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【学習心理学】オペラント条件づけ&レスポンデント条件づけ

ここでは、オペラント条件づけとレスポンデント条件づけ(古典的条件づけ)の違いをしっかりと理解しましょう。

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レスポンデント条件づけ(古典的条件づけ)

パブロフの犬

ロシアの生理学者パブロフ(Pavlov,I.)は、「犬にベルを鳴らしてえさを与えると、ベルを鳴らしただけで犬がだ液を分泌するようになる」というパブロフの犬の実験を行いました。

人間でも、たとえば交通事故に遭った人が車のエンジン音を聞くだけでビクッとするといった、無意識の条件反射がレスポンデント条件づけです。

アルバート坊やの実験

アルバート坊やの実験は、1920年に心理学者ワトソン(Watson, J.B.)が行った乳児(アルバート坊や)に対する恐怖の実験です。

アルバート坊やに白ネズミを見せる際、背後で金属棒にハンマーを打ち付けて大音量を鳴らすことで、ネズミを条件反射的に怖がるようになりました。さらに白ネズミだけでなく、ウサギ、毛皮のコート、サンタクロースのマスクなど、他の毛皮のあるものを怖がるようになってしまいました。これは般化と呼ばれ、学習した特定の反応や行動が、最初の条件とは異なる類似した別の刺激や環境下でも現れる現象です。

カリスマくん
カリスマくん

レスポンデント条件づけは「反射的な」反応で、不随意のレスポンス(反応)があるわけだね。不随意というのは意志に基づかないということだよ。それにしてもアルバート坊やの実験は、赤ちゃんがかわいそすぎるよ

オペラント条件づけ

先ほどのレスポンデント条件づけは無意識的な反応でした。

では、例えば犬にベルを鳴らさせると餌がもらえるというルールを作ったら、おそらく犬はベルをならすことを学習するでしょう。

犬は学習することによりそのような行動をするので、先ほどのレスポンデント条件づけとは違います。

これをレスポンデント条件づけに対して、オペラント条件づけとスキナー(Skinner,B.F.)は命名しました。

これをスキナーの学習理論と呼んでいます。

カリスマくん
カリスマくん

オペラントとは「オペレート(operate)」が元になっている、スキナーの造語だよ。

「オペラント条件づけ」はアメとムチの考え方に近いです。

例えば、犬にお座りができたら餌を与える、これを繰り返すと犬が自発的にお座りをするようになります。

逆に、犬がうるさく吠えると叱ることを繰り返すと、犬は吠えるのを自発的に辞めます。

「お座りができたら餌を与える」というのは、餌というアメがあるからお座りをしようという意志が働き、逆に「うるさく吠えると叱られる」については、叱られるというムチを受けないように吠えないようにしようと意志が働くわけです。

このようにレスポンデント条件付けとは違って、自分の意志(随意)で行動することがポイントです。

その行動を促すのに、アメ(報酬刺激)とムチ(嫌悪刺激)があるのです。

オペラント条件付けには「強化」という概念があり、刺激が与えられて行動が増大することを「正の強化」、刺激が取り除かれて行動が増大することを「負の強化」といいます。

例えば、
褒めることで宿題をする→「正の強化」
叱らないことで宿題をする→「負の強化」

また「強化」に対して「罰」という概念もあって、刺激が与えられて行動が減少することを「正の罰」、刺激が取り除かれることで行動が減少することを「負の罰」といいます。

例えば、
私語をしている生徒を叱ると私語がなくなる→「正の罰」
私語をしている生徒から遊び道具を取り上げることで私語がなくなる→「負の罰」

オペラント条件づけの強化と罰
  行動の増大 行動の減少・消失
刺激を提示 正の強化 正の罰
刺激を除去 負の強化 負の罰

オペラント条件づけを利用した行動療法

トークンエコノミー法

トークンエコノミー法は、オペラント条件づけの「正の強化」を用いた行動療法の1つです。

トークンとは代用貨幣のことで、目標となる行動ができたときに「トークン」を与えて、動機づけにするというものです。

ただし、あまりこのトークンを多用すると、本来の「内発的動機づけ」が弱まってしまうことがあります。

例えば、興味を持って勉強していたのに、勉強すればお小遣いがもらえるようになると、勉強の意欲が薄れてしまうといった現象です。

シェイピング

シェイピングは、目標とする行動を獲得するために、その行動を小さなステップに分けて段階的に獲得へ導いていく方法です。
幼児や発達障害児などに用いられます。
例えば、トイレでうまく用を足せない発達障害児がいたとして、トイレに行く行動を①トイレのドアを開ける、②トイレのドアを閉める、③便座に座る、④用を足す、⑤水を流す、などなど行動を細分化し、それぞれの段階をクリアできれば報酬を与えます(褒めるとか)。

