「ケースアドボカシー」と「コーズアドボカシー(クラスアドボカシー)」

アドボカシー ソーシャルワークの展開
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ソーシャルワークの重要な機能の1つがアドボカシーです。

アドボカシーというのは、adovocate(主張する、指示する、擁護する)という意味ですので、福祉分野では「代弁」「権利擁護」などの意味で使われます。

利用者の意思を代弁することなどを通じて本人の権利を護ります。

ケースアドボカシー

ケースアドボカシーは、クライエント一人ひとりの権利を護るものです。

ケースというのは「個人の」ということですね。集団ではありません。

コ―ズアドボカシー(クラスアドボカシー)

コーズアドボカシーは、クライエントと同じ状況に置かれている人たちの権利を守るために、新しい資源を開発しようとするもので、 集団やコミュニティを対象にした代弁行為です。

ケースアドボカシーはクライエント一人ひとりが対象、コ―ズアドボカシーはクライエントと同じ状況に置かれている人達が対象です。セットで覚えましょう。

「コ―ズ(cause)=原因」という意味からは覚えにくいですが、「クラス=集合体」の意味ですのでそちらで覚えましょう。

ピアアドボカシー

ピアアドボカシーは、同じ問題を抱える人が集まり、互いのニードを代弁する行為です。

ピア(peer)は、「仲間、同僚」という意味ですね。ピアカウンセリングは同じ悩みを持つ人同士でカウンセリングし合うことです。

セルフアドボカシー

セルフアドボカシーは、クライエントが自らの権利を主張していくものです。

自分自身の権利を自分自身で主張するのはある意味当たり前ですが、アドボカシーは代弁という意味なので、なんか変な気もします。

シチズンアドボカシー

シチズンアドボカシーは、当事者を含む市民が主体となって、権利の抑圧を受けている市民を擁護する市民運動のことです。

シチズン(citizen)は「市民」という意味です。

リーガルアドボカシー

リーガルアドボカシーは、弁護士などがクライエントの権利行使を援助したり、権利を擁護するために働きかけるものです。

リーガル(legal)は「法律の」という意味です。

ソーシャルアクション

世論への歓喜や国・地方自治体、企業、民間団体に働きかけるものです。

社会資源の開発という意味では、アドボカシーと同じような行動になります。

過去問

第31回 問題95

アドボカシーに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ソーシャルワーカー自身の利益のために、サービス利用者の権利を擁護することである。
2 サービス利用者の主体的な生活を実現するために、その意志や権利を代弁することである。
3 サービス提供機関が利用者に訴えられた場合に、サービス提供機関の権利を代弁することである。
4 自らの意思を示すことが困難なサービス利用者の権利を、その家族や友人の判断に基づいて擁護することである。
5 サービス利用者の主張と、利害の対立する相手方の主張とを中立的な立場で調整することである。

1 ソーシャルワーカー自身の利益のために、サービス利用者の権利を擁護することである。
ソーシャルワーカー自身の利益のためであってはなりません。
間違いです。

2 サービス利用者の主体的な生活を実現するために、その意志や権利を代弁することである。
これが正解です。

3 サービス提供機関が利用者に訴えられた場合に、サービス提供機関の権利を代弁することである。
サービス利用期間の権利を代弁することではありません。

4 自らの意思を示すことが困難なサービス利用者の権利を、その家族や友人の判断に基づいて擁護することである。
その家族や友人の判断に基づいてという部分が間違いです。

5 サービス利用者の主張と、利害の対立する相手方の主張とを中立的な立場で調整することである。
中立的な立場ではなく、サービス利用者の立場で主張することです。

第29回 問題112

社会資源の開発に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ケースアドボカシーとは、クライエントと同じ状況に置かれている人たちの権利を守るために、新しい資源を開発しようとすることである。
2 小地域開発とは、社会福祉の制度やサービスの創設・改善・維持を目指す活動である。
3 ソーシャルアクションとは、地域の問題について、専門家を入れずに住民がグループでの取組を通して問題解決を図れるようにするものである。
4 コーズアドボカシーとは、一人のクライエントの利益と安定した生活をまもるための働きである。
5 社会計画とは、公的な機関や専門職が地域の問題について情報を収集・分析し、合理的な取り組み方を決めて実施することである。

