営を円滑に行うために、ソーシャルワーカーがその可否を決定する。

1 セルフヘルプグループのメンバーは、特定の体験を共有し、蓄積し吟味することによって生み出される体験的知識を活用し、問題に対処する。
これが正解です。

2 セルフヘルプグループは、既に組織的に活動しているグループを基に形成される。
間違いです。
既に組織的に活動しているグループが基になるのではなく、同じ境遇の人達が自主的に集まってできるグループです。

3 セルフヘルプグループは、多様な専門性を持つ専門職による、多職種連携の一形態である。
セルフヘルプグループには専門職が含まれないことが一般的なので間違いです。

4 セルフヘルプグループでは、メンバー間の上下関係を活用する。
メンバー同士に上下関係はありません。

5 セルフヘルプグループへの入退会は、グループ運営を円滑に行うために、ソーシャルワーカーがその可否を決定する。
そんなわけありません。

第33回 問題113 

グループワークに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 コイル(Coyle, G.)は、ミシガン学派に所属し、個人を望ましい方向に向けて治療する治療モデルを提唱した。
2 コノプカ(Konopka, G.)は、グループワークの14の原則を示し、治療教育的グループワークの発展に貢献した。
3 ヴィンター(Vinter, R.)は、ソーシャルワーカーの役割を、メンバーとグループの媒介者とし、相互作用モデルを提唱した。
4 トレッカー(Trecker, H.)は、セツルメントやYWCAの実践を基盤とし、グループワークの母と呼ばれた。
5 シュワルツ(Schwartz, W.)は、アメリカ・グループワーカー協会で採択された「グループワーカーの機能に関する定義」(1949 年)を起草した。

1 コイル(Coyle, G.)は、ミシガン学派に所属し、個人を望ましい方向に向けて治療する治療モデルを提唱した。
間違いです。「治療モデル」はヴィンタ―です。

2 コノプカ(Konopka, G.)は、グループワークの14の原則を示し、治療教育的グループワークの発展に貢献した。
これが正解です。
コノプカは、収容施設入所者、非行少年、情緒障害児に対する治療教育的​グループワークを開拓しました。

3 ヴィンター(Vinter, R.)は、ソーシャルワーカーの役割を、メンバーとグループの媒介者とし、相互作用モデルを提唱した。
間違いです。「相互作用モデル」はシュワルツです。

4 トレッカー(Trecker, H.)は、セツルメントやYWCAの実践を基盤とし、グループワークの母と呼ばれた。
間違いです。「グループワークの母」はコイルです。

5 シュワルツ(Schwartz, W.)は、アメリカ・グループワーカー協会で採択された「グループワーカーの機能に関する定義」(1949 年)を起草した。
「グループワーカーの機能に関する定義」(1949 年)を起草したのは誰なのでしょう。
入れ替え問題とすれば、トレッカーですが、本当にそうなのかわかりません。
選択肢2が正解なので、この選択肢は間違いでしょう。

次の記事

ここまで、ケースワーク、グループワーク、コミュニティワークと学んできました。

ここらでソーシャルワークについてまとめます。

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