カリスマくん
カリスマくん

イルカショーもシェイピングだね。

応用行動分析

応用行動分析(ABA:Applied Behavior Analysis)は、オペラント条件づけによる強化や弱化を利用して、発達障害のある子どもの療育など様々な分野に用いられています。

不適切な行動があったとき、「不適切な行動を支えている強化子は何か」と考え、「望ましい行動を増やしていくために何が強化子になりそうか」を考えていくのが応用行動分析です。

強化子を見つけるために、行動の前後の出来事を、次の3つの要素に分析します。

A(antecedent) :その行動が起こるきっかけ
B(behavior)   :行動
C(consequences):行動の結果

例えば、「お菓子を買ってもらえない子どもが大泣きして、買ってあげると、その後も買ってもらえない時に大泣きするようになった。」という例を考えると、

A:お菓子を買ってもらえない
B:大泣きする
C:お菓子を買ってもらえた

この場合は「大泣きする」という行動によって、「お菓子を買ってもらえる」という強化子が得られるという結果につながっています。

ここで、「どれだけ大泣きしてもお菓子を買ってもらえない」としたらどうでしょう。そのようなことが続けば、大泣きする頻度は徐々に減っていくでしょう。これを「消去」と言います。

このように、「強化」や「消去」を用いて行動を変えていくのが応用行動分析です。

過去問

第26回 問題9

レスポンデント(古典的)条件づけとオペラント(道具的)条件づけに関する次の記述のうち正しいものを1つ選びなさい。
1 レモンを心の中でイメージしていると、次第に唾液が出てきた。これはオペラント条件づけである。
2 池のコイにエサを毎日与えていたら、池に近づいていくとコイが素早く寄ってくるようになった。これはレスポンデント条件づけである。
3 イヌが前足を出そうとしたときに、その行動をほめていたら、「お手」をするようになった。これはオペラント条件づけである。
4 プラナリアという原始的生物に、光を当てた後に電気ショックを与えていた。すると光を当てるだけで収縮するようになった。これはオペラント条件づけである。
5 ボタンをつつくとエサの出る装置にハトを入れたら、ボタンを盛んにつつくようになった。これはレスポンデント条件づけである。

1 レモンを心の中でイメージしていると、次第に唾液が出てきた。これはオペラント条件づけである。
これはレスポンデント条件づけです。

2 池のコイにエサを毎日与えていたら、池に近づいていくとコイが素早く寄ってくるようになった。これはレスポンデント条件づけである。
これはオペラント条件づけです。

3 イヌが前足を出そうとしたときに、その行動をほめていたら、「お手」をするようになった。これはオペラント条件づけである。
正しいです。

4 プラナリアという原始的生物に、光を当てた後に電気ショックを与えていた。すると光を当てるだけで収縮するようになった。これはオペラント条件づけである。
これはレスポンデント条件づけです。

5 ボタンをつつくとエサの出る装置にハトを入れたら、ボタンを盛んにつつくようになった。これはレスポンデント条件づけである。
これはオペラント条件づけです。

第30回 問題9

次の記述のうち、オペラント条件づけにおける正の強化の事例として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 いたずらをしている子どものゲーム機を取り上げたら、いたずらをやめた。
2 宿題をやってくるたびに褒めていたら、宿題を忘れずやってくるようになった。
3 授業中、勝手に話をしていた生徒を叱ったら、私語がなくなった。
4 好きな曲が流れているテレビCMの商品に好感を持つようになった。
5 デイサービスで嫌な思いをした高齢者が、デイサービスを休むようになった。

1 いたずらをしている子どものゲーム機を取り上げたら、いたずらをやめた。
これは「負の罰」です。
つまりゲーム機を取り上げる(刺激を除去=負)→いたずらをやめる(行動が減少=罰)

2 宿題をやってくるたびに褒めていたら、宿題を忘れずやってくるようになった。
これが正解です。

3 授業中、勝手に話をしていた生徒を叱ったら、私語がなくなった。
これは「正の罰」です。
つまり生徒を叱る(刺激を与える=正)→私語が無くなる(行動が減少=罰)

4 好きな曲が流れているテレビCMの商品に好感を持つようになった。
これは自発的な行動ではなく無意識のものなのでレスポンデント条件付けです。

5 デイサービスで嫌な思いをした高齢者が、デイサービスを休むようになった。
これは「正の罰」です。
嫌な思いをする(刺激を与える=正)→デイサービスを休む(行動が減少=罰)