1 ケースアドボカシーとは、クライエントと同じ状況に置かれている人たちの権利を守るために、新しい資源を開発しようとすることである。
これはコ―ズアドボカシーの説明ですので間違いです。
ケースアドボカシーはクライエント一人ひとりの権利を守るものです。

2 小地域開発とは、社会福祉の制度やサービスの創設・改善・維持を目指す活動である。
間違いです。
小地域開発とは、住民の自助や住民同士の助け合いの促進と地域社会にあるさまざまなグループの統合化を目指す活動です。

3 ソーシャルアクションとは、地域の問題について、専門家を入れずに住民がグループでの取組を通して問題解決を図れるようにするものである。
ソーシャルアクションを専門化を入れずに行うのは良くありません。

4 コーズアドボカシーとは、一人のクライエントの利益と安定した生活をまもるための働きである。
コ―ズアドボカシーを「一人のクライエント」としているのは間違いです。

5 社会計画とは、公的な機関や専門職が地域の問題について情報を収集・分析し、合理的な取り組み方を決めて実施することである。
正しいです。
社会計画は、日本では経済開発を推進する経済計画から社会福祉の推進をより特化した社会福祉計画が登場する過程で、非経済領域や生活関連領域(教育、住宅、保健医療、社会保障、雇用)に生じた経済開発によるひずみを是正し、経済開発の範疇でバランスがとれ充実した経済社会への発展のために社会開発を提唱した計画です。
社会計画ではそのアプローチはトップダウンになり、公的な機関やソーシャルワーカー等の専門職は、実態を把握、分析し、計画を具体的に推進していかなければなりません。

第32回 問題94

アドボカシーに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 ケースアドボカシーとは、クライエントと同じ状況に置かれている人たちの権利を守るために、新たな制度を開発する活動である。
2 コ―ズアドボカシーとは、クライエントの権利を守るために、法的な手段を用いる活動である。
3 セルフアドボカシーとは、クライエントが自らの権利を主張していく活動である。
4 シチズンアドボカシーとは、同じ課題を抱えるクライエントの代弁や制度の改善・開発を目指す活動である。
5 リーガル・アドボカシーとは、一人のクライエントの安定した生活を復権させる活動である。

1 ケースアドボカシーとは、クライエントと同じ状況に置かれている人たちの権利を守るために、新たな制度を開発する活動である。
これはコ―ズアドボカシーの説明ですので間違いです。

2 コ―ズアドボカシーとは、クライエントの権利を守るために、法的な手段を用いる活動である。
これはケースアドボカシーの説明ですので間違いです。

3 セルフアドボカシーとは、クライエントが自らの権利を主張していく活動である。
これが正解です。

4 シチズンアドボカシーとは、同じ課題を抱えるクライエントの代弁や制度の改善・開発を目指す活動である。
シチズンアドボカシーは市民の自発的な行為によって、不利益を被る可能性がある人を擁護することですので間違いです。

5 リーガルアドボカシーとは、一人のクライエントの安定した生活を復権させる活動である。
間違いです。
リーガルアドボカシーは弁護士など法的な訓練を受けた人が、クライエントの権利行使を援助したり、権利を擁護するために働きかけるものです。
一人のクライエントが対象ではありません。

グループワーク
グループワークの源流はセツルメント運動やYMCA運動です。YMCA運動とは、1844年に青少年の精神を改善するという趣旨のもと12人の勤労青年によって生まれた団体です。YMCAでは余暇をレクリエーションやクラブ活動に使うよう指導し...

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