第34回 問題8

次の記述のうち、レスポンデント(古典的)条件づけの事例として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 デイサービスの体験利用をしたら思ったよりも楽しかったので、継続的に利用するようになった。
2 自動車を運転しているときに事故に遭ってから、自動車に乗ろうとすると不安な気持ちを強く感じるようになった。
3 試験前に時間をかけて勉強することで高得点が取れたので、次の試験前にも勉強に時間をかけるようになった。
4 おもちゃを乱暴に扱っていた子どもに注意をしたら、優しく扱うようになった。
5 工事が始まって大きな音に驚いたが、しばらく経つうちに慣れて気にならなくなった。

1 デイサービスの体験利用をしたら思ったよりも楽しかったので、継続的に利用するようになった。
これはオペラント条件づけの「正の強化」です。

2 自動車を運転しているときに事故に遭ってから、自動車に乗ろうとすると不安な気持ちを強く感じるようになった。
これが正解、レスポンデント条件づけです。

3 試験前に時間をかけて勉強することで高得点が取れたので、次の試験前にも勉強に時間をかけるようになった。
これはオペラント条件づけの「正の強化」です。

4 おもちゃを乱暴に扱っていた子どもに注意をしたら、優しく扱うようになった。
これはオペラント条件づけの「正の罰」です。

5 工事が始まって大きな音に驚いたが、しばらく経つうちに慣れて気にならなくなった。
これは馴化の例です。

第36回 問題9

次の記述のうち、オペラント条件づけの事例として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 電車に乗っているときに事故にあってしまい、それ以降電車に乗るのが怖くなってしまった。
2 以前に食べたときに体調が悪くなった食品を見ただけで、気分が悪くなってしまった。
3 犬にベルの音を聞かせながら食事を与えていると、ベルの音だけで唾液が分泌するようになった。
4 人に迷惑をかけるいたずらをした子どもを叱ったら、その行動をしなくなった。
5 病院で受けた注射で痛い経験をした子どもが、予防接種のときに医師の白衣を見ただけで怖くなって泣き出した。

1 電車に乗っているときに事故にあってしまい、それ以降電車に乗るのが怖くなってしまった。
誤りです。これはレスポンデント条件づけです。

2 以前に食べたときに体調が悪くなった食品を見ただけで、気分が悪くなってしまった。
誤りです。これはレスポンデント条件づけです。

3 犬にベルの音を聞かせながら食事を与えていると、ベルの音だけで唾液が分泌するようになった。
誤りです。これはレスポンデント条件づけです。

4 人に迷惑をかけるいたずらをした子どもを叱ったら、その行動をしなくなった。
これが正解、オペラント条件づけの「正の罰」です。

5 病院で受けた注射で痛い経験をした子どもが、予防接種のときに医師の白衣を見ただけで怖くなって泣き出した。
誤りです。これはレスポンデント条件づけです。

第38回 問題7

事例を読んで、次のうち、現在のAさんに生じている状況を説明する現象として、最も適切なものを1つ選びなさい。
〔事  例〕Aさん(25歳)は、1年半前、バスの中で息苦しくなり、このまま心臓が止まってしまうのではないかと恐怖に襲われる経験をした。その後、バスに乗ると強い恐怖を感じるようになってしまい、バスに乗れなくなってしまった。病院を受診したところ、身体的な異常は認められなかった。しかし、現在では電車などのバス以外の乗り物にも恐怖を感じるようになってしまった。
1  強化
2  消去
3  般化
4  弁別
馴化

)選択肢3の般化が正解です。

第38回 問題12

次の記述のうち、発達障害のあるAさん(10歳、男性)に対して、応用行動分析(ABA:Applied Behavior Analysis)に基づく支援として、最も適切なものを1つ選びなさい。
1 Aさんの多動の背景には、無意識の欲求があると考え、自由連想法を行う。
2 Aさんの支援に関わる職員に生じている逆転移への対応を優先する。
3 Aさんの身体に硬さが現れているようであれば、リラクゼーションを行う。
4 Aさんの家族を対象としたカウンセリングを行う。
5 Aさんの行動とAさんの支援に関わる職員の対応との関連性について明らかにする。

選択肢5が正解です。Aさんの行動の前後にある事象に着目して、強化子などを見出していきます。

次の記事

次は、「マズローの欲求階層説」です。

オペラント条件づけと同じく、動機づけ理論の基本です。

「マズローの欲求階層説」の覚え方
人間の欲望には際限がありません。あれが食べたい、これが欲しい、ああなりたい、こうなりたい・・・。このような欲求は階層的に順位づけられるというのがマズローの欲求階層説です。5段階の階層アブラハム・マズロー(Maslow, A.)が提唱した欲求...

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